☆ツリーハウス(角田光代)☆

 

2013年4月10日

文芸春秋文庫

2010年10月

文芸春秋刊行

2008年10月4日~2009年9月26日

産経新聞

 

477ページ

 

内容(「BOOK」データベースより)

じいさんが死んだ夏のある日、孫の良嗣は、初めて家族のルーツに興味を持った。出入り自由の寄り合い所帯、親戚もいなければ、墓の在り処もわからない。一体うちってなんなんだ?この際、祖父母が出会ったという満州へ行ってみようか―。かくして、ばあさんとひきこもりの叔父さんを連れた珍道中が始まる。伊藤整文学賞受賞作品。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

角田/光代
1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。90年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞、96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、98年『ぼくはきみのおにいさん』で坪田譲治文学賞、『キッドナップ・ツアー』で99年産経児童出版文化賞フジテレビ賞、2000年路傍の石文学賞を受賞。03年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で直木賞、06年「ロック母」で川端康成文学賞、07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、11年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、12年『かなたの子』で泉鏡花文学賞、同年『紙の月』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
 
新聞連載物だからでしょう
抑揚がなく淡々とした長編です。
飽きませんでした。
壮大なドラマでした。
波乱万丈で刺激的でと言うのでなく
人の一生はやはり壮大だって感じます。
恩を受けた方
いつかお礼を伝えたい
と思っても会えないままの人もいる。
人生の局面で影響を受けた人と
二度と会えないこともある。
いろんな思いが未消化のまま
人は生涯を終えるものなんだと思う。
 

☆角田光代さん作品読書記録☆

 

2011年

 

八日目の蝉

人間は未熟です。
親になっても間違います。
感情に負けます。
でも子供が苦しめば心が千切れる思いを味わいます。
不器用でも親が本気で愛した日々は
子供の心の核に 生きている力として残っていることを
信じたい思いです。

 

 

2016年

 

 

ひそやかな花園

7人それぞれの背景や思いは、
社会の縮図のように感じます。
 

 

 

対岸の彼女

女性同士の人間関係、よくわかります。
ただわたしは、ずっと専業主婦なので、
子育てをしながら、何かから逃げるために、
そして何かを得るために、働き始めたり、
こんなはずではなかったという葛藤する気持ちなど、
経験がないので共感は出来ませんでした。

 

 

かなたの子

過去に縛られること、深かった。
子供がらみの作品は、切なかった。

 


2017年

 

 

森に眠る魚

わたしにとっては、
子育て=ママ友とのしがらみ
という実感もあって、
もうあの時代には戻りたくないという気持ちがあって、
息苦しい思いをしながら読んだ一冊でした。
 

 

 

庭の桜、隣の犬

何でもない日常を、
かけがえのないものとして大切に感じるか、
意味を見いだせずむなしく過ごすか、
その違いは何なんだろう・・?
こんなにむなしく思うことはないのにな・・・
と思いつつ、読んでいました。
 
 
 

笹の舟で海をわたる

少女時代から60代までの、
長きにわたる人生の物語。
とても読みごたえがあって、共感する部分がたくさんで、
夢中で読みました。
やり返したり、理不尽にいじめていた記憶も、
かすかに残ってて、
この年齢になってから、
あの当時のあの子たちの心に傷は残っていないのか?
とか
わたしのことがどう記憶に残っているんだろう?
とかが気になって、
今さらですが申し訳ない気持ちになることもあります。

やったほうは忘れて、のうのうとしあわせに生き、

やられたほうは傷を引きずっていることって、
たくさんあるんだと思います。
子育てにおいても、
精一杯愛した記憶だけが親の心に残り、
そうではない部分が子供の心に残っている。
それも思い当たることがたくさんだし、
わたしの子供の心には何が残っているのか?
とても不安になることもあります。
この長い作品に読みふけりながら、
自分の人生の、
いろんなこといろんな場面を思い返しました。
そしてなんとなくわたしの心が救われるのは、
人生ってこんなもんなんだろう・・・・
って気持ちになれたことかなと思います。

 


2019年

 

坂の途中の家

わかるわかる・・と

つぶやきが出てしまうくらい

心理がわかる感じでした。

子育て中に何度も味わった感情でした。

ただ半分ほど読んだところで

この同じようなペースが延々と

いつまで続くの・・・?

と、飽きたというのではないけど、

終わりが見えない焦りのようなものがでて、

あぁこの作品も連載物か・・・と気づき

ありがちなことだと納得しました。

母親や姑とのすれ違いやトラウマ、

夫と気持ちがかみ合わないいらだち。

ほんとにわかりすぎるほどわかる感じで、

読むのを辞められませんでした。

些細なことの積み重ねで、

疑心暗鬼になったり、

妄想に苦しんだりで、

大きな亀裂へと進んでいく物語。