不動産会社の役割とは? | 不動産コンシェルジュ 志賀 裕一の『志ブログ』

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葛飾区亀有にある完全予約制の不動産会社"志不動産"の志賀 裕一です。
私は"人と不動産の縁をつなぎ、不動産業を最高のサービス業"とするために日々努力しております。
このブログでは不動産に関することや日々の出来事を書いております。

先日、とあるブログの読者の方から下記のようなメッセージをいただきました。

※一部、特定できないように修正してます。
賃貸物件に居住していると、一戸建てやマンションの購入チラシがたくさんポストに入ってくるのですが、「他社でローンを断られた方も当社にお任せください‼︎」という感じの文面が書いてあります。

例として、年収が低いとか、勤務先の勤続年数が短いとか、他にローンがあるとか、その他いくつかの例が書いてあります。私のような素人でも「そりゃ、ローン組むの無理でしょう。」と思う事例です。

大手都市銀行の審査はダメだったとしても、地元の信用金庫さんにも断られるような状況で、不動産業者を変更するだけでローン審査が通る(?)ってどういうことなのかな???と率直に思っています。

我が子のクラスメイトなどで、新築物件に入居して何年後かに同じ校区内の賃貸物件に引越しした家庭もあるようなので、やはりローン返済計画に無理があるケースもあるのではないかと思っています。

せっかく新築物件に入居しても、何年後かに賃貸物件へ引越しせざるを得なくなってしまうようなローン返済計画では、その家庭が気の毒です。

某不動産会社さん、休日前にワゴン車で近隣にやってきて、私服姿の数人の男性が堂々と電柱に広告を取り付けたり、三角コーナーを置いたり、違法なことも平気でやってますし…。私には売り逃げ業者のように見えます。

確かにこの読者の方がおっしゃられる通り、我々不動産業者はちょっと荒っぽい手段を使えば、住宅ローンの審査を無理やり通すテクニックが無いことはないですよ。

でも、それって金利が高かったりお客様の返済計画のどこかに無理が出てくるので、上記の事例のようにすぐにとは言わなくてもローン破綻する可能性が本当に高いんですよ。

だから、良識のある不動産業者は売り上げにならなくても、この人は買わない方が良いと思ったら残念ながらお断りするのです。

それに良識のある不動産会社は電柱に広告を勝手に貼ったり、通行人の迷惑になるような広告は確かにも目立つかもしれませんが、そもそも条例違反ですし、近隣の方に迷惑をかけるってどうなの?と思うからやらないのです。



以前、私のお客様でもこのような事例がありました。

とあるお客様に対し、

『返済計画に無理があるので今は購入を控えた方が良いですよ』

とアドバイスをさせていただいたところ、後日別の不動産会社を通じて新築戸建を購入していました。

すると、半年後にちょっとしたアクシデントがあり、元々無理な返済計画であったためにすぐに返済不能に陥り、一家が離散することになってしまいました。

その後の奥様の移転先のお手伝いすることになったのですが、

『あのときなんで志賀さんの言う通りにしなかったのか本当に悔しい』

とおっしゃられていました。

私としても無理に購入しようとするお客様をなぜ止めさせてあげることができなかったのかと今でも悔しくて思い出す事案です。




不動産会社の報酬って成約報酬なので、契約していただけないことには無報酬となってしまいます。

ですので、無理な購入の斡旋が横行してしまうのですが、これってなんとかならないのかなー?といつも思っています。

でも、現状ではその人がせっかく買った家を手放さなきゃいけなくなったとしても、また不動産会社の出番になるので不動産会社としてはその方がビジネスチャンスは増えます。

報酬体系の見直しも含めて、本当は業界をあげて何とかしなければいけない問題なんですけど難しいでしょうね。

やっぱり悲しいけれど、本当に信用できる不動産会社を見つけるか、自分自身が知恵をつけるかのどちらかしか自分の身を守る方法はないのかもしれません。