独検対策03-1
「11月23日のドイツ語検定に向けて、1日に最低1記事は翻訳しよう」という企画の第3段。
私は怠け者で、しかも飽きっぽい性格なので、本当にやり通せるか、自信はない。というか、昨日すでに更新ストップしているし…。
ドイツの左翼党が新綱領を決める党大会を開いています。商業メディアの中でも特に左翼党とは立ち位置が対極的な新聞の報道を紹介するのも面白かろうと思い、今回は財界寄りの Financial Times Deutschland の記事を翻訳しました。
可能ならばもう一発、保守系紙の Die Welt の記事も投稿したいと考えていますが、さてどうなることやら…。
2011.10.24.追記: お詫びと訂正
「新綱領」とか「綱領改定」とか書きましたが、まちがいです。
左翼党は、今回の党大会で結党(1997年)後初めて綱領を制定します。
追記ここまで。
Financial Times Deutschland
2011年10月21日15:41(ドイツ時刻)配信
エアフルトErfurtにおける党大会
左翼党は貯蓄銀行で世界を改善しようとしている
党は債務・金融危機についての意見を持っている。ただ、その意見が凋落しているだけである。新しい綱領で以って、党はこの状況を変えようとしている。党は強欲な銀行を罵る。そして、舞台裏では前党首のラフォンテーヌLafontaineがウォーミングアップを始めている。
左翼党は新たなる出発を模索している。エアフルトでの党大会において、党は長らく議論されてきた綱領について採決する予定である。党首のゲズィーネ ロェッチ Gesine Lötzsch は、資本主義に対して批判的な新綱領案を「支配的なエスタブリッシュメントに対して闘う気の表明」として認識したいと考えている。左翼党は「貨幣ではなくて国民が統治する」世界を望んでいて、「直接民主的であればあるほど良い」「我々のエアフルト綱領がこの国を変えることを、私は確信している」と、ロェッチは語った。
これに関しては、綱領のいくつかの条項に含まれている。党は、銀行・エネルギー財閥やその他の「構造を規定している領域」の国有化を望んでいる。相続遺産や資本所得*1そして財閥の利益に対する課税を、はっきりと強化するべきだとされている。そして、左翼党が政権をとったら、億万長者は年率5%の財産税を払わなければならない。これとは反対に、被庸者は長期的には週30時間労働や法的最低賃金を享受できるとのことである。
*1資本所得:利子・配当・地代など。事業所得とごっちゃにしちゃだめよ。
しかし、資本主義批判によってここのところ左翼党が盛り上がるという事態には、あまりなっていない。むしろ党は、エンドレスな党内のコップの中の争い*2をしている。とりわけ、ロェッチと Klaus Ernst クラウス エルンストの両党首は不遇である。すでに、彼らの解任についてまで議論されている。けれども、これは党大会の議題とはなってない。執行部の選挙は行われない。新綱領が党を一つにまとめるはずだと考えられている。
*2コップの中の争い:原文はGrabenkämpfe 墓穴の中の戦い
そもそも、今は左翼党にとって恵まれた時期であるはずである。債務・銀行危機に直面して、資本主義批判の声を上げることが流行になっている。そして、強欲な銀行や無能な政治家への怒りを声高に表明する動きが、占拠抗議という形で急速に広まっている。だが、こうした傾向を左翼党はこれまでのところ利用できていない。過去の州議会選挙は期待はずれの結果であり、しかも、支持率は引き続き低下の傾向である。
字数オーバーにより、その2に続く。