台風被害に思う | 小森陽一オフィシャルブログ「一期一会」Powered by Ameba

台風被害に思う

台風15号の被害が深刻だ。特に断水・停電が続く千葉県の皆さんは生きた心地がしないだろう。一日も、一時間でも、一分でも早い復旧が待ち望まれる。



2008年の12月、「252生存者あり」という作品を公開した。巨大台風が関東に直撃し、猛威を振るうという内容だった。この作品のロケセットが、今回被害の大きい千葉の鋸南町に作られていた。



当時、何度か鋸南町を訪ねた。廃線になった地下鉄のセットを度々抜け出し、潮の香りのする街を散歩した。その中で地元の人達と食事をし、最高に美味しい海の幸をいただいたりもした。想い出の詰まった鋸南町の現在、ニュースで見る度に心が痛む。映画と同じように台風の被害で荒れ果ててしまった。本当に辛いし悲しい。



公開した当時、ネットにこんな書き込みがあったことを覚えている。
「絵空事」。
こんな風に台風が発達するわけがない。地下鉄が浸水するわけがない。こんな事が日本で起きるわけがない。

僕はこの作品を絵空事として書いたのではない。気象庁の皆さんを始め、気象や大気を研究する学者さんに話しを伺い、温暖化の影響で台風が大型化する傾向にあることをデータで教えていただいた。いつか必ずこうなると肌感覚で知った。作品が一つのメッセージになればと、そんな思いを込めた。
それから約10年、関東に最強クラスの台風がやってきた。気象庁は会見で「接近ととともに世界が変わる」と告げた。夜が明けた街は文字通り一変していた。

九州や四国に住む者は台風の怖ろしさを知っている。特に沖縄の人はそうだ。車が宙に舞い、マンションが地震のようにゆらゆらと揺れ、風圧で閉じたドアに挟まれ、指が千切れる。そんな話しが沢山ある。だから沖縄の住宅はコンクリート造りで頑丈だ。窓やサッシにも工夫があるし、停電や断水に備えて非常食も常にあるという。これからは日本中、どこで被害が起きてもおかしくない。だから、沖縄の知恵を学ぶ必要がある。

二度と世界が変わらないように備えなければならない。もう絵空事ではないのだ。そんな風に意識を変える必要がある。



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