ベトナムのビール業界のピンチと交通安全の行方 | 近藤昇ブログ 仕事は自分で創れ!

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“ベトナムビール業績に黄信号”

昨日、日経新聞を眺めていて、衝撃的な見出しが目に飛び込んできた。

一瞬、コロナ禍の影響と想像したが、記事を読むと別の理由だった。

小見出しに飲酒運転規制で最大手のビールメーカーが4割減益とある。

 

ベトナムとの付き合いは、とても長くなってきたが、ベトナムといえば、333(バーバーバー)を真っ先に連想する。ベトナム人はとにかくビールをよく飲む。




実際、データで調べてみても、東南アジア一番のビール消費大国で、アジアでのビール消費は中国、日本に次いで多い。

10年ほど前に、サッポロビールがこの激戦区に参入もした。

 

日本人は、ビールだけでなくお酒、焼酎、ワイン、ウイスキーなどなど。まんべんなく飲む印象があるが、ベトナムはやはりビールだ。常夏の国ということもあると思うが、昼間からでも普通に飲んでいる。


そういう私もベトナムでいる時は、昼間から333をよく飲んだ。

この333はベトナムメーカーのビールである。ベトナムではタイガービールやハイネケンなど海外からのビールもとても人気が高い。種類もとても多い。ハノイにいけばハノイビールなどもある。ダナンにいけばラルービール、フエではフエビールなど。地場の特産ビールがある。

 

ベトナム人は酒好きですか?と質問されたら。

私の経験上では、迷いもなくそうです。と答える。


実際、私は日本人代表として、ベトナム人とビール飲み比べの闘いを何度もしてきた。

それで信頼関係を気付いた部分も無くはない。(ノリと言う意味でだが)どうでもよい話だが、若いころは一度も負けたことがなかった。流石に歳を過ぎたころからこういう芸当はやめることにしたが・・・。

 

実際、アジア圏で言えば、中国や韓国はビジネスの現場でもお酒の話はセットである。友好を温める、接待などさまざまな場面でお酒はつきものだ。


それに比べて、ベトナムに対する先入観というのがあり、この2国などに比べて、お酒は飲まない印象が私にはあった。

だから、ベトナムに行きだした20年近く前は、これでもかこれでもかと思うぐらい、想像を超えた飲み会の毎日の繰り返しに音を上げかけた。実は見かけによらず、ベトナム人はお酒も好きだし接待も大好きだったのである。

 




記事の見出しを見た直ぐは、コロナ禍だけに、コロナの影響でビール消費が落ち込んだ。と勝手な想像をした。よくよく記事を読んでいくと、その影響も少なからずあるが、飲酒運転の規制強化の影響が大きいとある。


記事によると今年の1月から規制が強化された。バイクの罰金の最高額は、日本円で3.8万円。免許停止は最長2年とある。大卒初任給が3万円弱だから相当な罰金である。

ベトナムの生活シーンに慣れている私には、ここまで読んで、罰則の影響の大きさをあらためて実感した次第である。

 

飲酒運転の強化というのは日本でも段階的に進んできた。

日本での交通事故死のピークは昭和の45年ごろ。約1.7万人だった。

今は、長年の努力の結果、数年以上前から年間5千人を切っている。

私の会社は、大阪府警などの交通安全に関するの仕事もしていたので、会社としても精通した分野ではあるが、やはり、日本の改善も罰則規定の強化に負う部分が多い。

 

この事故がピークの頃の日本はどうだったか?

私が小学校低学年の農村の日々の出来事。

普通に農家のおじさんたちは、夕方になると一杯飲み屋に車で出かけていき、ほどなくして、酔っ払って帰ってくる。いわゆる軽トラに乗って。こんな光景が日常だった。

実は、今のベトナムの地方に行けば、これと似たような光景は日常だった。ここ数年、車社会になってきたと言え、まだまだ、昔のままだった。

 

この記事をじっくり読んで納得した。

確かにここ最近でもホーチミンなどの大都市では、居酒屋にバイクでやってきて、飲み会が終わると、バイクで家路につく。車社会が始まって、やや飲酒運転の罰則が徐々に強化されつつある中でも、一般のこんな生活スタイル変わらなかったと思う。






以前から、ベトナムの交通事故死の数は私の想像以上に、多かった。

ベトナムの交通量の割には以前から1年の死者数は一万人近かった。だから、危険な国という意識はあった。

 

ホーチミンに歩行者用信号機が出来たのが2002年ぐらいら。

バイクのヘルメットが義務付けられたのが約13年前。



そして、今回の厳格な罰則規定の強化。

先進国に向かう過程で、必要な処置であるのは間違いない。

 

劇的に落ち込んだビールの消費量。

政府としては予想外だろうか?

私には、すぐに元に戻るかどうかは予想できない。規制強化は交通安全のためには必然と思うが、少なくともバイクという交通手段、通勤手段が日本のように電車かそれに代わるものに代替えされない限り、お酒を今までの様に飲むことは困難であると思う。


日本の都市の仕組みが必ずしも良いとは思っていないが、こういう部分を単純に比べるだけでも、日本の都市は機能的で便利であることを実感する。

飲んだ後、電車で家に帰れるのだから。恵まれている。

 

しかし、ベトナムが日本のように電車網を充実させるには、何十年経っても不可能だと思う。

日本を反面教師にする部分も含めて、ベトナムの都市の発展は先進国にない姿で進めていくのが良いと今回の新聞記事を見て改めて思った。

 

ベトナムでも子供向け交通安全教室はボランティアで何度も開催してきた。




いいまでの日本での研修経験も生かして、交通安全に関しての啓もう、教育関係で本格的に取り組みを始めようと決意を新たにした。

 

以上