日本学術会議の組織見直しを議論する内閣府の有識者懇談会

 

は、昨日21日、「求められる機能を十分に発揮する環境を

 

整える観点からも、国とは別の法人格を有する組織になる

 

ことが望ましい」と提言する報告書をまとめました。政府

 

は、提言を踏まえて、学術会議を「国の特別機関」と定める

 

現行法を廃止し、国から切り離して新たな法人を設置する

 

法律を定める、と報じられています。そもそもは、菅前首相

 

による会員候補の任命拒否が問題になりましたが、論点を

 

すり替えるように、組織改革が持ち出され、政府が拒否理由

 

を説明しないまま、懇談会でも議論されずに、組織の見直し

 

だけが進められる形になっています。報告書のポイントは、

 

上記のほかに、〇国とは別の組織になる方が、活動・運営の

 

自由度が高まることは間違いない 〇政府が会員選考

 

プロセスに一切関わらないスタンスが基本的に妥当。会員の

 

任期、定員の在り方、外国人会員の登用も検討が望まれる

 

〇法人化後も政府は必要な財政的な支援を継続するべきだ。

 

経費全額を国に依存せず、対価を徴収して審議依頼に応じる

 

など財政基盤を多様化する必要がある というものです。

 

日本学術会議を巡っては、政府・与党と学術会議は、主張

 

が対立しています。任命拒否については、政府が一連の手続

 

きは終了したとしているのに対し、学術会議は、政府から

 

理由の説明もない。引き続き6人の任命を求める、として

 

います。組織形態については、政府が、国から独立した

 

法人格を有する組織にするべきだとし、学術会議は、改革を

 

効率的に進める形にすべきだ。現在の法人化案は具体的な

 

中身がなくのめない、としています。財政基盤については、

 

政府が、当面は国が基礎的な予算措置をするが、自主財源の

 

多用化が必要、としているのに対し、学術会議は、国の責任

 

で安定的な財政基盤が継続的に確保されるべきだ、として

 

います。専門家は、「企業やスポンサーに左右されない科学

 

的立場から意見を述べるのが学術会議の役割。だからこそ

 

税金で活動費を負担し、その純粋さを担保してきた」「国の

 

科学顧問という役割を政府が理解していないから任命拒否

 

問題も起きた。必ずしも意向に沿わないところに存在価値が

 

あると理解しない限り解決しない」と話しています。学術

 

会議の意見をよく聞いて、科学的立場からの意見を保証する

 

体制を政府は取ることを望みます。