このところ、認知症の高齢者が、行方不明になって、家族が長いこと探している
ということが報じられています。認知症の高齢者が、行方不明になるケースは、
増加していて、昨年は1万3千人にも上っています。警察庁が開示したのは、
これまでに寄せられている行方不明者の届け出のうち、主な原因・動機が、
認知症である人の数です。1年間で7%増えている、ということです。日本は、
世界で一番高齢者の比率が高い、超高齢社会になっているので、年々、認知症の
高齢者も増えていきます。NHKの番組「行方不明者1万人」が放送されましたが、
放送中から、NHKには、知人かもしれない、家族かもしれない、という電話が
相次いだということです。12日には、連絡を受けた男性が、収容されていた施設で
女性に面会し、2007年に自宅を出て行方不明になっていた妻であることがわかった
とニュースになりました。また、毎日新聞などの報道で、先月、家族と再会を果たした
ケースもあります。ともに、警察の照合作業等にミスがあって、家族が照会しても、
わからなかったようです。これまでは、原則として、写真を公開したりしなかったので、
自分の名前もわからないと照合しようがなかったということ。これではダメということで、
山形県の自治体などでは、認知症高齢者の名前、写真、連絡先などを事前登録して
います。また、今日、国家公安委員長が、「行方不明者の発見、保護に努めることは
警察の責務」として、DNA鑑定を取り入れることについても、「家族の了解が大前提だが
一つの選択肢ではないか」と述べました。本人のためにも、家族のためにも、これまでの
前例にとらわれずに、知恵をしぼる必要があると思います。