裁判員制度 今日で10年 | 小宮山 洋子 オフィシャルブログ Powered by Ameba

裁判員制度 今日で10年

裁判員制度が2009年にスタートして、今日21日で10年になります。裁判官

 

だけで審理していた時代と比べて、多くの人が、市民感覚が反映されるように

 

なったと評価しています。一方で、裁判が長期化し仕事等の関係で辞退する人が

 

増えていたり、守秘義務が厳しすぎるなど課題もみえてきています。裁判員制度

 

の導入等を検討していて、100年に一度の司法制度改革として国会が取り組んで

 

いた時、私は、民主党の次の内閣の法務大臣として、この問題の責任者を務めて

 

いました。各国の陪審制度なども参考に検討し、市民から遠い感じのする司法を

 

身近にするために、相当議論しました。10年経って、多くの方が評価されている

 

ので、その点はよかったと思いますが、あがってきている課題をいかに解決するか

 

は、これからだと思います。共同通信社の裁判員を経験した人(補充を含む)への

 

アンケート調査で、92%が「判決に市民感覚が反映された」と回答しています。

 

二審の控訴審で判決が変わることを容認したのは40%。一方、34%が「審理で

 

精神的ストレスを感じた」と答えています。負担はあるが、多くの人が体験を肯定

 

的に捉えていることが、わかります。こうした経験をもっと広く共有するには、守秘

 

義務を緩和することが望まれ、裁判員経験者や弁護士などでつくる団体が、19日

 

都内でシンポジウムを開き、守秘義務が厳しすぎるとして「評議の内容は、発言者

 

を特定しない限り、原則自由に話せるように法改正すべきだ」とする提言を

 

まとめています。検討が必要だと思います。これまで10年間の裁判員裁判で、

 

今年3月末現在、裁判員に選ばれた人数は6万8165人、補充裁判員に選ばれた

 

人数は2万3177人、辞退率は62.7%、判決を受けた被告は1万1845人、

 

死刑判決は37人、初公判から判決までの期間は平均8.1日、控訴審で破棄

 

された割合(昨年末まで)は9.8%でした。裁判員制度の評価されている点は、

 

先ほどの市民感覚が反映されるようになったことの他に、捜査段階の供述調書

 

に頼る「調書裁判」から「公判中心主義」へ転換され、公判で直接尋問する証人の

 

数が増えていることがあります。また、弁護人と膝詰めで公判準備を行う機会を

 

確保するという考え方から被告の保釈率が上昇していることも、あります。課題と

 

しては、裁判員の辞退率が上昇していることが、あります。制度が始まった2009

 

年には、出席率が83.9%だったものが、年々低下し2015年は67.5%に

 

なっています。逆に辞退率は、53.1%から64.9%に上昇しています。その原因

 

には、平均実審理期間が、2009年に3.7日だったものが、2018年には10.8

 

日に延びていることが挙げられています。日当と交通費では、自営業の人は全く

 

足りないことや、無断欠勤扱いされた人のケースが報じられていますが、職場の

 

理解が十分でないと休めないことなどがあります。審理期間を単純に短くすれば

 

いいわけではない面もあるので、どのように負担を軽減するのか、改めて検討

 

することだと思います。守秘義務が一生課されるなどの精神的負担を含めて、

 

多角的な検討が必要です。せっかく根付いて、司法に市民感覚を入れることが

 

できてきている裁判員制度を、よい面は伸ばし、課題は克服しながら、さらに

 

育てていってほしいと思います。