那智の滝

いつも楽しみに読んでいる
ブログに
愛犬との思い出が綴られていて

愛犬と暮らしたことのない私には
推しはかれない悲しみが心痛いです

わが家の最初で最後の愛犬のことを
思い出すと

思い出す
といっても
本当は私には思い出はないのだ

２歳頃に別れたのだと思う

だから私の思い出は
父と母と兄の思い出の
追体験

今日まで考えたことがなかったが
それは
両親と兄が
折りにふれて語っていたからだ

子犬でもらわれてきて

あんまり鳴くので
毎晩、父が抱いて寝ていたこと

それで オネショもされたこと

ケンカが弱いのに
兄と一緒だと大きい犬にも
吠えたこと

兄の帰る時間にはソワソワしてたこと

引っ越し先に連れて行けず
お友達がもらってくれたけど
別れた次の朝
黙って旅立ったこと

引っ越し先で母は寝ついてしまい

兄と私も寝込んだ

引っ越し疲れで風邪をこじらせた
と聞いていたが

母は一人で黙って逝かせてしまった

愛犬のことが
こたえたのかもしれない

母が何日も寝込んだなんて
あの時だけだ

母の強いお達しで
犬が飼える家に引っ越しても
２代目の愛犬は来なかった

なち
なち
って呼ばれてた

大きくなってから
那智の滝の「那智」
と知った

そっか

那智も

お父さんと

お母さんと

お兄ちゃんと

再会したんだ

あ～あ

また 私 抜きじゃん

小学校から帰る

お兄ちゃんを

待ってたみたいに

天国の入り口でも

お兄ちゃんのこと

待っててくれたね

きっと

気づかないでごめんね

お迎え

ありがとう