2011年04月29日(金) 14時55分17秒

生命の跳躍――進化の10大発明

テーマ:進化
目次は以下のとおり。
1 生命の誕生―変転する地球から生まれた
2 DNA―生命の暗号
3 光合成―太陽に呼び起こされて
4 複雑な細胞―運命の出会い
5 有性生殖―地上最大の賭け
6 運動―力と栄光
7 視覚―盲目の国から
8 温血性―エネルギーの壁を打ち破る
9 意識―人間の心のルーツ
10 死―不死には代償がある

どれも非常に興味深いテーマで、面白いのだが、私には難しかった。生物学をそれなりに勉強していなければ、この本を堪能することは難しいだろう。たくさんの図解がほしいところだ。著者が生化学者ということもあり、そのことは前半のほうで顕著だ。

著者の前著が『ミトコンドリアが進化を決めた』ということもあり、多くの章でミトコンドリアが登場する。そこがまた興味深い。

私が一番興味深かったのは「8 温血性」。この章だけ2度読んだ。どの章も味わい深く(難しいこともあり)何度も読み返すべきだが、この温血性は読みやすく、そして真っ先に読み返したくなった。はじめ、目次を見てこの本の10のテーマの中で一番興味を引かなかったその反動ということもあるかもしれない。

温血性のメリットは、てっきり氷河期で気温が下がったことに対する防衛策というのが一番かと思っていたが、どうもそれは2次的なことらしい。体温を維持するため食べ続けなければいけない哺乳類と鳥類のこの宿命は、実はデメリットではないかと最近感じていたので、この本に紹介されている仮説は目からうろこである。

全体が科学ミステリー風に展開されていくので、その温血性のメリットが何なのかはここには記さないことにする。ただ、その温血性ゆえに知能が発達したと考えられるという点、非常に考えさせられる内容だった。

「1 生命の誕生」では、しばしば『生命の起源を解く七つの鍵』に書いてあることを思い起こしながら読んだ。あの本に書いてあることは、ちょっと違うのか、しかし、似たようなアイデアは継承されているなと。本書の巻末の参考文献には、
「今では科学的に古い本だが、生命の化学反応の核心にある手がかりをシャーロック・ホームズばりに調べる手並みは、他の追随を許さない」と書いてあって、うれしくなった。そう『生命の起源を解く七つの鍵』は「科学的」には古い内容なのだろう。しかし、そのアイデアは非常に示唆に富むものだったのだと思う。ちなみにこの本を知ったのはドーキンスの『盲目の時計職人』でだった。

「7 視覚」では、やはり私が非常に刺激を受けた『眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く』のことを本文では「腹立たしいほど思い込みの強いところもあるが興味深い著書」と評し、巻末の参考文献では「かなり視野が狭いが、非常に面白い」と評している。自分が読んで影響を受けた本の内容が関連してくるのはうれしい。それにしても『眼の誕生』、そういう本だったのか。

いずれにせよ、どの章も味わい深く、何度も読み返したくなる本だ。内容はいずれ科学的に古くなるのだろうが、この時代を象徴するものとして、この本は間違いなく、買い!である。



生命の跳躍――進化の10大発明
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