コロナな日々17~給付金申請と接触確認アプリと清水寺

 

●2020年7月19日(日)

 

 夜、ネットを見ていると、「10万円の給付金、約1割の世帯が未受給」とのニュースが目に入る。妻に確認すると「締め切りが8月中旬なので、まだ申請していない」という。申請用紙が届いたのが業務ピーク期で、精神的な余裕が全くなかったので、「落ち着いてからにしよう」と考え、そのまま放置していたのだ。しかし、残りの1割となり、締め切りまで1ヵ月を切っている。さすがに申請しないといけない。やや焦りながら、用紙に記入。10万円頂戴しても、自分がもらえるわけではないということもあり(小遣い制なので)、忘れてしまっていた。

 

 わが家は3人家族なので、30万円が振り込まれることになるのだけれど、だからといってそのお金で、何かを買おうとか、外食しようとか、旅行に行こうとかいうことにはならない。可能な限り日常のルーティンを続け、一日、一週間、毎月、毎年のリズムをキープし、イレギュラーなことは極力やらないというのがわが家の暗黙のルールだからである。30万円が振り込まれなくても(Go To トラベルがなくても)、年に2回旅行に行くし、年に数回はどこかに出かけて外食するし、壊れない限り家電製品やパソコンは購入しない。

 

●2020年7月22日(水)

 

 本日、大阪府の新型コロナウイルスの1日当たりの新規感染者数が4月9日の92人を超え、過去最高の121人となった。但し、前回の「コロナな日々16~健康診断と感染第2波とGo To トラベル」で紹介した通り、正確には「感染者数」ではなく、「PCR陽性者判明数」である。しかし、PCR検査数を増やしているとはいえ、大阪にも遂に感染第2波がやって来たということなのかとネットを見ていると、参考になる記事があった。週刊新潮「山中教授の「コロナで10万人以上亡くなる」発言を検証 専門家「すでにピークアウト」」(https://www.dailyshincho.jp/article/2020/07220556/)である。

 

 7月に入り、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数(実際は「PCR陽性者判明数」だが)は200人超えが続き、過去最高となっており、TVのワイドショーのコメンテーターなどから再度の「緊急事態宣言を出せ」との声が聞かれる。しかし、そもそも緊急事態宣言の目的は、医療崩壊を防ぐことにあった。現在、重症者用のベッドは埋まっておらず、「実際、全国の新型コロナによる重症者数は、4月30日には328名だったが、7月12日時点では34名にすぎない」。

 

 また、大阪大学核物理研究センター長の中野貴志教授によると、「今回の感染は7月9日前後にピークを迎えています。いつ感染したかで考えると、推定感染日を2週間前とすれば、6月25日前後にはピークアウトしていたことになります」。

 

 「私は中国由来の流行を第1波、欧米由来を第2波と分けており、いまは第3波ですが、前の二つをまとめて第1波とするなら、第2波、または小流行と呼んでもいい。そのスタートは6月22日ごろ、推定感染日だと6月8日ごろで、第1波のくすぶりではなく新たな流行です。東京の新宿のあとを追うように、同時期に全国で感染者が急増しているので、発生源は新宿の可能性が高い。潜伏していたものが表に出てきたのなら同期しません」。「新型コロナの感染者数は、日本をはじめアジア諸国では自然減の傾向が非常に強い。世界中を見渡しても指数関数的に増え続ける国はありません」。

 

 さらに、京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授によれば、「これから高齢者に広まったら危ない、と言われていますが、6月中旬から感染者が増え、すでに1カ月以上経っています。前回の第1波のように死亡者数が増えるなら、重症患者も増えているはずですが、それが増えておらず、感染者は依然、若者中心です」。なるほど。よく分かる。

 

 確かに「PCR陽性者判明数」で見ると、現在は第2波が来ている状況だけれど、東京・新宿を震源地とした無症状・軽症者の多い若者中心の流行であり、重症患者や死亡者の数は、4月上旬の第1波の時のようには増えていない。だから、私たち一人ひとりが日頃から感染防止対策を行っていれば、外出しても問題ないということになる。

 

 新型コロナウイルスに感染しないためには、①マスクをする(理由①:会話、くしゃみ、咳で、つばを他人に飛ばさないため 理由②:他人のつばが付いているかもしれない手で、口元を触らないため) ②外出先でマスクを外している時(飲食時)は、家族以外のマスクをしていない人を1.5m以内に近づけない、近づかない(もちろん、家族以外の友人、知人との飲食は論外である) の2点が全てである。それが「3密」という言葉が先行してしまったことによって、世の中全体にうまく伝わっていないのではないか。マスクをしていて、会話しなければ、「密」でも問題ないのである。

 

 前日のNHK総合「ニュースウオッチ9」で、和久田麻由子アナが「私も入れました」とコメントしているのを見て、厚生労働省の「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)」をスマホにインストールする。このアプリは、①スマホの近接通信機能(ブルートゥース)によって、1m以内かつ15分以上接触した同アプリを入れている人を乱数化した番号によってスマホに記録する(位置情報など個人情報は記録されない。記録は14日間後に消去される) ②PCR検査で陽性の場合、本人がアプリでその旨を伝えると、スマホのSMS(ショート・メール・メッセージ)に乱数化された番号が届く。その番号をアプリに入力すると、陽性者として登録される(個人情報は分からない仕組みになっている) ③陽性者と登録された人と14日以内に1m以内かつ15分以上接触した同アプリを入れている人には、その旨の通知が届く という仕組みである。

 

 この接触確認アプリは、簡単にインストールでき、プライバシーも守られる。とても良い仕組みなのだけれど(但し、ブルートゥースをオンにする必要があるため、スマホのバッテリーの消耗は激しくなる)、いかんせんアプリを入れていない人が感染した場合は全く意味をなさない。

 

 デイリー新潮にて、社会学者の古市憲寿さんが「「マイナンバーカード」や「コロナ接触確認アプリ」はなぜ普及しないか」(https://www.dailyshincho.jp/article/2020/07230555/)と題し、「普通、人は「いいこと」を期待してアプリを入れる。ゲームができるとか、電子書籍を読めるとか具体的なメリットだ。しかしCOCOAで「いいこと」は起こらない。感染者と濃厚接触をした場合に通知が来るだけ。つまり「悪いこと」しか起こらないアプリなのだ。せめて通知があった人は医療機関で診察や検査が迅速に受けられるといった「いいこと」があれば、普及率も変わるのかも知れない」と述べられているけれど、おっしゃる通りである。なお、7月22日現在、ダウンロード数は約797万件、陽性登録件数は合計38件と、国民全体ではまだまだ少数派の不憫なアプリだ。

 

●2020年7月23日(木/海の日)

 

 本日より4連休。わが家では毎年、海の日の前後にランチして海水浴に行くのが恒例行事となっており、今年もそのつもりにしていたのだけど、この4連休は連日天気が悪い。海水浴は8月1日(土)以降に延期し、代わりに京都・清水寺に行くことにする。週間天気予報を確認すると、4連休中、最終日の7月26日(日)を除くと天気が「まだまし」なのは本日しかないので、朝からクルマで出かける。

 

 名神高速・天王山トンネルの左ルートが渋滞している。左ルートは、大山崎JCTで京滋バイパスに入る道で、渋滞が多発する大津IC~京都東IC~京都南ICを避け、滋賀県の草津以東の名古屋方面、福井・金沢方面に至る道である。さすが4連休の初日。遠出をする人が多いのだろう。右ルートで大山崎JCTを超えた辺りから、本線も渋滞し始めたため、3車線中、一番流れると思われる左車線に移動。途中で「FIRE DEPT」と車体側面に記された白っぽいワンボックス車を追い越す。日本のナンバープレートは付けておらず、外国人が運転していた。在日米軍の消防隊なのだろうか。初めて見た。

 

 京都南ICの出口は常に渋滞が発生しているのだけれど、この日はスムーズに一般道に合流でき、拍子抜けする。皆さん京都ではなく、琵琶湖や日本海方面に出かけるということなのだろう。10時過ぎにイオンモール京都五条に到着。京都には電車で行くのがベストなのだけれど、わが家はドライブ好きなので、クルマで行くことになる。しかし、観光地である京都中心部の駐車料金は高い。色々調べて試した結果、イオンモール京都五条に駐車し、京都市バスで移動するのがベストということが最近分かってきた。何しろ駐車料金は、土・日・祝は最初の4時間は無料(買い物の必要なし)で、以降30分ごとに100円である。

 

 ランチは、娘がパン好きなので、同モール内にあるパン食べ放題の「ブレッドガーデン 京都五条店」。11時過ぎに入店。この店には何度か来たことがあるのだけれど、コロナ対策のため、陳列されたパンを客がトングで取るスタイルから、スタッフがテーブルまで持って来て、皿に載せてくれるサンマルクや神戸屋レストランと同じスタイルに変わっている(なお、ブレッドガーデンはサンマルクグループ)。これなら、コロナウイルスも問題ない。但し、マスク着用のスタッフがパンの入ったバスケットを客に見せて、どのパンが欲しいかを尋ねる際、客のつばが飛ぶ可能性があるため、本来はパン注文時に客はマスクを着用するか、パンの上に飛沫防止シートをかぶせる必要があると思うのだけれど、そこまでは徹底されていない。注文時につばが飛ばないよう、客の良心に任せるということだろう。わが家は、パンのバスケットを持ったスタッフが近付いてきた場合、マスクを着用して注文するようにしていた。

 

 ネットで見た季節限定メニューの「パン食べ放題付き 夏野菜とミックスグリルのスープカレー」(1,529円)を食べようと思っていたのだけれど、数量限定で「ハンギングテンダーステーキ 130g」1,639円が1,078円という値引きの誘惑に負け、このメニューとパン食べ放題(198円)を注文。妻は「三種チーズのチーズフォンデュハンバーグ」とパン食べ放題。娘は「お子様セット(パン食べ放題&ドリンクバー)」で、僕からステーキ、妻からハンバーグを少しずつもらうという塩梅である。

 

 会計時に、1人3個ずつ、計9個のパンをお土産として渡される。この店や系列のサンマルクやバケットでよく食事しているのだけれど、こんなことは初めてである。やはり客が少ないのだ。僕たちのほかには最初2組で、その後順次3組が加わっただけだった。祝日のランチタイムというのに、最大で6組である。この店だけでなく、他のレストランも閑散としている。京都とはいえ、駅からやや離れた立地から、元々観光客は少なく、地元客が多いと思われるのだけれど、京都人も外食は遠慮しているということだろう。

 

 モール前の京都市バス「中ノ橋五条」停留所から80系統「祇園 四条河原町」行きに乗り、約35分かけて「五条坂」で下車。土産物屋が並ぶ五条坂から清水新道・茶碗坂を上り、清水寺へ。境内入口の仁王門の前で、人々がたむろっており、写真を撮りまくっている。今年2月中旬に東京出張した際に渋谷スクランブル交差点で見て以来、久し振りに自撮り棒を見た。若いカップルが大量発生している。しかも、判で押したように浴衣を着ている(若いカップルの間で、浴衣をレンタルしての“京都浴衣デート”が流行っているらしい)。全体として若いカップル60%(うち浴衣率70%)、若者グループ20%、ファミリーまたは老夫婦20%というところだろうか。外国人も数組見かける。但し、人出は、かなり少ないと思われる。もちろん、皆さんマスクをしている。マスクをしていない人は、僕の見る限り、皆無だった。

 

 「清水の舞台」で有名な清水寺は、平安京遷都以前からの歴史を持ち、創建は778年(宝亀9年)と伝わる。現在、舞台は一部改修中だった。帰りは、松原通を下る。途中の土産物屋で、チョコ好きの娘がチョコ生八つ橋を、抹茶好きの妻が「本家西尾」で抹茶生八つ橋と「マールブランシュ清水坂店」でお濃茶ラングドシャ、お濃茶フォンダンショコラを購入。京都市バス「清水坂」停留所から202系統「九条車庫前 西ノ京円町」行きに乗り、イオンモール京都五条近くの「西大路五条」で下車。クルマで帰途に就く。

 

 名神高速の桂川PAの売店で、娘は京都土産のチョコ、妻はまた抹茶生八つ橋を買っている。売店前の空きスペースで、京都府久御山町の野菜即売会をやっており、キュウリ5本194円、青ネギ1束140円と安かったため、思わず購入。娘はチョコ負け、妻は抹茶負け、僕は値段負けである。

 

 翌日7月24日(金)の朝、ネットでニュースを見ると、時事通信「「不安だけど楽しみたい」 GoTo活用、「尚早」指摘も 連休初日の観光地や東京」との記事があり、「観光名所・清水寺の参道を行き交う人たち=23日午後、京都市東山区」とのキャプションの付いた松原通と思われる写真が掲載されている。まさに、この時間、この辺りでお土産を買っていた。「京都市内はほぼ満室の宿泊施設もあるが、旅館「花筏」(同市西京区)の広報担当者は「(キャンペーンは)ウエルカムだが、従業員の中には感染者が増えている状況を『不安』と言う人もいる」と複雑な心境を明かした。観光客がよく利用する着物レンタル店「夢京都」(同市東山区)の塩山政樹マネジャー(53)も「東京でも爆発的に感染者が出ている。見切り発車なのでは」とあきれ顔だった」。

 

 実際に、この旅館の広報担当者や着物レンタル店のマネージャーがこのように発言したかどうかは甚だ疑問ではあるものの(マスコミは結論ありきで、取材した人の話を自分たちの都合のいいように平気でねじ曲げる)、もし本当に従業員が「不安」と言うのなら、そんな勤務先はさっさと退職すれば良いだけの話である。もし本当に「あきれ顔」をしているのなら、着物レンタル店などさっさと廃業すれば良いだけの話である。一体、何を言っているのか。

 

 それをわざわざ報道する時事通信社は、反政府&庶民の味方を気取りつつ、単なる閲覧数稼ぎのバカマスコミだけれど、それに対して「景気回復より、人の命が大切です」とか正論コメントを付ける人たちもバカである。少しは自分の頭で考えて、自分で判断して、行動しろと言いたい。一時期、ツイッターが「バカ発見器」「バカッター」と言われていたけれど、コロナもバカ発見器と言って間違いないのである。