10月4日は東海リーグ天王山 | ここからJリーグ

10月4日は東海リーグ天王山

今年も終盤

 清原の現役最後の舞台が各新聞で大きく取り上げられている。「最後は清原らしい豪快なスイングで三振」とかかれ、ものは言いようだというのがよくわかる。パリーグがいよいよ閉幕する。Jリーグは混戦のおかげでまだまだ終わりが見えそうにないが、雲ひとつない青空に暑さを感じることはなくなり、いよいよ2008年も終盤に差し掛かっている。

サッカー王国静岡

 年末年始といえばサッカーファンなら誰でも天皇杯や高校サッカーといった大会を思い出すことだろう。今春の高校サッカーの勝者は流通経済大学付属柏高等学校だ。圧倒的な力を見せ付けて優勝を果たしたインパクトは大きい。準決勝からそのインパクトを拝見させてもらったのだが、実は決勝戦ではそれ以外で大きな印象を植え付けられた。それは対戦相手である藤枝東のファンと言うべきか。絶対的に近いはずの千葉県民を差し置いて大挙して押し寄せた静岡県民である。

 話が変わるが、FC岐阜が発足したきっかけのひとつに何年前かの高校サッカーがあるのはあまり知られていない。決勝の顔合わせは国見高校と岐阜工業高校だ。今のCF岐阜のエースである片桐が活躍した大会である。その決勝戦にどこからともなく押し寄せた岐阜県民を見て、岐阜県へのサッカークラブの必要性を感じたという。恥ずかしながら、この話をどこで得たのかは忘れてしまったが、この決勝の舞台というのは県民性をよくあらわすひとつのステータスなのかもしれない。だからFC岐阜の集客の悪さを悲観するのはまだ早い、というのは別の話だ。

 静岡といえば言わずと知れたサッカー王国である。多くのプロサッカー選手を輩出し、今もなおその名前を譲ることはない。だから藤枝東の応援に多くの静岡県民が足を運んだのは納得がいく。逆に、その人の多さに静岡がサッカー王国と言われる理由のひとつを知った。そしてその静岡には不屈の強豪である清水エスパルスとかつて一時代を築いたジュビロ磐田、アマチュア界最強のHonda.F.Cがある。拡大すればアビスパ福岡も元は藤枝ブルックスという静岡のチームだ。そして今回の話題は東海リーグの雄といえば聞こえはいいだろうか、静岡FCである。

矢崎バレンテvs静岡FC

 静岡FCは2001年のチームが発足から長らく東海一部から抜け出せない。悪い意味で地域決勝リーグ常連となってしまっている。FC岐阜が東海一部リーグに参入したときはこの2クラブで切磋琢磨していくのだろうと思いきや、岐阜にはあっさり昇格されてしまい悔しい思いをしているのではないだろうか。そして今年も地域決勝リーグへの切符を手中に収めようとしている。運命の戦いである10月4日の対戦相手は同じ静岡県を本拠地に置く2位の矢崎バレンテだ。矢崎バレンテとは勝ち点が2ポイント離れているため、引き分け以上で優勝となる。

 矢崎バレンテについて補足説明を。今回はJリーグを目指すクラブということで静岡FCに焦点を当てるが、矢崎も言わずと知れた強者だ。近年は常に静岡FCの影に隠れているが、昨年の全国社会人サッカー選手権大会では準優勝を果たし台風の目となって注目を浴びるだけでなく、今年はスルガカップで優勝し天皇杯の出場権を得る一歩手前まで進むなど実力はアマチュア界でも引けをとらない強さを誇っている。

 サッカー王国である静岡にありながら『静岡』を名乗る静岡FCが今年はどこまで駒を進めることができるのか。それと、静岡の人々がその様子をどのように見ているのか。4日は数時間の短い滞在時間となるが、初観戦ながら注目して見てきたい。