「今までは嫌なことがあると数日ずっとひきづっていたのですが、最近は翌朝には切り替わっています。」
という報告をいただきました。
そういうマインドになれれば、と思う方も少なくないと思います。
では、物事の捉え方を変えたのでしょうか?
答えは否です。
これはそういうマインドになったのではなく、身体技術として、嫌なことを引きずらないことができるようになったためです。
ここで出てくるのが“つらい刺激”です。
つらい刺激は害である、とは限らないのが、私の中の身体調整の考え方です。
つらいには、つらいだけの理由があるということです。
きつい刺激を感じるということをする身体調整がありますが、そのきつさを感じ切ることが嫌な思いを引きずらない、流す技術に直結します。
具体的に言うと、呼吸・整体にはランジの応用形を実践することがあるのですが(トータルコンディショニングにある)、それはそれは相当につらい刺激が足に入ります。身体運動を定期的にしていても、スポーツ愛好者でも、つらいです。
そのつらい刺激が足に入るポジションで10秒キープしてもらうのですが、その際に、上半身は何もしない、ということを実践してもらいます。
つらい→力みたくなる衝動にかられる→上半身は反応させないでいる、という作業をします。
実はこの時“上半身は反応させないでいる”という時にやっていることが、“関節を開ける”という技術の実践です。
この、関節を開けるというのは、ストレスや緊張刺激から自分自身を守る方法であり、それらを流す方法でもありますが、平時での実践は難易度の高い技法です。(動作を起こさない状態での実践は更に難易度が上がります)
関節を開けるというのは平時よりも、緊張刺激が入ってきた方が実践しやすいという特性を使っています。
ですので、関節を開ける、ストレスを流す、という意識がなくても、つらい刺激を足で感じながら上半身はそのままで何もしない、という事を繰り返し実践していると、心身問わずストレスを受け流す力が育ち、結果的に嫌なことを引きずらなくなるようになることが少なからずあります。
いっけん心の問題と捉えてしまいがちなところですが、身体技術として出来てしまうことも結構あります。ちなみにトータルコンディショニングには、もう一つそれを促す要素があるのですが、それはまたの機会にしておきます。
私は「その通りにやってくれれば変わる」と言うことがあります。
つまり、そういう設計をしているので、変に前向きになったり、後ろ向きになったりはいらないので、淡々と実践していただければ、変わります、ということです。
そうするとですね、とりたてて価値観を変えなくても、身体は良好な状態を保つことができます。
とても大切なことを最後に言うと、価値観や心を直さなくても、身体はよい状態へと改善します。
心の在り様を身体に反映させるか否かは、自分でかなりの部分まで選択できますので。
ちなみに4月の土曜日特別講座は、ここにフォーカスをあてていきます。
レッスン10回以上参加している方はお楽しみに。