キャタピュラー(若松孝二監督) | Adagio Days

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カオスなブログ


旅行記事の続きをアップする予定でしたが、
終戦記念日に因んで2013年8月15日の旧ブログ記事の再投稿になります。





今日は映画の紹介です。

実はこの映画、三年前に公開され

主演の寺島しのぶさんは、

ベルリン国際映画祭で、実に日本人では35年ぶりに

最優秀主演女優賞を受賞という快挙を成し遂げた話題作。

なのですが。。。


毎朝自分に問いかけてみる。



これは去年あるきっかけで知ったことなんです。

というのも、この映画の監督だった若松孝二監督という人は、

昨年の10月、交通事故で亡くなったのですが、

たまたま夜のニュース番組でそれが取り上げられたのを見て、

そのとき初めて若松孝二という監督を知り、

その人間性や裏街道な生き様に興味を持ったんです。

そんな中で、

今回紹介する『キャタピュラー』という映画に出会いました。

ちなみにキャタピュラーとは芋虫という意味。

主人公シゲ子(寺島しのぶ)の夫、久蔵(きゅうぞう)が、

戦地で四肢を失った状態で帰ってきた。

その姿を芋虫に見立てて、いもむし

『キャタピュラー(芋虫)』





毎朝自分に問いかけてみる。




タイトルも斬新ながら、

内容も若松監督らしい視点で『戦争』が描かれたものでした。

何かと美化されつつある戦争映画ですが、

もちろんそういう側面もあるからその通りでもあるのですが、

『キャタピュラー』は、

少し前に世間をにぎわせた橋下市長の慰安婦発言ともつながり、

国と国が争い、人を殺しあうことの愚かさ、

当時の大日本帝国という一国の社会的背景。

今とは大きく異なる男女や夫婦のそれぞれの立場。

人間の欲望や、裏の部分が余すことなく描かれ、

キレイごとは一切排除された戦争映画だと思います。

以下あらすじは、ウィキぺティアより抜粋したもの




毎朝自分に問いかけてみる。



1940年、

とある農村に住む青年、
黒川久蔵は日中戦争の激化に伴い徴兵を受け、
戦地へと赴いた。

それから4年後、
九蔵は頭部に深い火傷を負い、
四肢を失った姿で村に帰還する。

戦線で爆弾の爆発に巻き込まれた彼は、
声帯を傷つけて話すこともできない上、
耳もほとんど聴こえない状態になっていた。

「不死身の兵士」と新聞に書き立てられ、
少尉にまで昇進した久蔵を村人は「軍神様」と呼び崇め称える。

しかし親戚たちは彼の変わり果てた姿に絶望し、
妻であるシゲ子に世話を全て押し付けてしまう。

シゲ子は無理心中を図り久蔵を殺そうとするが思い留まり、
軍神の妻として献身的に尽くすようになる。

戦地に赴く前は表向き好青年として通っていた久蔵は、
実は欲深く暴力的な性格の男だった。

彼は体に残された知覚で意思を伝え、
美味な食事、自身の名誉の誇示、

そして性行為をシゲ子に要求し続けていく。


~ウィキぺティアより引用~


観る人によって様々な意見が分かれる内容だと思いますし、

はっきりいって精神的に落ちているときにまともに観たら、

重すぎる内容だったりしますが、

自分が伝えたいことだから伝える。

その誰でもできるようで誰でもできるようなことではないこと。

それを作品として

残してくれた若松孝二というひとりの人間に魅力を感じました。

日本が唯一の被爆国であることを伝えて行くことももちろん大切だけど、

その原因となる『コト』が存在する、ということ、

そしてそれは戦争に限らず、

私たちの日常の中で頻発するあらゆる

『出来事』にも共通して言えることだと思います。

事実を知ることも大切。

でもその事実の背景にあることを知ることも、同様に大切ではないか?

そんな問いかけを投げかけられているように感じました。








日本における第二次世界大戦の犠牲者は、民間人も合わせると、

300万人以上と言われています。

先祖と言うにはまだ近すぎる、

ご両親の親御さんやその親族の方々には、

戦地へ赴いた方々もいるのかもしれませんし、

そこで命を落とされた方もいるかもしれません。

また現在、関係の悪化を辿っている日中・日韓関係について、

戦後70年近く経った今でも、

これら負の歴史抜きに考えることは難しいと思います。

今日は少々お堅い話題になってしまいましたが、

私たちがその背景を知ったからと言って、

何かが変わるわけではないです。

ただ、年に一回の終戦記念日だけでも、

平和な現代に生かされた人間のひとりとして過去を振り返ることは、

意味があることなんじゃないかと思います。








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