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 そらわんわん がばてる程蒸し暑かった土曜日とは打って変って、月曜日は雨風とも強く気温も上がらない朝になりました。久々に麻の長袖シャツを引っ張り出しましたが、麻素材ではまだ肌寒い程。この日の雨は梅雨前線の雨ではなく、北にある低気圧によるものだったそうです。

 ところで先日、《公共交通空白地域と高齢者の移動支援問題》を採り上げたばかりですが、その後、6月20日の朝日新聞朝刊を捲っていると、運転免許を返納したという70歳代男性の投書が掲載されていました。独り暮しをしているというその方は免許を返納したお蔭でお出掛けがすっかり減って仕舞ったと嘆いていらっしゃいました。曰く、

 

 「山の上の県営団地から下界の街まで買い物に出るのに、1時間から2時間に1本しかバスがないというのはどうしても残念でなりません。」

 

 正しく移動支援問題ですし、同時に買い物弱者問題です。人口減少時代に相応しいコンパクトシティーを長期的に再構成して行く視点と同時に、短期的にはこういう公共交通空白地域に居住する高齢者の移動手段を確保し支援して行かなければなりません。

 

 高齢化の進展と関連して、生産者が減少して様々なものの生産量が減少しているというニュースが目に触れる機会が最近とても多くなりました。先月の日本経済新聞は、「生乳の生産減少が止まらない。」と報じていました。

 

生乳生産量3年連続減 18年度0.1%減、都府県不振】日本経済新聞516

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44893150W9A510C1QM8000/

 

 北海道を除く全都府県で生産量が2%減少。全国生産量は3年連続の減少で、過去20年で最低水準を記録したそうです。生乳の需給はひっ迫しているので、生産者の廃業が続けば乳製品価格の上昇が懸念されるとか。

 

 一方、こんな農産物も引き合いは多いのに生産量が減少し続けているそうです。

 

ウズラの卵 高値続く 生産減止まらず 「味付け」が定着、給食需要も

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190611-00010002-agrinews-bus_all

 

 国産のウズラの卵は5年前に比べて卸値で2割高い水準に高止まり。生卵・ゆで卵のほかに、コンビニなどで売られている燻製や味付け卵などの加工品需要も強く、遠方の学校給食納入業者からの問い合わせもあるとのこと。しかし、生産者の高齢化に伴い、離農や規模縮小が進み、1件当りの飼養数も減少しているそうです。中国産で代替する業者もあるようですが、国産への要望は根強いとのこと。

 

 このほか、和紙作りに欠かせない増粘剤のトロロアオイも生産者が減少。この侭では日本の和紙作りに影響が出兼ねない状況だとか。

 

手すき和紙作りに不可欠 トロロアオイ 「もはや限界」 茨城県小美玉市】日本農業新聞49

https://www.agrinews.co.jp/p47316.html

手すき和紙業界に大打撃 トロロアオイ農家が生産中止へ】朝日新聞デジタル69

https://www.asahi.com/articles/ASM664G74M66UJHB00L.html

 

 茨城県は全国のトロロアオイ生産量の9割を占めているそうですが、担い手不足のため、注文の6割程度しか対応出来ていないとのこと。「倍額でも良いから欲しい。」という人もいるようですが、生産は殆ど手作業のため、機械化の進んだジャガイモやコマツナなどへと転作する生産者も少なくないそうです。

 

 来年を最後に生産を中止するのは茨城県小美玉市の5軒。しかし、この5軒で全国生産の7~8割を占めているそうです。以前、似たような話として、

 

 「漆掻きに使う漆掻き鉋(かんな)を作れる人がいなくなって、国産漆の生産が風前の灯」

 

 という話を耳にしたことがありますが、和紙生産も同じような状況だったのですね。嘗て和紙の生産が盛んだった地域では、伝統の復活に向けた取組みも始まっているようです。

 

 【和紙作り 和紙の粘剤、トロロアオイの種まき 来春、紙すき体験を予定 宇部・小野小 /山口】毎日新聞612

https://mainichi.jp/articles/20190612/ddl/k35/040/434000c

 

 山口県宇部市の小野地区では最盛期に12件の和紙製造業者がいたそうですが、1984年に全ていなくなり、伝統が途絶えた侭になっているとか。現在、地域住民で作る小野観光推進協議会が小中学校と連携して和紙作りに取り組んでいるそうで、6月12日付の毎日新聞は地元の小野小学校の児童がトロロアオイの種を播く写真を掲載していました。トロロアオイは10月頃に収穫し、別に育てているコウゾと混ぜて紙漉きも行う予定だとか。

 

 ところで、このトロロアオイ。花は食用になるそうで、富山県立山町在住の和紙職人の方がトロロアオイの花を《花オクラ》として市場に出荷しているそうです。

 

立山町在住の和紙職人が育てた花オクラ、初出荷 和紙の原料を余すことなく】富山経済新聞2017821

https://toyama.keizai.biz/headline/525/

 

 出荷を始めたのは2017年からで、自ら青果卸業者に相談。毎日300個程採取した花オクラは、ホテルや料亭などの和食店に提供されているそうです。花にもオクラと同じ粘りがあるとのこと。一日花なので生で食べるのは難しいそうですが、天麩羅や酢の物にも出来るそうです。