人類は過去の失敗に学び教訓を活かせるのか? | 近藤昇ブログ 仕事は自分で創れ!

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「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

 

昨日、油絵を描きながら何気なくテレビを見ていて、ラッキーなことに、なかなか興味い番組に巡り合った。

 

NHKのEテレだが、台湾の感染症対策についての特集だ。

台湾は知っている人も多いと思うが、感染症対策では成功組と言われている。

台湾は先進国でIT活用にも長けている。しかも、行政のマネジメントも秀逸だ。

インフォデミックのコントロールなど、参考になる話も多かった。

 

番組の最後で台湾の副総裁を担っていた研究者のメッセージが強烈に残った。

 

“世界でこのウイルスをおさえ込むために知恵と慈愛が必要です”

 

これからが始まりなのだ。今回の感性症だけの話でもない。

日本人もさらに真剣に向き合わないといけないと思う。

 

番組自体は、断片的にしか見ていないので、

詳細が理解できているわけではないが、

今回の封じ込め成功のポイントはとても分かりやすく納得がいく。

やはり、過去痛い目にあっている国は強い。

要するに、台湾は17年前のSARS対策で大失敗をしたのである。

 

リスクマネジメントの要諦でもあるが、

失敗から学び教訓を活かしてきた生々しさが興味深かった。

 

私もSARS発生当時の記憶は薄れていたが、

改めて繰り返されている感染症の衝撃を痛感した。

 

リスクマネジメントについては、人間個人に置き換えても同じだと思う。

事故や大病を体験すると、その後は真剣に安全や健康の事を考えるようになる。

そういう意味でも、最近、感染症が頻発しているアジアが強い理由の一つなのかもしれない。

 

感染症対策の優等生と言えば、忘れてはならないのが、ベトナム🇻🇳である。

最近になって時々ニュースでも話題になりつつある。

 

実際、在ベトナム日本国大使館のHPによると、

6月15日時点で感染者数の累計は334人、死者はなんとゼロである。

私にとってはベトナムは関係性が深いので、

報道を見なくても、ベトナムが今年の1月ぐらいからどういう対策をしてきたのかは、日本の次に把握できている。

実際、私も2月下旬、日本ではまだそれほどナーバスに考えていなかった時期に、ベトナムに出張していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時にベトナムからライブ配信も2回行った。

今なっては隔世の感すらあるが・・・

 

 

 

 

街中の緊張感と友人たちの不安げな言動は強烈に印象に残っている。すでにマスクを多くの人がしていた。また、過程過程で行われる国の対策も流石と思わせる反面、社会主義国家の強みを実感するものも多かった。

現地法人のうちの社員も長い間在宅勤務であった。台湾と比べても人口は4倍近くの一億人弱。国土面積は日本の85%ぐらいであることを考慮すると、なおさらこのベトナムのすごさが分かる。

 

実は、知る人はあまりいないが、ベトナムも過去の失敗から学び教訓を活かしているのだ。

皆さんは鳥インフルエンザの蔓延を記憶しているだろうか?

 

ベトナムには20年以上間に進出していたので、私にとってのこの時の衝撃はすごかった。

健康不安もさることながら、

ホーチミンの街中の市場でも普通に売られていた生きた鶏が一斉にいなくなった。ある意味、ベトナムの昔ながら風情が一瞬でなくなったのである。

当然、私たちの渡航計画も中止になった。

この時、ベトナムは封じ込めに失敗して周辺国からの信用を失った。

その経験を活かして、SARSの時は、どこよりも早い対策を講じたのである。SARS後は、友人たちの米国に戦争で勝ったのと同じくらいの自慢話にもなっていた。

 

こういうことを紐解いていくと、

やはり、人間は失敗から学ぶかどうかが重要なのである。痛い目にあった国は強いのである。

 

この2つの国と比較して日本がどうのこうのではないが、総じて平和ボケしていたのは事実である。

地球が一つの時代になっている現代、どこの国で何が発生しても対岸の火事ではない心構えが必要になっているのである。

今回は感染症対策だけの話ではなく人類の試金石である。