茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構「大洗研究センター」で、一昨日
6日、ウランとプルトニウムが入った保管容器から放射性物質が漏れて、男性
作業員5人が被爆する事故がありました。原子力機構は、昨日7日、50代の
男性職員の肺から2万2千ベクレルの放射性物質プルトニウム239が計測
されたと発表しました。これは、1年間に1.2シーベルト、50年で12シーベルト
の内部被爆をする値で、過去にこれほどの内部被爆をした例は、国内でない、
と報じられています。国の基準では、放射性物質を取り扱う原発作業員などの
被爆線量限度を5年で0.1シーベルトと定めているので、今回の事故の被爆量
の異常さは、明らかです。他の3人の肺からも、最大で1万4千~5600
ベクレルが測定され、計4人が内部被爆していることが、わかっています。残る
1人も、内部被爆の可能性が濃厚とされています。5人は、被爆した夜から、
「キレート剤」という薬の注射を受けていて、血液中に入ってプルトニウムを排泄
させる治療を受けている、ということです。しかし、現在はめだった異常はなく
ても、プルトニウムは体内に長くととまって、放射線を出し続け、がんのリスクが
高まります。長期にわたる観察、治療が必要になります。それにしても、危険な
放射性物質を扱うのに、26年前の容器を密閉されない場所で開封し、顔全体
を覆うマスクはつけず、顔を半分しか覆うことができないマスクしかしていま
せんでした。その状態で、貯蔵容器を作業員5人が点検し、1人が「フード」
という放射性物質の飛散を防ぐ設備に手を差し入れ、ふたを開けた瞬間に
中のビニールバッグが破裂し、粉末が飛び散った、ということです。原子力機構
は、2015年に、高速増殖原型炉「もんじゅ」をめぐって、原子力規制委員会
から「安全に運転する資質がない」と指摘されていました。また、使用済み核
燃料処理工場「東海再処理施設」でも、放射性物質のずさんな管理が明らかに
なっています。今回事故があった燃料研究棟は廃止の方針が出され、閉鎖に
向けて放射性物質の種類や状態の確認が進められていました。原子力規制
委員会の田中委員長は、7日の記者会見で「被爆量としては大きい。放射性
物質は常に注意深く扱う習慣が必要。経営陣も含めて真剣に反省すべきだ」
と指摘しています。その通りだと思います。場合によっては、放射性物質が、
施設外に拡散する危険もあったわけです。放射性物質を扱うリスクの認識が
欠けていなかったか、しっかり再点検すべきだと思います。