5月11日にとりくまれた内閣人事局前要求行動での国公労連・香月直之特別中央執行委員の訴えを紹介します。
行動参加の皆さん、霞が関で勤務されている皆さん、お疲れさまです。国公労連の香月です。私からは2つの点について話します。
1点目は、内閣人事局と人事院の若手職員のみなさんがまとめた職場改善の提言「カラフルな公務を目指して」です、4月28日に発表されたもので、とても興味深く読ませていただきました。
この提言では、やむなく公務員を中途でやめられた職員、離職された方の意見の聴き取りがされているので、少し紹介してみます。
まず、もっと社会、国民に貢献したい、やりがいを感じたいと思って働いていたんだけど、霞が関ではそれがなかなか実感できない。長時間労働で母体への危機、家族ともどもボロボロ、心身の健康を犠牲にしている、人が倒れても補充はない、自分が引き受けなければ誰かが犠牲になる、女性職員は男性職員のように職場の床では寝られない、がんばっても報われない、長時間労働と給与は全く割に合わない…こんな声がいっぱい取り上げられています。離職者の生の声です。
これを受けて、若手職員による提言では「ブラックとは言わせない」として、その対策として、業務量に見合った適切な人員の配置が必要だと強く訴えています。長時間の残業を前提とした人員配置ではなくて、平常業務は残業なしで帰れるゆとりある定数配置が必要だと言っています。
政府のみなさん、若手職員の声を聴きたいと要請して、まとめてもらった提言です。国民の役に立ちたい、社会に貢献したい、という国家公務員の初心が活かせるような人員配置をぜひ実現すべきです。そして、霞が関で働く国家公務員のみなさん、ぜひ労働組合に加入して、私たちと一緒にみなさんの真摯な想いを実現させようではありませんか。
2点目は、来月6月末に支給される国家公務員のボーナスのことです。
昨年の人事院勧告を受けて、これまでであれば去年12月のボーナスで減らすはずだった金額を、経済に悪影響を与えるからと、政府の一方的な判断で先送りしておきながら、今年の4月6日の国会でドタバタと給与法を改正し、6月に支給されるボーナスで調整するというものです。私たちの働いた対価である給与、ボーナスを増やすならまだしも、減額しようとするのに、このいい加減さ、無責任さ、はなんですか。いまこの瞬間も国民のために職場で汗水流して働いている職員はとうてい納得できません。全国で働くすべての国家公務員を代表して強く抗議します。
そもそも、人事院が民間のボーナスを調査したのは一昨年の8月から去年の7月です。去年の調査結果をもとに今年のボーナスを減らすというのは、国家公務員の給与決定の原則からしてもどだい無理筋の話ですが、去年、いろいろ忙しくてボーナス減らさなかったから、その分を今年の夏のボーナスで調整しておくね、こんな民間経営者がいたら大騒ぎになります。映画の「男はつらいよ」に出てくるタコ社長だってそんなことはしません。じゃあ、私たちの使用者である政府はタコ社長以下か、ってことになるじゃありませんか。
さらに、さらにですよ、この理不尽な減額措置を非常勤職員や再任用職員にまで適用すると言ってるんですね。むちゃくちゃじゃないですか。非常勤職員の任期は長くても1年です。これまで政府は、非常勤職員は1年ごとの任期を何回繰り返し更新しても既得権は発生しない、期待権は発生しないと言い続けてきましたよね。だからこれまでどれだけの非常勤職員が問答無用に雇い止めされ使い捨てにされ、涙を流して職場を去っていったか、私たちは知っています。それなのに今度は去年のボーナスを減らしてなかったので、今年のボーナスでチャラにしますって、どれだけ上から目線なんですか、ご都合主義なんですか。こんなことをやるぐらいだったら、国は1日も早く、民間と同じように非常勤職員を無期雇用化できる制度を取り入れるべきではありませんか。
さらに、再任用職員はもっとひどいですね。身分手続き上は、いったん雇用関係が切れ、退職手当も支給され、基本給も大きく減っているにも関わらず、在職中のボーナス分を退職後の再任用のボーナスで調整するって、誰がどう考えてもおかしな理屈じゃありませんか。給料の計算間違いとかだったらわかります。その当時は関係法令にのっとって、正当に支払われた給料を、退職後に、辞めたあとに給与法を変えられた、払いすぎていたから返せ、ってことですよね。で、再任用しなかった職員からは返還させない、と言うのだから、もう無茶苦茶です。それなら再任用職員の基本給を下げるな、そして退職前の年休を引き継げ、という私たちの要求を直ちに受け入れるのがまっとうな筋というものではありませんか。
とにかく、こんないい加減で理不尽な運用がまかり通るのは、憲法で保障されている労働基本権、この労働基本権が公務員から奪われているからです。1日も早く労働者として最低限の権利である労働基本権をがっちり取り戻し、働きがいのある職場、笑顔で働きつづけられる職場づくりのために力を合わせていこうではありませんか。国公労連本部もその運動の先頭にったって頑張る、その決意を表明して私からの発言を終わらせていただきます。