呼吸を整えるというたった一つの事をするためにどれだけの事をするのか?

 

 ここでは身体のプロとして必要なスキルという意味で書いてみたいと思います。

 

【まず大事な根幹を学ぶ~統制~】

 呼吸のニュートラル®、自然呼吸という中心となる概念。これは呼吸・整体では統制法という言い、

主として日常の息づかい、呼吸からみた自分の扱い方を学びます。

 

 ここが一番難しいところですが、ここがあるとないでは、北に行くのと南に行くのと、それくらいの

違いが生じてしまうほどに重要な部分です。

 

【脊椎(腹部)~身体調整~」

 身体調整でまず重視するのは呼吸に直結する脊椎と腹部です。とりわけ横隔膜という存在が

重要になり、横隔膜を解放し、解放している自分という感覚を修得します。

 

 横隔膜は下腹部(いわゆる丹田と称される部分)を考える時に避けては通れない部分であり、

呼吸・整体の視点からみた横隔膜の調整をおこないます。上肢の力みが抜けやすくなり、足裏(踵)まで

ストンと落ちる状態を作り上げます。

 

 ひるがえって腹部は脊椎と常に表裏の関係性にあります。呼吸・整体では、腹部を上腹部・下腹部の動作

をみます。例えば、女性(男性も)の不定愁訴はこの腹部動作にエラーが起きています。

 

 横隔膜を解放して腹部アプローチできる下地を作った上で、強息法という呼吸導引(呼吸動作)を使い、

腹部の癖を正常化していくスキルを学びます。

 

 脊椎と腹部を調整の基本として呼吸が通る身体をつくっていくというのが呼吸・整体の調整法の基本です。

 

*呼吸・整体でいう調整法とは、日常にフォーカスした統制法というよりも、身体作用に重きを置いたいわゆる

身体調整法です。

 

【力を通す~促通~】

 脊椎や腹部をの調整を基本とする一方で、両者(以後体幹)は四肢の影響を強く受けます。

 

 四肢とは、上肢で言えば上腕骨・橈骨尺骨。下肢で言えば大腿骨・脛骨腓骨。

 

 そこに身体に生じる力の歪み(ひずみ)や滞りが起こるとほとんどの場合、体幹のしなやかさが制限

されます。

 

 つまり、体幹でうまく呼吸を通すためには上肢・下肢は無視できない存在であるということです。

 

 呼吸・整体では、上肢・下肢に力を通すという事をおこない、その力を体幹に繋げ、体幹の力の通りを取り戻すことを

します。これを促通と呼びます。

 

【末端をつくる】

 体幹を調整し、上肢・下肢を調整できると相当に身体変化が起こりますが、忘れてならないのは手足末端という存在です。

 

 手足末端とは、手で言えば手根骨から遠位、足で言えば距骨から遠位のことです。

 

 身体の力の歪み(ひずみ)はここから始まっていると言っても過言ではないくらい重要なところです。

 

 呼吸・整体では、手を手根骨の解放、足では踵から小趾側そして母趾側ラインをつくることを重視しています。

手においても小指側から母指側ラインを重視しています。

 

 ここを学ぶ事によって得られるのは母指・母趾の過剰使用の弊害とその多さです。

 

 これができていないと、手で言えば橈骨尺骨~上腕骨の流れに歪み(ひずみ)が生じます。その歪みはとりわけ

肘に集中することが多くなり、それが腱鞘炎・五十肩・肩凝り・頚椎異常の原因になることが多々あります。

 

 足で言えば、足関節の歪み(ひずみ)からアキレス腱や下腿三頭筋の変位を代表に、脛骨腓骨と大腿骨の関係性が

偏在化し、その影響は膝関節に顕著に出ることが多く、また股関節にも大きな影響を与えます。

 

 結果、膝関節痛、股関節痛、腰痛、坐骨神経痛の原因になることが多々あります。

 

 呼吸・整体では、手足末端を調整することによって、

 

 手であればそこから橈骨尺骨~上腕骨~肩~体幹までのスムーズな力の通りを

サポートします。橈骨・尺骨の回内・回外の位置、上腕骨の回旋方向など細かく設定があります。

 

 足であればそこから脛骨腓骨~大腿骨~股関節・骨盤~体幹までのスムーズな力の通りを

サポートします。下腿・大腿の回旋方向や臀部の使い方(なぜ梨状筋が重視されているかの理由)など

細かく設定があります。

 

【呼吸を自動的に調整する】

 いわゆる息詰まってしまった身体状態から呼吸を回復させるための調整もあります。

 

 陰性刺激(呼吸・整体の造語)という刺激を用います。人間はある種の刺激を脳が感じると、

自動的に息を吐きたくなる、力を抜きたくなるという衝動にかられます。

 

 これを意図的に起こし、それまで解除できなかった息詰まった身体を解放します。

 

【身体感覚を練り上げる~統合~】

 呼吸・整体では、身体調整法があり、日常変革法(統制)がありますが、それらを繋ぐのが

統合という概念です。

 

 身体感覚を高め、自分の身体を繊細な状態にする手法となります。

 

 自分の身体が発する様々なシグナルを正確に読み取る事が可能となり、日常変革に際して

極めて大きな役割を果たします。

 

 慣れてくると、この統合法によって一気に脊椎の力を通し、抜く、ということが可能になります。

 

【その他】

 その他にも色々あります。言葉では説明が難しい無形の部分であったり、です。

 

【最後に】

 呼吸を整えるということは、こういう事を学ぶことになります。

 

 ただ吸って吐くだけではない、いや、むしろただ吸って吐くという事をするということにどれだけの

事が関わっているのか?ということをこの記事で読み取っていただければ幸いです。

 

【呼吸・整体に興味のあるプロの方へ】

 呼吸・整体スクールでは、1年目の基礎科で今日紹介した全ての事を学びます。

 

 現在1期生は1年目も残り3回、2年目からはコーチ学習に入ります。

 

 2期は6~7月スタートです。

 

 3月に入ったら詳細を告知しますが、この記事はその際の参考にしてください。

 

 よろしくお願いいたします。