もしもニッポン放送が、年商1億900万円の会社だったら、その内、映像出版事業の売上げが、6200万円です。主にこれらはポニーキャニオンという子会社を通じて得られた売上げです。ラジオ事業は、3000万円に過ぎません。本業の儲けを示す営業利益は、258万円です。
でも、この会社はいい会社の株を持っているので、持分比率に応じてその株の会社の利益を計上しています。その利益がなんと830万円と、営業利益をはるかに上回ります。その株は主にフジテレビという上場会社の株です。フジテレビの発行株式の23.1%を持っています。
資産を見ますと、2億4000万円あります。フジテレビの株式の時価は、1億3000万円ほどです。有利子負債は、1500万円程度なのでお付き合いでしている程度の借金でいつでも返せます。自己資本は、1億7600万円もあります。財務状態は良好です。でも時価総額は、最近でこそ上がりましたが、最近1年ほどは1億6400円しかありませんでした。つまり、フジサンケイグループの中核企業で、所有しているフジテレビの時価が1億3000万円もあるのにその中核企業のニッポン放送がわずか時価総額1億6000万円近辺で買えるので、M&Aコンサルタントの村上氏が割安と目をつけ、そしてライブダが立会外市場で株を買いあさり、今回のライブドア騒動へとつながったのです。
フジテレビも自分の親会社がこんな割安で放置されているのはまずいと思い、TOBでニッポン放送株を買い占めて逆に子会社化しようとしていた矢先の出来事でした。
しかし、これだけ長い間割安に放置していたニッポン放送は、ライブドアに買収されるのは「企業価値を損ねる」と批判しています。企業価値に長年無頓着だったのに、買収されそうになるやいなや、大口株主(ライブドア)の了解も得ないまま、1580万円分新株予約券を全てフジテレビを引き受け先として発行しました。これが全て実行されるとなんと、2億8000万円という大金になります。ライブドアが買い占めたニッポン放送の株式は現在時価にして8400万円程度しかありません。この予約券発行が認められれば、ライブドアは完全に敗北です。
もちろんライブドアは、特定の株主排除を目的とした違法な新株予約券発行ということで裁判を起こす予定です。
続く(かな)
注:ちなみに、ニッポン放送が年商1億900万円なら、ライブドアの年商は、わずか3000万円です。過去記事もしもライブドア(4753)が、年商3億円の会社だったらと、縮尺が一桁違うのでご注意。それにしても、ほんとライブドアは、ドンキホーテだねえ。