皆さまの携帯もそうだと思うのですが、私の携帯の待ち受け画面の上のほうには
テロップでニュースが流れます。
今日、携帯を手にとって操作しようとしたとき、信じられない文字が目に入ってきました。
「地震は天罰」という文字です。
え?この状況下で、誰がそんなことを?
日本を目の仇にしているどこかの国の人?
テロップはすぐ流れてしまうため、確認のためにワード検索をしてみました。

すると・・・
発言の主は日本人。しかも「東京都知事」という要職にある石原慎太郎氏ということでした。
http://www.daily.co.jp/gossip/article/2011/03/15/0003867235.shtml
その後訂正されたようですが、一度口に出した言葉は消えませんね。

ここではあまり政治的なことは書きたくありません。
ある特定政党とつながっていると先入観をもたれたくないので。
しかし、この発言は聞き流していいものとは到底思えないのです。
今現在もふえつつある死者、行方不明者、けが人の方々。
家を奪われ、まだまだ寒い空の下、避難所で不自由な生活を送る人たちは数え切れません。
ご自身が被災された方はもちろん、東北地方に親戚や親しい友人知人をお持ちの方々が、
どれだけこの地震で物理的だけでなく精神的にも痛手を被っているか。
わずかでも想像力があれば、口にできる言葉ではありません。たとえ心の中で思ったとしても。

私は、実は穏健派ではありません。
どちらかといえば、リアル社会では過激な発言も多いほうです。
友人同士の会話、アルコールが入ったときなどは、かなり苛烈な発言もします。
特に、親による虐待も含め、子どもが被害者となった事件へのコメントなどは、
とてもこちらでは披露できないほどです。
ですから、今までの石原氏の「暴言」と世間で呼ばれていた発言の中でも、
同意するものもなかったわけではありません。

しかし・・・
今回の暴言は、あまりに時を、そしてご自身の立場を選ばな過ぎる、
不快な、というより悲しい発言でした。
私たちが個人レベルで、しかも一般論として
「最近の異常気象は、神様のお怒りかも~。ソドムとゴモラやバベルの塔じゃないけど、
 現代社会の人間は、天罰を受けても仕方ないよね」などと言うのとは訳が違います。
今、この時に具体的な災害で苦しんでいる人たちが目の前にいるのです。
その具体的な名称をあげて、「東京都知事として」の立場で発言することは、
どんなに罹災した方々を貶め、精神的に打ちのめすことになるのか、
あれだけ頭が良い方がどうしてわからないのでしょう?

私の住む街も、今日計画停電により電気が消えました。
しかも、すでに暗くなってからです。
私は現在1人暮らしですから、正直怖かったです。
でも、被災地の方々はもっともっと辛く怖い思いに耐えている。
そう思えば、痛みは分け合わなければならない、と思いました。
代わってあげることはできないから。
せめて心を少しでも波立たせるようなことはしたくない。
それが普通の人間の心理というものではないでしょうか?

人として、大人として、子どもたちに関わる立場の人間として、
石原氏の発言を心から残念に思うとともに、
人の傷口に塩を塗るような行為を恥ずべきものと思えるように
これからの社会を支える子どもたちを育てたいと思いました。

国語の先生のブログでした。
http://www.kokugonosensei.com/