安定的な皇位継承策を議論する政府の有識者会議(座長:清家
篤元慶応義塾長)は、先日26日に、第10回会合を首相官邸で
開き、皇族確保策について、女性皇族の婚姻後の皇籍維持と、
旧宮家(旧皇族)の男系男子と現皇族による養子縁組の2案を軸
とした「今後の整理の方向性」をまとめました。政府事務局が、
これを基に具体策の調査・研究に入る、と報じられています。
有識者会議は、その後、詳細を詰めて政府に答申する方針です
が、これまで毎回公表してきた次回会合の日程を示さず、秋まで
に実施される衆院選の後になる可能性も出てきている、とのこと。
安定的な皇位継承のためには、いつも述べているように、女性
天皇、女系天皇を認める、という意見が、世論調査でも多数を
占めています。しかし、男系男子を強力に主張する保守派への
配慮もあって、民主党の野田政権の時に、女性宮家の創設という
ことが打ち出されました。ところが、今回は、その女性宮家すら、
「女性宮家という言葉は女性・女系天皇を連想しやすい。そこに
踏み込めば意見は絶対にまとまらない」と、官邸筋が強調したと
のこと(官邸筋とは誰?)。純粋な皇族数減少対策と位置付けなけ
れば保守派の異論で実現は遠のくという理屈というこことですが、
それでは単なる弥縫策で、納得できません。「秋篠宮さまの長男
悠仁さまに男子が生まれるかどうかを見極められる週十年後まで
は結論を出せない」と事務方ではいっているそうです。有識者会議
と事務局は、二人三脚で、この既定路線に沿って検討を進めた、
とのこと。もう悠仁様の世代は、男性は一人だけです。これまで
万世一系、男系男子で皇位継承が行われてきた、といいますが、
それは、正妻の子でなくても継げた時代の話で、今の世の中
では、あり得ません。国民の9割近くが大切に考えている皇族を
維持するには、古い保守的な考え方にこだわっていては、解決
しないと考えます。