安倍首相は、22日午後(日本時間22日夜)、ロシアのプーチン大統領とモスクワ
で会談しました。安倍首相は、1956年の日ソ共同宣言で日本に引き渡すと明記
した歯舞諸島と色丹島の事実上2島に絞って返還交渉を進める方針でした。
できれば通常国会が終わる今年6月までに平和条約の大筋合意を取り付け、
衆参同日選に持ち込むことや、政治的遺産として残したいという思惑がある、と
いわれています。しかし、ロシアの強硬姿勢が、先週の日ロ外相による平和条約
交渉で明らかになっていました。22日の会談で、平和条約締結に向けた具体的な
進展はなかった、と報じられています。ロシアのプーチン大統領は、日ロ平和条約
締結交渉をめぐって、「締結への関心を再度確認した」と述べつつ、「今後辛抱
強さを要する作業が待っている」とし、大筋合意を急ぐ日本にくぎを刺しました。
ロシアの専門家は、北方領土の主権をめぐる議論が進展せず、「内容が乏しい」
首脳会談だったと見ている、ということです。プーチン氏は、「合意事項は双方の
国民にとって受け入れ可能でなければならない」としていて、それはその通りかと
思います。安倍首相は、国内向けには、4島返還の考え方は変わっていないと
しながら、交渉では2島返還でてを打とうとしています。考え方を変えるなら、
どこまで譲歩するのかを示して、国民との合意形成を図る必要があると思います。
ロシア極東の世論調査では、日本が一番親しみのある国とされ、長期的には
経済協力が理解を深めるという見方もあります。しかし、今は各地で返還反対の
集会が相次ぎ、プーチン氏は、望ましい条件が整うまで合意を急ぐ必要はないと
いうのが本音、とのこと。実質2島返還で交渉するなら、国民に示し、短期の成果
に固執しないで進めることだと思います。元島民が自由に行き来できる仕組みを
作ったり、民間の経済交流を進めたり、腰を落ち着けて取り組んでもらいたいと
思います。