2月20日に、川崎市の多摩川河川敷で、中学1年の上村遼太君が遺体で
から、1週間たった27日、川崎市に住む18歳の少年と17歳の2人の少年、
合わせて3人が、殺人容疑で逮捕されました。未成年ということで慎重に
調べていましたが、防犯カメラやスマートフォンの無料通話アプリ「LINE」の
通信履歴などから逮捕に至ったということです。島根県の島で、たくさんの
友人に愛され活発だった少年が、昨年秋に川崎に引っ越してきて、このような
悲惨な死を迎えるまでに、周囲で何とかできなかったのかと強く思います。
いつも事件の後、同じ思いが繰り返されているようにも感じます。母親と4人の
きょうだいと暮らしていて、母親と周囲との付き合いもあまりなかったとのこと。
また、学校でも、今年に入って休んでいて少年に、担任が何度も接触を試みていた
そうですが、ようやく、学校に行きたいと答えて、すぐにこのようなことになってしまった
ようです。担任だけでなく、川崎市ではスクールソーシャルワーカーを市内全区に
おいているので、そうした専門職の活用ができていればと思います。福祉の専門職の
スクールソーシャルワーカー、心理の専門職のスクールカウンセラーが、子どもの
権利条例を早くに作った川崎市には配置されていました。ところが、学校からは、
市の教育委員会に相談していず、こうした専門職を活用できなかったことは
残念です。SOSの相談を受けていた友人がいたことも、大きなあざを少年が作って
いたことも知られていたのに、助けられず、こういう結果になってしまっています。
「LINE」という、内容を知ることがむずかしいツールを子どもたちが利用していることも
事件を知ることを難しくしています。その「LINE」で、子どもの相談に乗れる仕組みを
作ることも考えられると思います。少年の命は戻ってきませんが、この事件から、
何らかの教訓と対応策を見出さないと、あまりにも無念でなりません。