「ちょっと待って、
じやあ私が男の子を産んだら
島のおじいちゃんに会わせに
連れて行くってこと?」
「そうやねえ。
まあ、早くても3歳になってだけど」
「でも、島の家を継ぐことなんて
あり得ないよ?」
「家を継ぐわけじゃないんよ。
センジュの名を継ぐ者を待ってるんよ、
おじいちゃんは。
センジュゆうのは
苗字でもあるけど、
家の代表者もせんじゅ様って
呼ばれとったんよ、昔は。」
「さま〜⁉️
そんなお偉い感じなの⁉︎」
「そら大昔のことや。
ひいじいちゃん頃は
戦争もようけあったし
ひいじいちゃんが島のために
たいそうな事したいうことも
なかったんやろな
いまではせんじゅ様ゆうても
呼び名だけや
それでも次のせんじゅ様がおらんのは
まずいから
血筋の男の子誰かに名前を渡したいんやろ
なにも養子にもらったり
改名させたりするわけじゃないと思うわ
昔と違うからなー」
ああ、なるほど
おばあちゃんくらいの年代の人は
兄弟が多くて
親戚やら近所やらの間で
子供をもらったりやったりなんて
珍しい話じゃなかった
らしいもんね。
ひいじいちゃんは
さらに昔の人だから
そういう感覚が残ってるのかも。
周りから
"様"呼ばわりされてたら
ひいじいちゃんの意向は
みんな逆らわないってことか。