昨日泊まられた東京の大学生三人組。


 工業大学の仲間だと言うが、今時の学生のイメージと違い茶髪やピアスなどをしていない、真面目そうな好青年達だった。


 東京生まれの一人は自分で「鉄道オタクです」と言っていた。

 もう一人は岐阜で生まれたが、お父さんの転勤で岐阜県内を転居し、アメリカにも住んでいたということで英語が堪能。

 他の一人は沖縄県出身らしい。

 三人とも夜の妻籠を散策に行った以外は囲炉裏の周りから離れない。

特に沖縄出身の子はずう~っと火をかまっている。

 「火をじっとし(ずう~っと)かまっている奴は、スケベだって言うよ・・」と言うと皆で笑っていた。


 もう一組はハワイからのお客さん。

高山から電車で来るので、本数が無いため我が家へ九時頃着くとの連絡だった。

ところが、九時過ぎても・・、十時過ぎても来ない・・。

「どうしたのか・・」と心配していたら、十一時にやっと来た。


父母が広島県出身だという日系二世のお祖母さん。

(旦那さんは熊本出身だったとのこと)

その娘さん。

娘さんの子供さんが三人の、三世代五人。


お祖母さんは本当に片言の日本語で、ほとんど話せない。

娘さんや孫は全く話せない。


 慌てて夕食の支度をしながら事情を聞いたが細かなことが解らない。

そこで、囲炉裏の周りに居たアメリカにいたことのある大学生に通訳を頼んだ。


 すると、電車で来たのだが南木曽で降りないで乗り過ごしてしまい、どこの駅か解らないが降りて、今度は上りの電車を一時間五十分待っていて乗ってきたとのことだった。


 「それは大変だったねぇ・・」

夕食を食べていただき、皆で話をしていたら十二時・・。

大学生達はまだ囲炉裏の周りに居たい様子だったが、ハワイのご家族が休まれたので一時ごろ部屋に入ってもらった。

片付けて寝たら一時半過ぎ


 翌朝、大学生達は七時半の朝食。

ご家族の朝食は八時。


 今日は朝から雨だったこともあり、よほど囲炉裏の周りが気に入ったのか、皆火をかまっていて出発しようとしない。

聞けば、ご家族は名古屋で二時の新幹線に乗って、東京の友人のところに行くそうだが、のんびりしていてもう妻籠を見ている時間が無い。

そこで、タクシーに乗って行き、宿場内は車両通行止めの為妻籠の南側で降ろしてもらい、、タクシーの待っている北側まで歩いて行くように勧めた。

「オー!グッドアイディア!!」

出がけに、ハワイのチョコレートやお菓子を頂いた。


結局皆が出て行ったのは十一時過ぎだった。

囲炉裏の火には人を引きつけるものがあるのだろう。