「二十四節気に溶け込む美肌と黒髪の薬膳」
2025年は4月4日から二十四節気「清明(せいめい)」
清明は清浄明潔(せいじょうめいけつ)の略で
「空気が澄みわたって、太陽の光は明るくさをまして万物を照らし
全てがはっきりと鮮やかになる」
難しく聞こえますが、要は一年で最もすがすがしい時期。
*清明の薬膳的な特徴と五臓・・肝と肺
薬膳的には清明の頃になると、自然界の陽気がどんどん上昇し
万物が活発に活動して成長する時期。
私たち人間のカラダも同様に陽気が盛んになり、肝の陽気が上昇
しやすく精神が不安定になります。
肝を守る一方で
また、花粉症や感染症など風邪(ふうじゃ)といういけない邪気
が盛んになる時期で、身体の正気で予防してくれるのが肺なので
肺を補っておく必要があります
*清明は肝を補って優しくなろう
春の五臓の旬は「肝」で、活発になると同時に不安定になりやすい
季節なので、清明の頃は
妙にイライラしやすくや怒りっぽくなります。
肝は、特に「肝喜条達悪抑鬱」と言われ、のびのびとリラックス
した状態を好み静かで落ち着いた環境でゆったりすることが大切。
薬膳の古くからの例え、「水が豊富にある鍋は沸騰しにくい」と
いわれるように、肝に十分な潤い=陰血を補っておくと肝の陽気の
上昇が穏やかになって、優しい人になれます。
また、日本では春は年度変わりなので
卒業、入学、進学、昇進、転勤など環境の変化でストレスが増加
しやすい時期で、肝を傷めやすくなるので血を十分補っておくと
ストレスの影響を軽減して、肝の亢進にイライラや不安、不眠を予防
できます。
*清明は肺を清めて春の邪気から守ります
春の邪気は「風」で、特に清明の時期は
花粉や黄砂、感染症などの目に見えない邪気=風邪(ふうじゃ)が
増えたり
清明の頃はまだ三寒四温なので
天気や気温の変化が大きく嬌臓(敏感で弱い臓)と呼ばれる「肺」
を傷めやすくなるので、肺気をおぎなっておくことが大切です。
*清明の養生
また、この時期は「三寒四御(さんかんしおん)」の気温や天候の激しい
変化で
自律神経の乱れ=陰陽失調が原因の
不眠、頭痛、倦怠感、食欲不振、気分の落ち込み、めまい、気持ち悪い
疲れると熱っぽくなるなども起こりやすくなります。
清明の養生として
1、肝の陰血を補って潤し
2,免疫を主るとされる肺を補って免疫を整えること
が大切です。
1、肝には気の巡りと血を補って優しく
肝は、気の巡りをコントロールしていますが、その流れを整える
疏泄の働きを高めることで肝気が鬱結(肝気の滞り)することを予防
します。
ストレスによる精神的な不安定やイライラ感を軽減するのは、香り
の良い食材
菊花、ジャスミン、マイカイ花、セロリ、トマト、レモン、柑橘類
キュウリ、ゴーヤ、クレソン、ししとう、豆苗、アロエ、しそ、ミント
などがおすすめ。
また、肝の陰血を補って肝の蔵血の働きを高めることで肝の陽気を
安定させます。
肝血の不足=肝血虚(血の不足)による
目の乾燥やかすみ目、貧血などの症状を改善する食材としては
なつめ、枸杞の実、黒きくらげ、金針菜、ほうれん草、小松菜
ブロッコリー、黒ごま、鶏レバー、うなぎ、いちご
などがおすすめ。
2肺には気と潤いで強くなれる
肺気を補うことで、呼吸機能や免疫力を高めます。
肺気を補う食材は
なつめ、枸杞の実、高麗人参、黄耆、鶏肉、豚肉、黒米、黒豆、山芋
モロヘイヤ
などの食材がおすすめ
肺気を補うことで
疲れやすい、気力が出ない、風邪をひきやすい、花粉症、声が弱い
などの症状を改善することができます。
肺は乾燥を嫌い潤いを喜ぶ臓器で、肺を潤す、潤肺食材
白きくらげ、ゆり根、松の実、梨、杏仁(アーモンド)、れんこん
豆乳、はちみつ、柿、いちじく
などの食材で肺に潤いを補うことおすすめです
肺の潤い=肺陰を補うことで
乾燥による
乾いた咳、咽喉の乾き、燥痰の絡み、肌や髪の乾燥
などを防いで改善することができます。
養肺(ようはい)は肺の気=肺の機能を補い
潤肺(じゅんぱい)は、肺の潤いお補い乾燥を予防
季節や体調に応じて使い分けることが重要です。
*春におすすめの味・・五味は少酸多甘(しょうさんたかん)
春の味覚は「少酸多甘」と言われています。
酸味は肝の働きを高めますが、春には陽気が旺盛になるとともに
肝気も旺盛になりやすく、また酸味は肝を補いますが消化器系
の脾胃を抑制してしまう作用があるので、脾胃を補う甘味を加えて
おくことで肝と脾のバランスとりやすくなります。
酸味は少なめにして、緊張を和らげる作用にある自然な甘味
穀類、豆類、芋類など
を多めにすることがおすすめです。
また、花粉やウィルス、最近など目に見えない邪気の風邪(ふうじゃ)
が旺盛になる時期なので、身体の中で免疫(衛気)を主る肺を健やかに
保つように養うことが大切です。
*肝と肺のための養生・・睡眠
中医学では子午流注という考え方によると、1時~3時は肝が血を浄化
する時間で、朝3時~5時は肺が清気(きれいな酸素)を全身に供給する
準備をする重要な時間と考えます。
23時~7時の時間帯にしっかり眠ることで、肝と肺の働きを
最大限にサポートします。
*清明の生活養生
『黄帝内経素問・四気調神大論』によると
「春三月、此謂発陳。天地倶生、万物以栄。夜臥早起、広歩於庭
被髮緩形、以使志生。」
春の3ヶ月を発陳(はっちん)と言って苗など地下に隠れていたもの
が芽生える時期。
夜には早く寝て、朝は早起きて、庭などゆっくり散歩し髪などを解き
放って、身体を締め付けている物を緩め身体をゆったりとさせることで、
肝の「疏泄機能」と肺の「清浄作用」を助けます。
志の生じる時期でもあるので、生育するものを生かして、滅ぼさ
なければ志も成就しやすいといわれています。
寝る前にストレスを解消するため、軽いストレッチや深い呼吸
などの瞑想法で肝気の抑鬱を解し、肺気を安定させるのもおすすめ
です。
逆に、からだの解毒工場とも言われる肝なので寝る前のアルコール
やカフェインなど刺激物の接取は、解毒のために休息できなくな
りますし
また、寝る前の固形物や重い食事を避け、
消化しやすいお粥や、蓮の実や百合根、なつめ、竜眼育や蜂蜜入り
のお茶で身体を落ち着かせましょう。
清明からは、明らかに日ごとに気温が上がってゆきますが、まだ
三寒四温で気功の変化が激しく寒暖差が大きいので
上着やカーディガンなどで首や背中、お腹や腰を守れるように
調節できる着衣がおすすめです。
特にに、冷えは足元からなので足首、手首、首、くびれ
は補温しましょう。
イヌイ薬局で毎週月曜日の11時半から行っている八段錦などで
調心(精神の調整)、調息(呼吸の調整)調身(筋骨皮肉の調整)
をこころがけて、その日の気候や自分の体質体調に合わせて調整
すること大切です。
*お茶も肝と肺を
1、「肝」におすすめ薬膳茶&食材
薬膳茶、薬膳食材では
菊花、茉莉花(ジャスミン)、紅花、桂花、マイカイ花、はと麦
枸杞の実、金針菜、緑豆、さんざしなど。
2、「肺」におすすめ薬膳茶&食材
薬膳茶、薬膳食材では
白きくらげ、なつめ、竜眼、蓮の実、枸杞の実、黒きくらげ
松の実、など。
3、艾葉(がいよう)入浴剤
ヨモギや柑橘の皮で構成される
「アンドゥナチュレポカポカ入浴パック」
は、高ぶった神経を鎮め、イライラ解消して、安眠へ導きます。
艾葉(がいよう=よもぎ)は身体をあたためて、月経不順や更年期
障害などの症状を改善するので、
古来「婦人科の要薬」
としてさまざまな婦人科疾患血の改善に処方されてきました。
入浴時間も美と健康を守る貴重な時間です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次は、4月19日頃の「穀雨」。穀物を育てる優しい春の恵みの
しとしと雨が、いよいよ農作業開始の季節。
湿度が上がると消化器系の
脾胃が弱りやすいので、黄色くて甘い食材を。
四月からはじまったNHKドラマ
しあわせは食べて寝て待て
では薬膳の内容が盛り込まれています。
ブログでドラマの内容をさらに詳しく解説しています
薬膳を楽しく・・しあわせは食べて寝て 待て
https://ameblo.jp/konankanpo/entry-12892372887.html
韓流ドラマも・・チャングムに学ぶ医食同源
参照下さい。
・本格的に薬膳を学びたい方に
・国際中医薬膳師など食や薬膳の資格取得したい方
『2025年国際中医薬膳師 養成講座(鳥取・オンライン)』開講します
2025年度 5月東京銀座会場 無料説明会
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薬膳師の資格取得講座無料説明会」
のお知らせ
2025年 4月29日 13時~14時30分
詳しくは https://ameblo.jp/konankanpo/entry-12891129339.html
お申込みは https://my920p.com/p/r/L4z7IBSU
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2025年 5月 13日 13時~開講予定
詳しくは
ブログ 真剣に薬膳を学びたい皆様に https://ameblo.jp/konankanpo/entry-12882556879.html
お申込みは
X(旧twitter)乾康彦 子宝とアトピーの薬膳と漢方
https://twitter.com/inuikanpo
では、新月や満月、一粒万倍日など日々つぶやいて行きます。
お楽しみに
今日も最後までお読み頂きありがとうございます。