広島への原爆投下直後に降った「黒い雨」を浴びたのに国の援護
を受けられないのは違法として、住民84人(うち14人死亡)が、
広島県と広島市に被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟の控訴審
判決で、広島高裁(西井和徒裁判長)は、14日、全員を被爆者と
認定した一審判決を支持、県や市、訴訟に参加する国側の控訴
を棄却し、交付を命じました。判決の骨子は、〇住民84人全員を
被爆者と認定した一審判決を支持、広島県、広島市、国側の控訴
を棄却する 〇被爆者の認定は、原爆の放射能による健康被害
が否定できないことを立証すれば足りる 〇黒い雨の降雨域は
特例区域より広く、区域外にいた原告らも黒い雨に遭ったと認め
られる 〇直接黒い雨に打たれていなくても、内部被ばくによる
健康被害を受ける可能性がある、というものです。被爆者認定
には科学的合理性が必要だとする国の姿勢を、高裁判決は
指弾しています。一審判決より広い救済の道が示され、援護対象
区域を検証している検討会の議論に影響が出そう、と報じられて
います。今回の判決は、「黒い雨」の降雨地域の全体像を解明
することは困難でも、原爆の放射能による健康被害の可能性を
積極的に認めようとした一審判決を支持し、人道的判断を維持
したもので、よかったと思います。広島県、広島市ともに、控訴
したくない、としています。田村厚労相は、先月下旬に、検討を
加速させる意向を広島県に伝えている、ということです。被爆者は
高齢化が進み、今回の原告でも裁判中に14人が亡くなって
います。厚労大臣をしていた時に、一番辛かったのは、原爆被爆
者や薬害被害者などに、補償をしたくても、国の規定があり、でき
ないことでした。切々と訴える声に応えることが、できません
でした。何とか、この判決を維持し、控訴はしないでもらいたいと
願っています。