安倍首相など全閣僚が久々に顔をそろえた、昨日10日の参院決算委員会で、
95歳まで生きるには夫婦で2000万円の蓄えが必要とする金融庁金融審議会
の試算について、安倍首相は「不正確で、誤解を与えるものだった」と釈明しま
した。野党は、2004年の年金制度改革の際に、政府が掲げた「100年安心
年金」に疑義が生じた、「国民はうそだったと怒っている」と追及し、安倍首相は
「そうではない。」とし、年金積立金の運用益が6年間で44兆円にのぼったとして
「公的年金の信頼性は、より強固なものになった」と明言しました。しかし、積立金
の運用益があがったのは、運用の内容を変えたためで、現在は株価が高いので
運用益があがっていますが、元金を守るための安定的な運用から、投資効果を
上げ、経済を活性化させるためとして、下がる危険性も大きい株などの割合を
上げたので、これで「より強固になった」とは、決していえないと考えます。
この日の決算委員会では、簡潔な答弁を求める石井みどり委員長(自民)の
注意を無視して、安倍首相は、長々と反論を述べて、顰蹙を買っていました。
参院選を控えて、身近な年金問題を争点にしようとする野党に対して、政府与党
は沈静化を図っています。この年金と蓄えの問題のほかに、日米貿易交渉、
前提条件なしに話し合うと方針を変えた日朝の問題、防衛省が公表したデータに
おそまつな誤りがあった陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージスアショア」の
配備など国会で論議すべき課題は山積しています。それにもかかわらず、政府
与党は、参院選を前に失点を防ぎたいということからか、衆参の予算委員会を
長期にわたって開催していません。衆院では、3月1日から100日近く、参院でも
3月27日から約2か月半、開催していません。野党は、何度も委員長に開催を
要求していますが、長期にわたって休業状態です。衆参両院の規則では、
各委員長が「委員の3分の1以上」から要求された場合、「委員会を開かなければ
ならない」と定めています。しかし、委員長は、開催しても与党委員が出席せず、
流会になるとしている、と報じられています。争点を隠して選挙に臨もうとしている
ことは、国政の課題を議論し、政策を作ったりチェックしたりする国会の役割を
放棄しているということで、許されることではありません。1強他弱の国会情勢が
それを許しているということは、次の参院選の大きな判断材料になると思います。