トランプ大統領は、昨日30日、南北軍事境界線がある板門店で、北朝鮮の

 

金正恩朝鮮労働党委員長と、1時間ほど会談し、現職の米大統領として初めて

 

北朝鮮側に越境しました。金氏は、越境を「英断」と評価した、と報じられて

 

います。韓国の文在寅大統領が、トランプ氏に同行しました。この会談は、

 

G20で来日していたトランプ氏が、急に呼びかけ、電撃的に実現した、ということ

 

で、米朝首脳会談は3回目です。米朝首脳会談のポイントは、〇トランプ米大統領

 

が現職として初めて北朝鮮側に越境 〇数週間以内に非核化の米朝実務者協議

 

を再開するとトランプ氏明言 〇トランプ氏が金正恩委員長をホワイトハウスに

 

招待 〇米メディアによると、金氏はトランプ氏を平壌に招待 〇対北朝鮮制裁を

 

維持するが、今後の交渉の進展次第で制裁を見直す可能性があるとトランプ氏

 

明言、ということです。本当に非核化の交渉が進めばよいのですが、事前準備も

 

せずに、思いつきのように訪朝したトランプ氏のやり方は、大統領選を前にした

 

政治パフォーマンスという色合いが濃いように思います。北朝鮮は、核兵器を

 

手放す意向はなく、実務者協議がほんとうに始まるのか疑う見方も強いようです。

 

現職の米大統領が北朝鮮側に入ったことは、事実上の「終戦宣言」に近い

 

ジェスチャーで、短距離弾道弾に免罪符を与えた、とも言われています。過去2回

 

の会談のあとも、非核化の交渉が始まるはずでしたが、実際には進展しません

 

でした。今度こそ、非核化を進める工程を明らかにしてほしいと思います。前日に

 

ツイッターで呼びかけて実現した米朝首脳会談、友好ムードを選挙のために

 

アピールするだけでは、あまりに空しいことです。