デジタル庁が発足して、一昨日1日で1年経ちました。新型コロナ
禍で、様々な面で行政のデジタル化の遅れが、明らかになり
ました。厚労省の感染者との接触がわかるCOCOAは不具合が
あり、私も登録していますが、いつの間にか連絡がなくなりました。
ワクチン接種の申し込みや接種証明にも、あまりうまく使われて
いませんし、医療従事者が感染者を打ち込むHER-SYSも、
時間がかかって医療従事者の負担になっています。マイナンバー
カードを健康保険証として使う「マイナ保険証」の普及のため、
厚労省はカードを読み取る設備を導入した医療機関に診療報酬
を加算する方針でした。その一部は、患者の自己負担で、カードを
使った患者の方が負担増える仕組みで、デジタル庁は世論の
反発を懸念しましたが、その声は届かななった、とのこと。4月の
運用開始後、懸念通りの批判を受けて、厚労省は方針の見直しに
追い込まれました。デジタル庁には、「勧告権」など強い権限も
与えられていますが、各省庁の方が政策に詳しく、その意向を
無視して勧告権を使えない、と報じられています。行政のデジタル
化の作業も遅れていて、各省ごとに開発してきた情報システムを
ネットのクラウド上に移し、コストを削減する「ガバメントクラウド」
は、本格運用が1年先送りされ、2023年度からの運用開始に
なっています。しかも、政府全体で1000以上あるシステムのうち、
当初から利用できるのは、100以下にとどまる見通し、ということ
です。私自身も、政府の会議の委員を、リモートでも参加できると
いうことで、引き受けましたが、Zoomは使えず、政府で使っている
Skypeでないとダメといわれ、短い会議のために、軽井沢から
霞が関まで通いました。デジタル庁の生みの親の菅前首相が退陣
したから、ともいわれていますが、属人的な要素が強いのでは、
困ります。新しく大臣になった河野太郎さんの手腕で、多少は進む
のでしょうか。