昨年度の合不合判定テストをあらためて見直してみました。

物語の選択肢がとても難しかったこともあって(正答率約3%というものもありました)、平均点は女子でも150点中71点くらいだったと思います。(男子は女子より4点くらい低い傾向があります。)


正答率の低い問題については「なぜ、低いのだろう」と分析してみるのですが、案外「語彙力」に起因すると思われるものがあります。

たとえば、主人公が「うしろめたい」心情であることは読み取れていても、その気持ちを

「 ア ねたましさ  イ やましさ  ウ うらめしさ  エ わずらわしさ 」

から選べない、というようなことです。

「やましさ」「やましい」という言葉を知らない子は、6年生でもざらにいます。

この問題の正答率は30%台でした。


もうひとつ例をあげてみましょう。

登場人物の「純粋でけがれのない心」が、何に表れているか書きぬきなさい、という問題。

答えは「開けっぴろげな笑み」ですが、この正答率も高くありませんでした。


「何」と聞かれているのだから、「人物」の行動・表情などから「名詞」で終わる部分を見つけ出せばいい、という解法がきちんと身についていないことも一因でしょう。


でも、それより何より「開けっぴろげ」という言葉を知らない子が多いのです。

「ひろけっぴろげ」と読む子も普通にいます。


大人にとっては何でもない言葉が子どもたちの頭の辞書には案外入っていないものです。


私も6年生のころは、そんなにたくさんの言葉を知らなかったように思います。


やはり、出会うごとに、ひとつひとつ身につけていくしかありません。


読書が王道ですが、テレビでも、アニメでも、案外バカにできません。


次女と一緒に『ドラゴンボールZ』を観ていたら、
ベジータが「ご託を並べる」と言ったり、
ピッコロが『いかんともしがたい』と言ったりしていたので、
すかさず次女にその意味を教えたこともありました。


テストの本文にはとんでもなくマイナーな難語が出てくる場合もあるので、必ずしもすべての言葉を制覇する必要はありません。

が、設問になっている語句、選択肢の言葉は、マスターしておいた方がいいでしょう。



参考までに5年生の教材です。

「言う」に関する言葉、という枠組みで作ってみました。(このほか、心情に関する言葉、「悲しい」に関する言葉、などいろいろなバージョンで作っています。)

$中学受験・ダメ母プロ講師のひとりごと


くれぐれも、これができないからといって、慌てないでください。

また、必死で覚えさせようとしないでください。


こういうような言葉を拾い上げて、話題にして自然な形でインプットできればいいのではないか、というひとつのたたき台です。


標準タイプの入試問題では、案外、語彙力で勝負が分かれてしまうものです。


受験生は、今からでも毎日5語ずつでも言葉を覚えていけば、入試までに600語以上増えることになります。


市販の語彙力問題集でもいいでしょう。


手間をかけずに、でもやれるだけのことはやって、本番を迎えてください…!!