軽減税率の議論、メディアの報道も、終盤は、どこまで軽減税率にするかの


線引きに集中していたのは、残念です。本来の問題点は、そこでは、ないはず


です。再三、申し上げているように、軽減税率は、低所得者対策には、なりません。


高額のものを多く買う高所得者の方がメリットがあるからです。低所得者に現金


を給付する「給付つき税額控除」を、来年からマイナンバーも実施されるので、


所得をしっかり把握して実現することが、低所得者対策としては、ずっと優れて


います。何より、財源がはっきりしていないことが、最大の問題です。さすがに


自民党の総務会などでも、公明党に押し切られて大幅譲歩したことに、不満が


渦巻き、沈静化に苦心した、と報じられています。今考えられている軽減税率に


必要な1兆円の財源のうち、低所得者のために導入する予定だった、医療や


介護の支出の上限を定める「総合合算制度」をやめて、高所得者の方が


得をする軽減税率の財源にするという本末転倒。それでも6千億円の財源は


目途が立たず、1年かけて考えることになっています。考えて出てくるわけが


ないのは、子ども・子育て支援に必要な1兆円超の財源のうち、7千億円は


消費増税であて、あとの3千億円超は、政権が予算の中からあみ出すという


ことになっているのに、その目途もたっていないことからも明らかです。ツケを


次の世代に、更に積み上げることにならないよう注視していく必要があります。


そして、納税額を正確に把握する「インボイス(税額票)」の導入は、増税の


17年4月には間に合わず、21年から、といわれています。そうなると、その間は、


請求書を使った経理方式か、「みなし課税」という、売り上げた商品の一定割合を


軽減税率の対象とみなして税額を計算する方式が、とられることになります。そう


なると、納税額が正確に計算されないため、納めるべき税金が事業者の手元に


残る「益税」が、これまでより増加する懸念があります。今回は、みなし課税の


対象を1年間は大企業にまで広げることになった、とのことで、消費者にとって


納得できないことが、多すぎます。年明けまで国会は開かれませんが、来年の


通常国会では、1党多弱の中でも、しっかり議論をしてもらいたいものです。