仕事で練習する人としない人の差は大きい | 近藤昇ブログ 仕事は自分で創れ!

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「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

 

 

長年仕事していると、仕事の奥の深さをますます感じてくる。仕事の目的は?と聞かれても、とても一言では語れない。

私も働きだしてから相当変化してきたので、時系列で説明する。

 

会社員として働きだした頃は、仕事に本気では向き合っていなかった。放蕩過ぎた学生時代の影響で、とにもかくにも働く事が嫌だった。体が働く事に慣れてきたのは、数年たった20代後半になってきたころだ。

 

そんな私が31歳で起業した。この理由は組織で働くビジネスパーソンにはなりたくなかった。これは最初入社したゼネコンで気づいた感覚だ。会社の社員で働くというのは、どうも農家出身の私には水が合わなかったと思っている。

 

起業してからは、仕事するというよりも、とにかく会社として生き延びていくという必死感で10年ぐらい走った。創業してからの数年は経営者は皆同じような体験をすると思う。目の前の事だけをがむしゃらにした。

 

そんな私に転機が訪れたのは、他社の社員教育を引き受けるようになった頃だ。

こういう教育に対する依頼主の経営者の期待値は、社員の仕事する力を上げてほしいに尽きる。

 

創業時から自社の社員教育をしてきたことは、以前のブログにも書いたことがあるが、対価を頂いた教育サービスの提供にあたって、一番大切にしたのは、キャリアに応じた世間の標準だ。それを知るには、その当時はネットはなく書籍に頼ることが多かった。それと、経営者同士の情報交換である。

 

私は自分で起業するタイプだから、自分のオリジナルで仕事するのが好きだ。

新しいことでも、まずは自分流で見よう見まねでやってみる。遠回りになると分かっていたとしても、それでもまずは自分でやってみることに価値や快感を覚える。

20代の時からこういう感覚はすでにあった。

 

一方で、創業してからの社員教育では、私流を教えることも少しはあっても、できるだけ教えるための勉強をして世間の標準を教えるという事を常としていた。

 

こんなことを繰り返す日々の中で、今では確信に至っていることがある。

スポーツでもアートでも小学校の運動会でも、練習と本番がある。ところが仕事に関しては練習しないで本番している人の多さに驚く。なんともったいないことか。

 

私は、仕事とスポーツをよく対比させて考える。

私のゴルフ体験から学んだことを少し紹介する。

最近は訳があって1年以上プレイをしていないが、自分で言うのも何んだが、40代後半からかなりのめり込んだ時期がある。

 

私はゴルフに関しては、とことん我流にこだわった。我流というよりも独学を目指したという方が正しいのかもしれない。ゴルフ雑誌からゴルフ関係の本を相当な量を読みこなした。

 

結果的には、人に教えれるぐらいの知識やゴルフの仕方、練習の方法などが身についた。しかし、いまだにゴルフに関してはそこそこのプレーヤーどまりだ。

もちろん、いつか再開した時の取り組み次第だが、今のところ、そこまで時間を割くことはないと思っている。他にしたいことがあるからだ。

 

今更、負け惜しみになるが、私の周囲でゴルフが上達している人は、継続的にコツコツ練習をしている人ばかりである。

一方の私は、ゴルフにハマっていた時、プレイ、つまり本番で鍛えよう。という事だけを考えていた。つまり、練習も本番も一緒の感覚だったのである。

 

これを仕事に当てはめてみる。

仕事をしている人の大半は、本番のみの繰り返しで、しかるべき練習をほとんどしない。

 

 

例えば、営業でロールプレイングというものがある。営業商談の練習をすることを言うが、なかなか辛気臭くてしない。少し楽しいプレゼンであれば、まだ練習するかもしれないが。

 

私は仕事には練習する時間が必須だと考えている。

 

仕事が忙しい人は、練習する時間がないが言い訳になる。あるいは、練習と本番が連動しないこともある。練習の大切さがわかっていても継続できない。そもそも、正しい世間標準の練習の仕方、方法が分からない人も多い。世の中はビジネス書の類は多いが、考え方の本が主流で練習の本はあまりない。

 

私のゴルフでいえば、私は練習の仕方も方法も知っていた。

しかし考え方が悪かった。本番だけで上手になる。という目標設定が間違えていた。

 

もちろん私は仕事では練習して本番に臨むタイプで、ぶっつけ本番はしない。しかしプライベートのことになると、どうも我流にこだわる。

 

私は今ブログを書いているが、本を最初に書き出した20年前から、書く練習をしたことがなかった。私のゴルフと一緒である。

しかし、最近は書くことに関しての練習を始めた。それは書くことを極めたいと思っているからである。

 

世の中には様々なタイプがいると思うが、

やはり、大企業の人は仕事が出来る人が多い。もちろん、そういう素養のある人が集まっているのと、仕事レベルが高い環境があることで、自然とスキルアップも図りやすいと思う。

 

しかしながら、何よりも大企業は練習の機会が十分にある。入社時研修しかり、教育制度も確立されている。また、納期に毎日追われることも少ない。

中小と大企業との差は、この練習時間があるかないかだと思う。練習を実際にしているかの差が大きいとつくづく感じる。

 

新卒で入った会社で私は、1年目は45日間、IBMの研修センターでコンピューターを学ぶ機会を与えられた。コンピューターがやりたくなかった私は、基本的に睡眠タイムだった。しかし今にして思えば、IBMのエクセレントカンパニーの源泉は、ああいう徹底的な教育の仕組みにあったと思う。

この練習の話は、私が好んで使う7つの習慣の時間管理のマトリックスの話でもある。

いうまでもなく、練習は第二領域である。

この第二領域の練習を怠って、第一領域の本番を幾らこなしても、せいぜい、私のゴルフ程度にしかならないと思う。

私のゴルフは趣味だからそれでよいが。

 

仕事は働く人にとっての飯のタネだし、人生の拠り所の一つだ。

日本の企業、とりわけ中小企業もそろそろ落ち着いて、練習を重視したビジネスのスタイルに進化していきたいものである。

 

 

以上