「骨太方針2017」で気になった言葉 | 衝動記

衝動記

自分の心の中の衝動を文字や文章にして表してみました。

先日決定した「骨太方針2017」ですが、

 

●骨太方針、外国人材受入れ「真摯」に修正 薬価引き下げも削除 http://reut.rs/2saSAk7

 

プライマリーバランス黒字化

 

これが撤廃されていないことで失望をした人が多かったかもしれません。

ですが、プライマリーバランス黒字化というのは

 

三橋貴明『プライマリーバランス黒字化目標の「罠」』
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11968314203.htm

 

三橋貴明さんのブログにもあるように

 

「2002年に小泉首相、竹中担当大臣により、プライマリーバランス黒字化という財政目標が日本に導入された」

 

平成 18 年第 16 回経済財政諮問会議議事要旨

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/minutes/2006/0622/shimon-s.pdf

最初に、資料の3ページ「中期の目標設定とその後の実績」を確認したい。 2010 年代初頭のプライマリー・バランスを黒字化するということは、小泉内閣が 発足した初年度の「改革と展望」(2002年1月)において閣議決定された。

 

政府の資料でも確認取れてますから、これは15年前からずっと続いていることです。

 

僕の推測ですが、もしかしたら政府は悪い意味での「経路依存性」に陥っているのではないか?と疑念を抱いています。

 

経路依存性については

 

https://youtu.be/Wez5V3EB8V0?t=23m31s

 

こちらの動画で佐藤健志先生が説明していますのでご参照ください。

もし僕の推測が当たっていたら、これを覆すのは相当難しいでしょう。

推測が外れていることを祈っています。

 

僕がそれ以上に気になったのは

 

上旬したロイター通信の記事(http://jp.mobile.reuters.com/article/idJPKBN190170)にある

 

高度外国人材は積極的に受け入れるとしながらも、「専門的・技術的分野とは評価されない分野の外国人材」の受け入れについては、当初素案にあった日本人の雇用への影響、産業構造への影響、教育、社会保障等の社会的コスト、治安など幅広い観点から、国民的コンセンサスを踏まえつつ検討すべき課題」との一文が削除された。また「移民政策と誤解されないような仕組みや国民的なコンセンサス形成の在り方などを含めた必要な事項の調査・検討を政府横断的に進めていく」との表現も変更され、「外国人材受け入れの在り方について、総合的かつ具体的に真摯に検討を進める」と修正された。

人手不足を補うために外国人労働者を受け入れるニーズがある一方で、実際に受け入れる際の様々な微妙な問題もあるため、今後真剣に議論する姿勢を示したものともいえる。

 

この部分の特に「具体的に真摯に検討を進める」という部分。

安倍内閣の言葉の使い方、使われ方がおかしいのは2年前に

 

https://youtu.be/_MSpYNDibxQ?t=30m27s

 

佐藤健志先生が指摘した通り。

「もはやデフレ状況ではなく、デフレ脱却に向けて着実に前進」

「憲法解釈の一部変更ではあるが、解釈改憲ではない」

「日本経済の悪魔を私は倒す」

ロイター通信の記事にもある

「移民政策と誤解されないような仕組みや国民的なコンセンサス形成の在り方などを含めた必要な事項の調査・検討を政府横断的に進めていく」

と様々です。

そこで政府の資料を見てみました。

 

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2017/2017_basicpolicies_ja.pdf

 

ロイター通信にあった部分は

 

⑤ 外国人材の受入れ
高度外国人材を更に積極的に受け入れるため、企業における職務等の明確化と公正な
評価・処遇の推進、英語等でも活躍できる環境など就労環境の整備、日本語教育の充実
など生活面の環境整備、マッチング支援、日本版高度外国人材グリーンカードの活用等
を進める。
さらに、経済・社会基盤の持続可能性を確保していくため、真に必要な分野に着目し
つつ、外国人材受入れの在り方について、総合的かつ具体的に真摯に検討を進める。

 

とあります。「具体的」というのはどういった意味で使ったのか?同じ資料でないのか見てみますと

① 同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善 職務内容、職務の成果・能力・経験等に対する正規雇用労働者とパートタイム労働者・ 有期雇用労働者・派遣労働者を通じた公正な評価・待遇決定の推進や、そうした公正な 待遇の決定が、労働者の能力の有効な発揮等を通じ、経済及び社会の発展に寄与するも のであるなどの大きな理念を明らかにした上で、政府が示した同一労働同一賃金のガイ ドライン案の実効性を担保するため、裁判(司法判断)で救済を受けることができるよ う、その根拠を整備する法改正を行う。 

これにより、同一企業・団体における正規雇用労働者と非正規労働者の間の不合理な 待遇差の解消の取組を通じて、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を 受けられ、多様な働き方を自由に選択できるようにし、我が国から「非正規」という言 葉を一掃することを目指す。 

具体的には、パートタイム労働法 10、労働契約法 11及び労働者派遣法 12の改正を図る。

 

これって普通に読めば、前向きに具体的な議論を進めるというように読めませんか?

既に日本は外国人労働者という名前で内閣府の決定だけで進められる特区で移民受け入れ拡大をしていますが、これを更に広げるのではないか?というように思えるわけです。

 

「特区で成果が出た!」と決めて、国会で法案通すつもりじゃないですか?

実績ありますし。

 

●民泊新法が成立=届け出制、全国で解禁:時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/article?k=2017060900192&g=eco

 

こうした問題があるのに

 

●違法「民泊」、苦情相次ぐ=特区の大阪市:時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/article?k=2017061000211&g=soc

 

こうした問題も

 

新法は、民泊を営む家主に、都道府県や政令市などへの届け出や苦情への対応、民泊物件と分かる標識の掲示などを義務付ける。年間営業日数の上限は180泊とするが、生活環境の悪化防止が目的ならば、都道府県などが条例で区域を定めて営業日数を制限できる。

 

修正したから大丈夫だー!なんて言って、しれっと通す可能性があるかもしれません。

 

【お知らせ】

6月22日開催です。

●歴史に筋を通す~勝手にしやがれ、天下国家! 

http://ptix.co/2r7AuhG

 

是非ご参集ください。