政府が、月内に新設する「全世代型社会保障改革検討会議」(仮称)や、社会
保障審議会の部会で、パートやアルバイトでなど非正規として働く人の厚生年金
加入を促進するための検討をする、と報じられています。これは、現在女性の
半数以上、そして若い人の4割が非正規の中で、将来、低年金で生活が行き
詰まる懸念があり、非正規の処遇を改善するためです。報道の中には、先日
公表された年金の「財政検証」で、約30年後に国民年金(基礎年金)部分が現在
より約3割も目べりする見通しになり、支え手を増やして年金財政を改善する
ため、としているものがあり、気になりました。結果として、多くの人が厚生年金の
保険料を支払うようになれば、年金財政が改善しますが、順序からすると、非正規
の処遇改善がまず考えられるべきだと思います。この短時間労働者への社会
保険(厚生年金・健康保険)の適用は、私が厚生労働副大臣・大臣として、特に
力を入れて取り組んできたものです。本来は、女性の働き方を結果として制限
している、税の配偶者控除の廃止、年金の第3号被保険者問題と合わせて、
総合的に取り組むべきことと言ってきました。適用拡大の考え方としては、〇
被用者でありながら被用者保険の恩恵を受けられない非正規労働者に社会
保険を適用し、セーフティーネットを強化することで、社会保険での「格差」を
是正。〇社会保険制度での、働かない方が有利になるような仕組みを除去する
ことで、特に女性の就労意欲を促進して、今後の人口減少社会に備えるという
ことです。この時には、これまでの適用範囲だった、週30時間以上から、週20
時間以上働き、月額賃金が8.8万円以上(年収100万円以上)、勤務期間が
1年以上で、学生は除外、従業員501人以上の企業、となりました。対象者を
当初は100万人くらいにしたかったのですが、折半で保険料を支払う中小企業
への影響を考慮すべきという声が経済界などから強く、政府案では40万人を
対象者とすることにし、結果としては25万人からスタートすることになりました。
2016年10月からスタートし、3年後に見直しを、としてあったこともあり、ちょうど
3年経った今年、検討されることになりました。見直しの検討のための試算を
みると、企業要件を廃止し短時間労働者125万人が加入するケース、企業規模
と賃金の要件を撤廃したケース、月5万8千円以上の収入がある全ての人を
対象とするケースなどが、あげられています。短時間労働者の社会保険適用を
議論すると、必ずパートなどの当事者から保険料が上がるので困るという声が
上がりますが、国民年金だけでは、満額受け取っても月6万5千円くらいで、
満額もられない人の方が多いことを考えてほしいと思います。その金額では、
とても老後の安心は作れません。女性の活躍を真に実現するためには、女性が
能力を発揮して働き、それにふさわしい処遇(賃金、年金、保険など)を得、支払う
べき税・保険料も払っていくことが必要です。働きたい女性が増えないと、超少子
高齢社会で、毎年生産年齢人口が1%ずつ減少している日本の将来も危ういと
思います。総合的な意味合いを理解した中で、検討がしっかり進められることを
願っています。