韓国大統領府は、一昨日22日夕、日本政府に破棄を通告して
いた日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を当分維持する
ことを決めたと発表しました。日本に対して8月に行った破棄通告
の効力を停止すると表明しました。昨日23日午前0時の協定
期限満了直前に失効は回避されました。ほんとうによかったと
思います。日韓双方は、貿易管理に関する協議を始めることで
合意し、韓国は世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続きを中断
すると日本に伝えた、と報じられています。ぎりぎりで文政権が
軟化したのは、アメリカの求めに配慮したもの、とされています。
そもそもは、元徴用工の問題があり、文政権と安倍政権が、意地
を張り合って、危うく安全保障をないがしろにするところだったの
ではないでしょうか。日米韓は、この協定を主要な回路にして
安全保障の情報をやりとりしています。破棄されれば、共同して
安全保障に取り組む体制に悪影響が出るところでした。韓国が、
8月に協定の破棄を通告したのは、日本による輸出規制強化への
対抗策でした。一昨日の発表でも、今後いつでも破棄できると
強調して、日本に相応の対応を求めました。問題の根底には、
日本企業に賠償を命じた韓国大法院(最高裁)判決があります。
今回、韓国の協定失効回避によって、対話ができる機運が出て
きています。来月12月下旬に、中国の四川省成都での日韓首脳
会談開催に向けて調整を進めることで、昨日23日、茂木外相と
韓国の康京和外相の会談で一致しました。日韓が対立していて
よいことは、何もないと思います。貿易などの経済状況も、観光客
の往来や人の交流も、ひどい状態になっています。安倍首相と
文大統領には、この機会をとらえて、建設的な対話を望みます。