怪物の秋 | 小森陽一オフィシャルブログ「一期一会」Powered by Ameba

怪物の秋

小学生の頃、怪物と言えば音楽の山○先生だった。怒ると目を剥き、大声で怒鳴り、大タイコの鉢で何度も頭を引っ叩かれたもんだ。脳天にズドンときたねぇ……。今ならすぐに体罰とかってなるのかもしれないが、悪ガキ揃いの僕等を束ねるのは容易な事ではなかったろうし、僕等の方もイタズラが見つかって叱られているのがはっきり分かっていたから、別にどうこう言うものではなかった。でも、そりゃあ怖ろしかった。だから、いつしか勇気を試すゲームが始まった。先生に気付かれないように、素早く、確実に、服に鼻くそを付ける。その代り、見つかったら凄まじいお仕置きが待っている。特大の鼻くそを付けた奴はもうヒーローだ。あの時の気分はまさに怪物に立ち向かう正義のヒーローみたいな感じだったな。
(センセイ、ゴメンナサイ……)

こんな本を買った。『モンスター大図鑑』(ネコ・パブリッシング)。古今のモンスターを一同に集めたフルカラー版。図鑑の前に「大」と付くのが仰々しくてイイ。また、著者が輪をかけてイイ。あのジョン・ランディスだ。マイケル・ジャクソンの『スリラー』、変身シーンに度肝を抜かれた『狼男アメリカン』(あれは音楽の使い方も最高だった)、そして、僕の中のフェイバリットムービーである『ブルース・ブラザース』の監督である。僕からすれば本人がモンスター級であるランディス、その彼がモンスターを解説しているとなれば、これはもう面白くないハズがない。

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ページをめくると……いやいや、出るわ出るわ、懐かしいのから知らないのまで、溢れ返らんばかりの勢いで飛び出してくる。幾つか紹介すると、

クリストファー・リー演じるドラキュラ伯爵。フラッシュ焚いてないのに赤目がキョーレツだ。

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もうなんだよ、トラウマなんだよ、やめてくれよ……。ガキの頃、『ゾンビ』は駅前に貼られたポスター見ただけで心拍数が上がったもんだ。

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『シャイニング』の双子の女の子。怖い。夢に出たし。何度も……。マジでもう、ちびるくらいに怖かった。今も怖い……。

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1981年度版『タイタンの戦い』のメドゥーサ。見よ、このインパクト。石になるどうこうの前に、目が合えば完璧に固まるよな……。

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痺れまくった『ドラゴン・スレイヤー』のヴァーミスラックス・ペジャラティブの暴れっぷり。ドラゴン、炎、夜はもう三種の神器だ。

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あぁ、今見ても背筋が凍りそうな『エクソシスト』。悪魔に憑依されたリーガン。ゴキゴキッと首が一回転した時は息が詰まった。

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怪物と言えばこのジャミラもそう。元は人間だったのに、人間に見捨てられて宇宙を彷徨い、挙句にこんな姿になってしまった。これは「ウルトラマン」版ジャミラではなくて、アメリカで製作された「ウルトラマンパワード」版のジャミラ。こんなのまでガレージキット化されるのが嬉しくて、目下鋭意製作中。

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さて、ここまであれこれ怪物を紹介してきたが、でもね、やっぱり怖いのは人間だと思うのですよ。知性とユーモアと残虐性を備えたジョーカーを人間と例えるのはどうかとも思うけど、悪人というレベルを遥かに超越した、悪魔としか言い様のない人間が一番怖ろしい。今も色んなところで戦争やってるし、爆弾テロで無差別に人を殺したり、自国民を化学兵器で殺戮したりとかしてるし……。

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そうそう、秋は一年を通して犯罪の発生率が高い時期でもあります。くれぐれも己が怪物化しないように、怪物から魅入られないように。皆さん、ご注意あれ。



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