ども。


今日は、地元に帰るとよく食べに行ってた中華料理屋の話を。


その店はランチが500円で食べられて、夜もサクっとカウンターで飲める、そんなお客さんに優しいお店でした。なによりすごく美味しいし。


そんなお店が、今月で閉店することになったと聞いたのは先週のこと。いつものように昼飯を食べに行ったら、大将が小さな声で


「今月で店閉めるんだ」


ってオレにボソっと。


「ええ!?」


と寝耳に水なオレに大将は


「ホントはこんなこと言いたくなかったんだけど、なかなかここ最近うまくいかなくてね。自営って難しくてさ。今までホントありがとね」


って。まさかの展開に、オレもけっこうショックを受けました。


大将の店に行くようになったのは、今から5.6年前。お互いに名前も知らないけれど、お店に行けばいつもなんだかんだとおしゃべりし、気づけば日替わりランチのリクエストにも応えてくれるようになっていました。そんなある日、やけに最近大将が元気なくて、大丈夫かなあってなんか気になったことがありました。今思えば、あのときのあの表情は、きっとこの閉店を意味していたんだと思います。



閉店という話を聞いた2日後、オレはひとりで飲みに行きました、大将のところに。これまで500円という破格なランチを提供してくれた大将の店で、これでもかというくらい飲み食いするぞ!と決めて。


大将は、オレがその日飲みに来たことをすごく喜んでくれました。お客さんは誰もいなかったから、ふたりでたわいもない話でバカ笑いしました。



終いには帰ろうとするオレに、もう1杯飲んでいきなよ!お金はいらないから!ってレモンサワーを1杯奢ってくれたりして。だからオレもとにかく感謝の気持ちを込めて、ひたすら飲み食いしました。


結局キャパ以上に飲み食いしたもんで、駅で吐いちゃったんですけどね。でも、なんかそれだけじゃまだ足りなくて、閉店3日前に、またランチを食べに行ったんです。


店内には、お客さんはオレのほかに常連のおばちゃんがふたり。大将は最後にみんなが来てくれて嬉しいなって、笑顔で鍋をふっていました。



と、そのときでした。


店内に流れてるラジオからZARDの負けないでが流れてきたんです。負けないで♬って。


店を構えて8年。これまで一生懸命中華鍋を振ってきた大将。きっと、こんな未来、想像してなかったはずです。みんなのために、美味しくて安い中華料理を作ってくれた大将。名前も年齢も知らない大将。でも、そんなもの知らなくたって、日に日に友達みたいに思えてきたりして。それはとっても不思議な関係で、そんなオレの想いとか、そういうのを全部ZARDが歌ってくれたりして。なんかね、その瞬間がオレにとってかけがえのない時間だなって、そう思ったんです。


そして、別れの時。


麻婆茄子定食をすべて食べ終えたオレは、大将に言いました。カウンター越しにけっこうでっかい声で。


「ご馳走さまでした!今まで美味しい料理を!ありがとうございましたあ!」


常連さんのおばちゃんも、ホンそうよね!うん、ホントそう!って言ってくれました。それは、オレから大将に送る感謝の、そして、負けないで!のエールで、大将もそれをわかってくれたのか、汗と一緒に目からこぼれるナニカをぬぐっているように見えました。


またどこかの中華料理屋で、大将の料理が食べられるその日を、オレは楽しみにしています。きっとまたどこかで会えるんだ!って気しかしないから。


大将!オレはあなたの味を忘れません。ありがとうございました!!