ホントにね、
我ながら、この夏はけっこう読んだなと思います。
何だか枯れてる、じゃなくて、
干からびてる、じゃなくて、
そう、乾いてる感じがありまして。
というわけでして、
夏の文庫フェア’17 その2、
集英社です。
ナツイチ(夏の一冊)
→http://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/
『彼が通る不思議なコースを私も』白石一文
→http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-745531-1&mode=1
友人の生死を決める衝撃的な現場で霧子が出会った黒ずくめの男。彼は修羅場をよそに、消えるようにいなくなってしまった。後日、霧子は男に再会し、徐々に魅かれていく。彼の名は椿林太郎。学習障害児の教育に才能を発揮し、本気で世界を変えようと目論む、抜群に優秀な小学校教師。人は彼のことを「神の子」と呼ぶ。しかし、彼にはある大きな秘密があって・・・生への根源的な問いを放つ傑作長編。
(カバー惹句より)
何だろう、
ファンタジーなのかリアル系なのか、
軽いようでいて重いところもあるような、
ちょっと不思議な感覚の小説でした。
著者としては、
これを言いたかったのかな、
という主人公のセリフです。
「いまは学習障害だのなんだのレッテルだけ貼られて落ちこぼれ扱いを受けている子供たちがたくさんいるけれど、実は彼らにはものすごい可能性があると僕は思っている。小さい頃から何でもそつなくこなして、一流高校、名門大学へと進む子供たちよりも、むしろ発達に偏りのある彼らの方によほど未来を感じるくらいなんだ」
でもって終盤、
展開がやけに早足だなと思っていたら・・・
『リケコイ。』喜多喜久
→http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-745507-6&mode=1
恋愛経験ゼロ。冴えない理系大学院生の森は、ある日突然恋に落ちた。相手は、卒業研究をするため研究室にきた、黒髪メガネの年下リケジョ・羽生さん。ところが、好みド直球な彼女にはある重大な秘密が!
妄想と現実に身悶えながら、あの手この手でアプローチを仕掛けるが、ひたすら空回り。それでも諦めきれない・・・。
どこまでも不器用で、思わず応援したくなる、歯がゆさ満載の青春ストーリー!
いやその、
いわゆる腐れ縁な〇〇郎というツレを思い浮かべてしまって、
つい買っちゃいました。
原作者の「私」と、
視点人物で主人公の森クン、執筆者の喜多喜久氏、
それぞれ別物なんですよ、という仕掛けの小説です。
こんな「リケジョ」が現実にいるとは思えないのだけれど、
(後で読んだ Mommy も同意見でした)
それに近い悪魔女子に、
どうしようもなく翻弄されてしまう辺り、
我が身にも憶えが無くもないところ。
理系・文系関係なく、
所詮男子は皆バカヤロウでして、
いや、全くもってセツナイです。
『太陽のパスタ、豆のスープ』宮下奈都
→http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-745026-2&mode=1
結婚式直前に婚約を解消された明日羽(あすわ)。失意のどん底にいる彼女に、叔母のロッカさんが提案したのは“ドリフターズ(やりたいこと)リスト”の作成だった。自分はこれまで後悔なく過ごしてきたか。相手の意見やその場の空気に流されていなかっただろうか。自分の心を見つめ直すことで明日羽は少しずつ成長してゆく。自分の気持ちに正直に生きたいと願う全ての女性に贈る感動の物語。
もう1年近く前のことですが、
「家族や親戚や友人がさりげなく気を遣って主人公を支えていく様子がとても優しい」
と知人が言っていたので。
私が選ぶもので私はつくられる。好んで選んだものも、ちょっと無理をして選んだものも、選ぼうとしなくても無意識のうちに選び取っていたものも。譲さんを選んだのも、そして譲さんに選ばれなかったのも、私だ。私に起こった出来事だ。それらは私の一部になる。私の体の、私の心の、私の人生の。
ちなみに、
主人公が「結婚式直前に突然婚約を解消」されてしまったその理由は、
結局最後まで語られず分からないまま終わってしまって、
ちょっとスッキリしないわけだけれども、
著者には、
新しい一歩を踏み出そうとする時、
そんなことは、どうでもいいことなんだよ、
っていう意図があるのかな、とも思いました。
ま、何にしても、
迷った時は、まず腹ごしらえ、です。
・・・という具合の(マイ)夏の文庫フェア、
お陰様で潤いました。たぶん。
ところで、
集英社文庫は40周年につき、
新キャラ「よまにゃ」誕生だそうです。
読書が大好きな、集英社文庫の新しいキャラクター。
どこかの町の本屋さんで、まいにち本を読んで暮らしている。
次に好きなのが人間観察。お店にやって来るお客さんたちの
心を読んで、日々、オススメの本を紹介している。
口癖は「よまにゃ」。
http://bunko.shueisha.co.jp/yomanya/
猫ですか・・・
自分は「バジー」(ミツバチ)が好きだったんだけど。
ひょっとして、
角川文庫が「ハッケンくん」(犬)だから?
ちなみに、
新潮文庫は「キュンタ」(ロボット)。
(以前は「yonda?」パンダだったような)
ともあれ、
栞やらブックカバーやら、
そういうグッズで本を読む人が少しでも増えるなら、
ま、いっか。
です。
それでは、また来年!
ウィリアムズ症候群の世界へTouch and Go!
染色体異常にも色々ありまして・・・
育児の悩み、障碍も定型もありません。
特別支援教育ってどゆこと?こゆこと!