赤岳頂上山荘を出て横岳方面へと向かうと、すぐに急な下り坂になる。
すぐ下には赤岳展望荘がみえる。
慎重に降りて、無事着く。
次は地蔵の頭だ。
ここから行者小屋に降りる地蔵尾根はなかなかの急登で、岩場に慣れてないとちょっと怖いかもしれない。
まぁ、今回は降りず、横岳方面へと向かう。
あ、書き忘れてしまったが、5時少し前、日の出を見た。
眼下に広がる無限の雲海からのぼった朝日を、誰しもが無言で見つめていた。
美しすぎるものを見た時、みな無言になる。
20人くらいいたが、誰も話さずにただ見ていた。
この瞬間が、僕はとても好きだ。
言葉が不完全な表現手段である事が、体感で理解できる。
そんな瞬間だ。
さて、話を横岳に戻す。
横岳は三叉峰、無名峰、奥の院の3つのピークから構成されている。
鎖場、梯子の連続で、岩場の練習にとても良いと思う。
危険箇所も少なく、30分程度で抜けられるため、集中力が切れることも少ないだろう。
ここを過ぎれば、ザレた平坦な道がしばらく続く。
硫黄岳へと続く道だ。
ちなみに途中にある硫黄岳山荘は、水が1Lが100円で売っているので、ここで補給するのがおすすめだ。
硫黄岳山荘までの、最低限の水を赤岳頂上山荘で補給しておくのが良さそう。
硫黄岳からは、赤岳、阿弥陀岳、中岳、横岳の全てが見えた。
硫黄岳のなだらかな山頂を夏沢峠の方に降りていくと、有名な爆裂火口が見えてくる。
山頂側からはわからないのだが、200m近く切れ落ちた、旧噴火口跡が見える。
火口付近は周囲にロープが張ってあり、近くへ寄れないようになっている。
しかし、このロープを超えて写真を撮る奴等はいっぱいいそうだ。
爆裂火口を見ながら、夏沢峠へと向かう。
この辺りまで来ると、樹林帯が続く北八ヶ岳らしい雰囲気に変わってくる。
夏沢峠に近づくと、やまびこ荘が見えてくる。
しかし、営業している雰囲気がしない。
後で知ったが、今年は営業していないそうだ。
やまびこ荘は、ヤマネが遊びに来る宿として有名で、立ち寄りたく思っていたのだが。
なんともざんねんな話だ。
夏沢峠から先、根石岳山荘までは深い樹林帯で、日差しも弱く快適だ。
根石岳山荘に着くと、おなかペコペコだったので、カレーを食べることにした。
茄子やピーマンなどの夏野菜がたっぷりの 入ったカレーで、めちゃくちゃおいしかった。
今日はオーレン小屋に泊まるので、根石岳山荘に荷物をデポさせてもらい、天狗岳へ向かう。
根石岳を超え、ちょっとだけキツめの坂を登れば東天狗岳だ。
東天狗岳山頂直下には、昔崖崩れを起こして登山道が無くなった場所があって、今は安全に歩けるように鉄製の橋がかかっていた。
なんとか東天狗岳山頂に到着。
もうへとへとだ。
西天狗岳は諦めて、もときた道を引き返す。
15時頃オーレン小屋に着くと、既にたくさんの登山客が酒盛りをしていた。
パーティ登山も楽しそうだ。
楽しげに談話している皆の姿を見て、ちょっと羨ましく思った。
(その⑤へ続く)