あれから三年

なんべんトライしても書けなかった。『震災から今日で三年か……』そこで言葉が詰まる。だから、毎週火曜日のブログアップを一日ズラす事にした。



目の前の風景が一変するという状況が想像出来ない。いつもご飯食べているお箸が、茶碗が、うたた寝をしてしまうソファが、靴が服が趣味のキットが、目の前から消える事が実感として分からない。家族や友達、知り合い、ペット、そして自分がふいに命を落とすという事に思いを馳せれない。だから、言葉が詰まるのだ。

テレビの特集なんかは見たくない。コメントしている人達の言葉を聞きたくない。新聞もそうだ。ラジオもそう。言葉はいらない。自分に置き換えて想像してみる。それが大切だと思う。

震災がなければ、僕は「Ｓ　最後の警官」のプルトニウム編を書かなかったかもしれない。書いたとしても、形は随分と違っていた事だろう。いや、正確に言うとあれは書いたんじゃない。書かされていたように思う。よく分からない。正木圭吾というキャラクターが僕を通り越して動いていた。今考えてもあれは不思議だ。

また近々、宮城にいる知り合いを尋ねたい。僕は仙台という場所が好きだ。初めて訪れた時から仙台とはウマが合った。住みたいとさえ思った。風景も人も食べ物もいい。また行きたい。また行こう。なにも言葉はいらない。ニッと笑って訪ねればいい。

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