The time is money | 小森陽一オフィシャルブログ「一期一会」Powered by Ameba

The time is money

芸術の秋とは言うけれど、ちっとも秋が来ません。猛暑に熱帯夜……。ちょっと前まで夜はほんのり涼しくなっていたのにそれも逆戻り。ツラいですね~。でも、気分だけは芸術の秋を楽しんでおります。



どこで観たかは忘れてしまったけど、夢中になったことだけははっきりと覚えています。「ダーククリスタル」、1982年公開のユニバーサル映画です。当時15歳、中学三年生の生意気なガキ真っ盛り。SFやファンタジーが好きだと口に出すのが恥ずかしいお年頃でしたが、この作品は劇場で観ました。そして、心をすっぽり持っていかれました。それから37年後、まさか新作が観られるなんて! 劇場版の前日譚を描いた本作、「ダーククリスタル エイジ・オブ・レジスタンス」。貪るように観ましたよ。ほんとに見応えがありました。空気感が昔とそのままで、違和感なく異世界に入り込めました。この為だけにネットフリックスに加入し、テレビで視聴出来るようにして良かった(笑)





次はこれ、「漁師の角度」です。デザイナーであり造形家である竹谷隆之さんの原風景が詰まった本です。物語と造形物が混在し、竹谷さんの生まれ故郷、北海道積丹半島の匂いや風が存分に感じられます。ご本人の朴訥とした雰囲気も好きですが、文章もとてもいいんです。ちょっとずつ下がりながらも要点をバスっと言うみたいな感じ。独特の観察眼をお持ちだからこそ、いろんな角度が見えているんだろうと思います。先日、食事を共にした時、「造型出来るのは凄い」という僕に「物語を描けるのは凄い」と返してそのまま意見は平行線に。でもね、この本をめくるとどっちも出来てますからね、竹谷さん(笑)ある意味、この作品も完全なる異世界です。次回の飲み会では、子供の頃の想い出をじっくりと聞いてみたいと思います。



最後はこれ、「屍人荘の殺人」。いわゆるゾンビパニック物と思いきや、完全なる密室劇で物語が展開していきます。仕込まれたトリックの上手さは言うまでもなく、会話のテンポも抜群にいい。何より僕は登場人物の品の良さに惹かれました。どれほど惨いことが描かれていても不思議と嫌にならないんです。おそらくは作者の品性なのだと思います。先日、作家の福田和代さんに招かれ神戸でトークショーをやった時、著者の今村さんも来てくれていました。とても爽やかな好青年なんですよね~。きっと頭の作りも僕とは全然違うんだろうなぁ。こんな論理的な展開、逆立ちしても書けないもんなぁ(苦笑)「屍人荘の殺人」は実写化され、今冬、劇場公開されます。あの世界が映像化になるとどんな風に見えるのか、楽しみに待ちたいと思います。



最後にキャプションのこと。何をするにしても時間が足りません。あれもしたい、これもしたい、もっとももっとしたいです。神様、金払いますからどうか一日を倍にしてください!



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