トランプ米大統領は、15日、メキシコ国境で「革新的な国家安全保障を脅かす

 

安全と人道の危機が起きている」として、国家非常事態を宣言する文書に署名

 

しました。宣言によって、議会の承認なしに国防予算などの転用が可能になり

 

ます。民主党が多数の下院を迂回して、計約81億ドル(約8900億円)の壁建設

 

費の捻出を目指しています。民主党は、国家非常事態宣言が違憲だと反発

 

していて、議会や裁判で対抗措置を取る方針を示しています。また、市民運動

 

団体「パブリック・シチズン」は、同日、今回の宣言が大統領権限を逸脱し無効

 

であることの確認を求める訴訟を首都ワシントン連邦地裁に起こした、と報じられ

 

ています。カリフォルニア州なども法廷で争うことを検討しています。国家非常事態

 

宣言は、米軍の最高司令官でもある大統領が、戦争や災害など国家の危機に

 

対応するため、議会を迂回する形で予算や軍派遣などの権限を行使するもので、

 

メキシコ国境の壁建設に使うことに批判が起きているのは、当然のことだと思い

 

ます。「権力乱用」という非難もものともせずに、トランプ大統領が、国境の壁建設

 

向けて壁建設で野党に屈して妥協すれば、不法移民への対策強化を望む熱狂的

 

な支持層が離れてしまうという恐れがあったから、とされています。トランプ氏は、

 

相変わらず国境の危機について、誤りや事実を歪曲して語っています。「麻薬

 

や人身売買組織、あらゆるタイプの犯罪者やギャングが侵入している」「メキシコ

 

国境から大量の麻薬流入している。壁があれば防げる」と述べていますが、実際

 

は麻薬の多くが合法的な出入国経路から流入している、とのこと。また、国境での

 

逮捕者数は、2000年に約160万人でしたが、2018年には約40万人に激減

 

してるというデータもあります。非常事態とみるべき状況は、メキシコ国境にはない

 

ということは、多くのデータが示しています。米国第一を掲げた外交で、アメリカは

 

孤立している上に、国内でも議会を迂回し、長年培ってきた民主制を揺るがして

 

います。就任後、トランプ氏は、イスラム圏からの入国禁止令など多くの政策を

 

巡って訴えられていて、提訴は日常的なことになっています。たびたび裁判所が

 

政策をストップさせていますが、今回も、司法がアメリカの民主主義を守れるか

 

注目されています。

 

このように、世界秩序を乱しているトランプ大統領を、安倍首相が、頼まれてという

 

ことですが、米朝会談で危機を救ったとして、ノーベル平和賞に推薦した、と報じ

 

られていて、呆れてものが言えません。