皆さんは「シジフォスの岩」をご存じでしょうか？
シジフォス（シーシュポスともいう）はギリシャ神話の登場人物です。
彼は神の怒りをかい、巨大な岩を山頂に押し上げるという刑罰を受けることに。
やっとの思いで山頂まで押し上げると、岩はまたふもとまで転がり落ちてしまう。
シジフォスは永遠に報われない苦行を繰り返す。という惨い話です。
実りのない労働、つまり徒労がどれだけ人間にとって苦痛であるか、
という話題でよく取り上げられる逸話です。
カミュがこの神話を題材に
「シーシュポスの神話」という哲学書を書いています。
この話の根本思想である“不条理の哲学”を理論的に展開追究したもの
と言われています。
さて、今日はなぜこんな話をしているかというと、
某SNSでまさに徒労を感じたからです。
グループの投稿で、差別発言を繰り返す参加者がいて、
最初は何人もの人が、批判をし、理論を以て非を悟らせようとしました。
しかしこの人物は、論点そらし、都合の悪いレスは無視、言葉尻を捉えて反論、
相手の気持ちを逆なでするような皮肉嫌味を乱発、
1人、また1人と嫌気がさして撤退していきました。
本人は、自分と討論していた相手の撤退を「自分が論破した」「言い負かした」と
鬼の首でも取ったように自慢していましたが、もちろんそうではありません。
「諦めた」「匙を投げた」「見捨てた」だけです。
私は、ある意味お人よしのオバカなので
最後まで相手をしましたが、
徒労感に苛まれてついに撤退を決めました。
徒労ほど人をむなしくさせるものはありませんから。
無駄な時間を費やしてしまいましたが、そのおかげで得たもの（分かり合える人たちと友人になりました）もあったので、良しとしましょうね。
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