先日やった書き取り100題よりも当然のことながら出来はよかったです。制限時間を10分としましたが、6分くらいで半数以上のお子さんが処理できていました。

書き取りの方で大苦戦したお子さんが気になっていたのですが、読みの方はとてもよくできていました。このお子さんは授業でも活発にいい発言をしてくれます。本をよく読み、会話の経験も豊かなので言葉をよく知っているのです。「書き取り」が苦手でも「読み」がよくできているお子さんは、語彙力という面ではさほど問題ないといえます。

一方、読み取りであまりに苦戦してるお子さんは、読書不足とともに、耳から言葉を入れる経験が充分でない可能性があります。というのは、よく出題される漢字については正確に解答できるのに、あまりテストで出されたことがないけれども日常よく使われる言葉が読めていない傾向があるからです。

たとえば「元来」を「げんらい」、「由緒」を「ゆうしょ」、「素行」を「すこう」、「気高さ」を「きだかさ」、「節穴」を「せっけつ」、「風下」を「ふうか」と読んでしまうお子さんがたくさんいます。

おどろいたのは「小泉首相」と出題したのに「しゅそう」と答えたお子さんがかなりいたことです。ニュースで耳に入っているはずだと思うのですが…。(ちなみに「そうり」と答えたお子さんも二人いました(>_<))

昔読んだ久米宏さんのエッセイに、「『思惑』をずっと『しわく』と読むとばかり思っていた」ということが書いてありましたが、読みのテストをしてみると、こういうかんちがいをチェックできます。

「書けるということは読める」ということですから、入試でも書き取りの出題の方が圧倒的に多く、塾のテストでも書き取りが中心になります。が、読みのテストをすることで、お子さんの言葉の力の意外な弱点や長所が見えてきたりするのです。