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2018-05-03 20:29:22

敗戦直前の日本は国の財政の85%を軍事費に投入=憲法9条改悪は私たちの暮らしを掘り崩すということ

テーマ:憲法9条・平和の問題

 

 憲法施行71周年のきょう(5月3日)、東京では「9条改憲NO!平和といのちと人権を!5・3憲法集会」が有明防災公園で開催され6万人が参加しました。メインスピーカーの竹信三恵子さん(ジャーナリスト、和光大学教授)の発言要旨を紹介します。(※文責=井上伸

 どうしてこんなにひどい安倍政権に3割もの支持がいまだにあるのでしょうか?

 いろいろな問題がたくさんあると思います。その中で憲法9条の問題について、私たちはもっと幅広く言葉を獲得しなければいけないという課題があると思うのです。

 憲法9条にあまり関心がない人の頭の中には、憲法9条と言えば戦争のことだけしかインプットされていません。でも憲法9条というのは、本当はものすごく幅広い裾野を持っているのです。

 それは戦争をしていたときの日本社会をきちんと見ればよくわかります。過去、日本は戦争をするたびにものすごい軍事費を使いまくっていました。統計を調べてきました。日清戦争のときに日本は国の財政の69.4%を軍事費に使いました。それから日露戦争のときは81.9%、さらに日中戦争後は7割代を軍事費に使って、敗戦直前の1944年は85.3%でした。戦争する日本は、国の財政の85.4%を戦争のために使っていたのです。

 これに歯止めをかけられないで、どうやって国のお金を私たちの暮らしや社会保障や生活の安定、貧困解決に使えるのでしょうか?

 戦争が終わったときの憲法9条には、これを大転換させるという意味があったはずです。だから70年も9条を変えなかったわけです。その転換に賛同してきたからです。憲法9条は軍事費増大への歯止めであり、天井であり、キャップをはめているわけです。

 この憲法9条の軍事費増大への歯止めの上に、生存権を守る憲法25条や、女性の家庭内の平等を保つ憲法24条があり、また私たちには働く権利があるのだから国はそれを保障せよとする勤労権保障の憲法27条、そしてそれを使って労働組合をつくって私たちの働く条件を良くするために労働三権を使うという憲法28条があります。私たちのいろいろな権利を守るためには、戦争をしてはいけないということです。

 もし、なんらかの方法で9条の枠をはずしたとします。いま盛んにそれをやろうと安倍政権は言っています。もし憲法9条の枠をはずして野放図に軍事費が増えていってしまったら社会保障をきちんとできますか? 軍事費の増大に歯止めをかけていた9条の枠がはずれるということは、そういう状況になるということです。このことを改憲問題を論じるときや、とくに改憲は問題ないと言っている人たちはどれくらいそのことを意識しているでしょうか?

 「いま介護や保育を充実させることの方がずっと大事なのに、憲法9条とか戦争とかそんな話をしている場合じゃないでしょ」とか、「憲法9条が変わっても私は関係ないです」と言う人もたまにいます。しかし、そう言う人にも関係があるのです。私たちがまともな育児支援やまともな介護支援、貧困対策、そして非正規労働者が4割近くまで増えてしまっている状況で、まともな生活を保障する国の義務ということを守るならば、軍事費にお金を使っちゃいけないんだという憲法9条のキャップを守らなければできないのです。そのことを関係ないと思っている人たちにも私たちはもっとわかってもらわなければいけません。

 いまのようなモリカケ問題を起こす政府において、憲法9条の歯止めをはずしたら、また7割、8割が軍事費に使われる時代が来ないとも限らないということをもう一度思い出す必要があると思います。

 「平和ボケ」と揶揄する言葉があります。私たちはそこそこのお金を民生に使うんだと規定した憲法に守られていて、もうその有難味がわからなくなっています。よくこうした憲法集会などに高齢者の人ばかりが来ていると言われますがそれは当たり前です。高齢者は単に戦争がダメだということだけではなくて、戦争が行われたいた時代、戦争が行われる社会では社会保障はほとんどかえりみられなかったし、女性は社会保障がない分を必死になって家族につくせと言われていたわけです。そのことを高齢者は体感しているのです。だから憲法9条というと言葉にしないけれど無意識のうちに自分たちが体験した暮らし、かつての困った状態、怖い状態が連想されていくわけですね。だからこうした憲法集会に高齢者は来るのです。

 若い人はそれに関心がないではありません。戦争についてのそうした実相が断ち切られてしまっていて、戦争する国になったら奨学金やいろいろなものが全部ダメになる社会になってしまうということが若者に理解されていないだけなのです。だから、私たちはそういう論理構成を持って、そういう言葉も獲得して、じつは戦争しない国というのは、奨学金もきちんとある、学費も安い、まともに教育が受けられる、若者の貧困がない、こういうことのために税金を使える国になるということなんだ。女性について言えば、子育て支援にきちんとお金が回ってくる、いまみたいに待機児童ばかりで大変な社会じゃないことができる国になる。そういうふうに発言していく必要があるということをみなさんとぜひ共有できればと思います。

 こういうことがこれまできちんと共有されて来なかったと思います。私たちは2つの岐路に立っています。国威発揚で誰か一部の人がいい気分になるための国に転換させるのか? それとも原則として国民のためにお金を使うきちんとした社会状況を守るのか? その岐路に立っているわけです。

 ですから今のまま憲法9条を守り切ることができれば、私たちはこれまで憲法9条の枠をはずそうとする人たちにじわじわと掘り崩されてきたいろいろな私たちの権利を、もう一回確認し取り戻すことができるのではないでしょうか?

 もっと実態にあった改憲をしたいという人がいますが、いまそんなことを言っている場合ではありません。いまの争点は、国威発揚のための改憲で国民が貧困に陥り格差が広がるか? それとも国民の生活を守る道か? それがいまの改憲の争点だということをもう一度ここでみなさんと共有したいと思います。頑張りましょう。

2018-05-01 06:00:00

フランスの2倍以上働く日本の男性労働者、 #メーデー 130年来の8時間労働制をも葬り去る高プロ

テーマ:働くルールづくり

 きょう5月1日は労働者の日“メーデー”です。メーデーは労働時間を8時間に短縮するとともに賃金を据え置く、つまり労働時間短縮による実質的な賃上げを求める運動を毎年5月1日に全米で行うことを1884年に決めたのが始まりです。1日12時間から14時間労働が当たり前だった当時、「第1の8時間は仕事のために、第2の8時間は休息のために、そして残りの8時間は俺たちの好きなことのために」を目標にメーデーは行われたのです。

 こうした労働者のたたかいによって、たとえばドイツでは、1日10時間を超えて働くことは法律で禁止されています。また6カ月間の平均で1日8時間を超えて働くことが法律で禁止されています。年間30日の有給休暇を100%消化し、祝日と土日を加えると、1年の4割、約150日は大半の労働者が休んでいます。その上、ドイツの経済は好調で、労働者1人当たりの労働生産性は日本を5割近く上回っているのです。

 ところが、日本では平均の有給休暇支給日数20日に対して消化日数は10日で、消化率は50%と世界最下位です。そして、日本は▼下のグラフにあるように労働時間が増えています。

 



 国際比較すると、▼下のグラフにあるように、週49時間以上の長時間労働者の割合が日本は突出して多くなっています。

 



 ▼下のグラフはOECDデータによる、年間で休日を含む1日平均の男性の労働時間の国際比較です。日本の男性の労働時間はフランスの2倍以上になっています。(※日本は男女トータルの平均労働時間で世界一長くなっています)

 


 ▼下のグラフは同OECDデータによる男性の家事労働時間です。日本の男性の家事労働時間は世界一短く、フランスの7分の1、OECD28カ国平均の5分の1です。

 



 ▼下のグラフは同OECDデータによる労働者の睡眠時間です。日本はOECD28カ国平均より1時間以上も睡眠時間が短くなっています。

 



 労働時間が最も長く、睡眠時間は最も短いので必然と言えるでしょうが、▼下のグラフにあるように、日本では過労死が増え続けています。安倍政権は8時間労働を葬り去り残業代ゼロ・過労死促進となる高プロを含む「働き方改革一括法案」の審議を強行しましたが、これ以上、過労死を増やす「働き方改革一括法案」を強行することは許されません。(※参照→佐々木亮弁護士・ブラック企業被害対策弁護団代表「高プロ制度は地獄の入り口 ~ High-pro systm is the gate to hell~」

 



 次に賃金を見てみましょう。

 ▼下のグラフにあるように、安倍政権で賃金は16万円も減っています。一方、大企業の内部留保は過去最高を更新し続けています。

 



 ▼下のグラフにあるように、大企業の役員報酬額は1.8倍も増加しています。

 



 ところが、▼下のグラフにあるように、大企業の労働者の賃金も労働分配率も低下しているのです。

 



 そして、▼下のグラフにあるように、安倍政権下で非正規労働者数・率とも過去最高となり、ワーキングプアは史上最多となっています。

 



 ▼実質賃金も▼家計消費も安倍政権下で最低になっています。

 

 



 また、安倍政権下で▼日本のジェンダーギャップ指数は過去最低となり、▼日本の女性の所得は男性の半分しかありません。

 



 上記で紹介した数字が積み重なった結果、▼安倍政権の5年間で、貯蓄ゼロ世帯数は401.2万世帯も増加し(割合のポイントは7.4ポイントも増加)、逆に富裕層上位40人の資産は2倍と倍増しています。そして、日本において富裕層上位40人の資産が半分の世帯(2,607万世帯)の資産と同じになってしまっているのです。


 そして、▼下のグラフにあるように、安倍政権5年の激増ベスト3は富裕層資産・大企業役員報酬・自民党への献金、労働者には非正規化・賃下げ・貧困・過労死、自民党が選挙に勝って得するのは富裕層と大企業役員だけです。

 



(井上伸)
 

2018-04-20 14:03:29

麻生財務相「5年前より悪いのは運ない」→賃金も消費も最低、富裕層40人が全世帯の資産の半分を独占

テーマ:経済・財政・税制の問題

 麻生太郎財務大臣が「5年前より今の方が悪いという人は、よほど運がなかった」、「ほとんどの(経済統計の)数字は上がってますから」と発言(4月17日、吉田博美参院幹事長のパーティーのあいさつで発言)しています。本当でしょうか? 政府統計等で検証してみましょう。

 厚生労働省の「毎月勤労統計調査」の実質賃金の直近データでグラフを作ると以下になります。

 



 上記を見れば一目瞭然、厚労省データでさかのぼれる実質賃金で過去最低です。(※関連→「安倍政権の4年間で労働者の賃金は54万円消えた――過去最低の実質賃金と過去最高の内部留保を生んだアベノミクス」)

 総務省の「家計調査」の家計消費指数の直近データでグラフを作ると以下になります。



 実質賃金が過去最低になっているので当たり前ですが、家計消費も上記にあるようにデータでさかのぼれる36年間で最低にしたのが安倍政権です。(※関連→「史上最悪の消費不況もたらした安倍政権=リーマンショック超えた家計消費支出15カ月連続減、35年間で最低の消費支出となった2016年」)

 それから、「フォーブス」誌のデータ金融広報中央委員会厚労省データから作ったグラフが以下です。

 



 安倍政権の5年間で、貯蓄ゼロ世帯数は401.2万世帯も増加し(割合のポイントは7.4ポイントも増加)、逆に富裕層上位40人の資産は2倍と倍増しています。そして、日本において富裕層上位40人の資産が半分の世帯(2,607万世帯)の資産と同じになってしまっているのです。

 下のグラフにあるように、安倍政権5年の激増ベスト3は富裕層資産・大企業役員報酬・自民党への献金、労働者には非正規化・賃下げ・貧困・過労死、自民党が選挙に勝って得するのは富裕層と大企業役員だけです。(※このグラフは私が作成したものですが、2017年10月時点の直近データによるものなので一部のデータはすでに古くなっています。今度、時間が取れたときに更新作業をしたいと思っています)

 



 統計データがこんなありさまですから、はるさんが指摘されているように、世論調査からは景気の回復を実感していない層が圧倒的多数であることが以前から明らかです。

 麻生太郎財務大臣の「5年前より今の方が悪いという人は、よほど運がなかった」、「ほとんどの(経済統計の)数字は上がってますから」は大ウソで、「5年前より今の方が良いという人は、自民党が選挙に勝って得した富裕層と大企業役員だけ」というのが「ほとんどの(経済統計の)数字が示す事実ですから」。

(井上伸)

2018-04-19 12:45:39

本省庁の女性職員4人に1人がセクハラ被害、“最強官庁”財務省がセクハラ二次被害を拡散し続ける異常

テーマ:霞が関・公務関連情報

 国家公務員は憲法第99条において「憲法を尊重し擁護する義務を負う」と明記されています。国家公務員は国民の基本的人権を守るのが仕事なのに、「官庁の中の官庁」「最強官庁」であり、国民の基本的人権を守るための徴税と再分配機能の要となる財務省の事務方トップである福田淳一事務次官が、人権侵害であるセクハラを恒常的に行っていたことが明らかになり辞任を表明するにいたりました。

 しかし、福田氏はテレビ朝日による会見(テレ朝の女性記者がセクハラ会話を録音したデータを新潮社に提供していたことを明らかにした会見)を経ても、「録音は相手が話しているところをとっていないので、全体を見てほしいというのは前から申し上げている。全体を見てもらえればセクハラに該当しないというのはわかるはずです」、(「セクハラで辞任するのではないのか」という質問に対して)「違います。こういう状況になっていて仕事にならないので辞めます」となんら反省がないどころか逆ギレしたままです。財務省も公式サイトに人権侵害の二次被害(セカンドハラスメント)となる「調査」を継続しています。セクハラ告発の女性に名乗り出ることを求める調査方法を撤回しないということは、日本の「官庁の中の官庁」「最強官庁」と事務方トップがこの期に及んでもセクハラを人権侵害と認識し反省しないばかりか継続して人権侵害となる二次被害を拡散していることは異常としか言いようがありません。

 福田氏は、マスコミからセクハラに対する認識が甘いのではないかと指摘されて、「(自身がコメントで発表した)『言葉遊び(を楽しむことはある)』のところがご批判を受けている。なるほど、今の時代ならそんな感じなのかなと思いました」と語ったとのことですが、これが「官庁の中の官庁」「最強官庁」の事務方トップの発言なのかと驚愕しました。こんな官庁のセクハラ実態はどうなっているのか誰もが気になるところだろうと思います。官庁で働く国家公務員で組織する国公労連はじつはちょうどこれから新しいセクハラ・パワハラ実態調査を始めるところなのですが、前回の実態調査結果がありますので紹介しておきます。

 国家公務員の職場でのハラスメントの実態を明らかにし、政府・人事院に対する施策の強化等を求める根拠として活用することを目的に、2011年2月下旬から3月にかけて「セクハラ・パワハラ実態調査」を実施しました。

 職場の実態を把握するため、正規職員だけでなく非常勤職員や派遣職員など官庁で働く労働者を対象に、全体で2.075人から回答を集約しました。その内訳は以下になります。



 2,075人中、セクハラを受けたことがある職員は188人9.1%でしたが、女性に限ると19.5%がセクハラを受けています。また、本省庁の女性に限ると23%がセクハラを受けており、およそ4人に1人弱がセクハラを受けたことがあるという実態がわかっています。本省庁職場は、「時給500円で働く霞が関の国家公務員、ノンキャリをうつ病に追い込むキャリア官僚「クラッシャー」の跋扈、窓から飛び降りた方が楽と思わせる不眠不休の霞が関不夜城」と呼ばれ、長時間労働が酷いわけですが、同時に女性へのセクハラも酷い状況になっているわけです。

 モリカケ問題、公文書改ざん、虚偽答弁、ノンキャリ職員の自殺昭恵氏による下僕化、そして今回の事務方トップによるセクハラと二次被害という人権侵害の拡散。続発する問題の中で、国家公務員のあり方、行政のあり方が根本から問われ、現場の国家公務員へのしわ寄せによる長時間労働が蔓延するなか、一連の問題の改善を訴え国公労連は5月9日に霞が関総行動を実施する予定です。

(井上伸)

2018-04-18 17:07:47

セクハラ加害者・福田事務次官と一体になってセカンドハラスメントを行う財務省・麻生財務大臣

テーマ:霞が関・公務関連情報

 セクハラ被害者がその事実を訴えることで、逆に二次被害を受けることをセカンドハラスメント(セカハラ)と言いますが、今回の福田淳一財務事務次官と財務省、麻生太郎財務大臣の対応はセカンドハラスメントに当たると思います。

 前の記事「「お店の女性」や「仲間内」ならセクハラOKとする福田財務事務次官・麻生財務大臣・安倍首相」に続き、今回は財務省によるセクハラ被害者に名乗り出ることを求める調査がセカンドハラスメントになるという問題についてです。

 いま財務省の調査について批判が巻き起こっていることは東京新聞のツイートでよく分かります。

▼東京新聞のツイート
https://twitter.com/tokyoseijibu/status/986393509161660416



 マスコミ報道によると、麻生太郎財務大臣は4月17日、財務省の顧問弁護士が調査するのは公平ではないという指摘に対して、「女性が名乗り出やすいように第三者である女性の弁護士も入れて対応する」と述べ、調査の進め方に問題はないという認識を示したとのことです。

 麻生財務大臣は「第三者である女性の弁護士」だから名乗り出やすいなどと言っていますが、「財務省の顧問弁護士」は、財務省(麻生財務大臣)の省益を最大限にするのが仕事であって、財務省職員のセクハラ問題を公平・公正に扱うことが仕事ではありません。弁護士には守秘義務があるではないか、という方がいますが、財務省の顧問弁護士が守秘義務を負うのは依頼者の財務省(麻生財務大臣)になりますから、名乗ってきた女性記者に対して守秘義務が生じることにはなりません。

 加えて、財務省の省益を守るための仕事をしている顧問弁護士に女性記者が名乗り出なければ、福田事務次官のセクハラはそもそもなかったことになると麻生財務大臣は言っているわけです。


 財務省を民間企業に置き換えてみるとこうなります。平気で決算書なども改ざんし、それによって社員に自殺も強いるブラック企業の専務(福田事務次官)が下請企業からセクハラを告発され音声データも公表されたのに、社長(麻生財務大臣)が「専務は下請企業を名誉毀損として提訴準備中だが、わが社の顧問弁護士には女性もいるからセクハラ被害者は名乗り出ろ。名乗り出ないなら専務によるセクハラはそもそもなかったことになる」と豪語していることになります。(※森友公文書改ざんとノンキャリ職員の自殺まで引き起こした財務省をブラック企業に置き換えることに異論がある方はあまりいないと思いますが、マスコミをその下請企業とまでしてしまうのはやり過ぎですね。ここでは分かりやすさを優先したということでご了承を)

 これが、セクハラ被害者への恫喝、セカンドハラスメントでなくて何と言うのでしょうか? また、マスコミに対する恫喝でなくて何と言うのでしょうか? 少なくとも財務省は、セクハラ被害者に対して、セクハラ被害者側の弁護士を通じて匿名でいいので福田事務次官のセクハラ問題の検証に協力して欲しいとするべきだと思います。(※ぜひご協力ください→ネット署名「財務省は、セクハラ告発の女性に名乗り出ることを求める調査方法を撤回してください!!」

(井上伸)

2018-04-17 01:20:49

「お店の女性」や「仲間内」ならセクハラOKとする福田財務事務次官・麻生財務大臣・安倍首相

テーマ:霞が関・公務関連情報

 福田淳一財務事務次官がこのまま財務省という行政の根幹の事務方トップを担い続けることは、さらに行政を歪めて日本をセクハラ容認社会、構造的な女性差別社会へと一層陥れるものになると思います。いま事務次官の人事は内閣人事局が掌握しているので福田事務次官の人事は麻生財務大臣だけでなく安倍首相自身にも直接責任がある問題でもあります。

 まず、時系列を見てみましょう。

 ◆4月11日 デイリー新潮が「女性記者に「胸触っていい?」「浮気しよう」 財務省トップがセクハラ発言」記事を掲載

 ◆4月12日 麻生太郎財務大臣は福田財務事務次官に対し「財務省が置かれている状況を考え緊張感を持って対応するよう訓戒を述べた」。福田氏から記事に関する報告を受け「訓戒で十分だと思っている」と強調。追加の調査や処分はしない考えを示した。福田氏は「(セクハラと指摘された)やりとりは定かではないが、誤解を受けることのないよう気をつけたい」と謝罪したという。(共同通信)

 ◆4月13日 デイリー新潮が「「財務省トップ」福田淳一事務次官のセクハラ音源公開!
  ※この音源の中で新潮の記者に対して、福田事務次官は「そんなこと言ってないよ、失礼な」と激怒。

 ◆4月16日 福田事務次官、セクハラ否定「事実と相違、提訴準備」
 「女性記者に対して、その相手が不快に感じるようなセクシャル・ハラスメントに該当する発言をしたという認識はない」とのコメントを発表。(ロイター)
 財務省が公式サイトに「福田事務次官に関する報道に係る調査について」をアップ

 財務省サイトにアップされた「調査」の「福田事務次官からの聴取結果」には、「お恥ずかしい話だが、業務時間終了後、時には女性が接客をしているお店に行き、お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある。また、仲間内の会話で、相手から話題を振られたりすれば、そのような反応をするかもしれない。しかしながら、女性記者に対して、その相手が不快に感じるようなセクシャル・ハラスメントに該当する発言をしたという認識はない。」などと書かれています。

 以上が時系列ですが、4月12日の時点で、麻生財務大臣は福田事務次官に「訓戒」をして、福田事務次官は「謝罪」しています。この「訓戒」と「謝罪」は何に対して行われたのでしょうか? 福田事務次官の言葉によると(セクハラを行ったと)「誤解を受け」ていることに対してのようです。

 セクハラ音源が公開された4月13日には「そんなこと言ってないよ、失礼な」と福田事務次官は激怒。この対応で、セクハラ音源が事実だとすると酷い行為だということを自らも認識していることが分かります。

 ところが、4月16日になって福田事務次官は要するに女性記者にはセクハラしていないが、「お店の女性と言葉遊びを楽しむ」か「仲間内の会話」だったのだから何も問題はないのだと方向転換しています。さて、このセクハラ音源は問題がないのでしょうか?

 以前書いた「麻生財務大臣による福田事務次官のセクハラ容認は財務省だけでなく日本全体のセクハラ容認につながる」の中で、紹介したように、国家公務員の「懲戒処分の指針」のセクハラ行為のところには、「相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した職員は、停職又は減給とする。」と明記されています。

 福田事務次官は公開された音源の中で、「旦那は浮気しないタイプなの?」「予算通ったら浮気するか」「胸触っていい?」「手縛っていい?」と言い、女性は「そういうこと本当やめてください」と拒否しています。

 これが、国家公務員の「懲戒処分の指針」にある「相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞を繰り返した職員」でなくて何だというのでしょうか?

 また、「お店の女性と言葉遊びを楽しむ」とか「仲間内の会話」ならこれはセクハラでも何でもないと福田事務次官も財務省も麻生財務大臣も主張していることになりますが、こんなことが許されていいのでしょうか? 「お店の女性」でも「仲間内」でも「相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞を繰り返した職員」にかわりはないのです。

 それから、福田事務次官は「お店の女性と言葉遊びを楽し」んでただけなのだから問題ないと強調したいようですが、「旦那は浮気しないタイプなの?」「予算通ったら浮気するか」などという会話を「お店の女性」とするというのも違和感があるように思います。この点でも既婚の女性記者に対するセクハラ発言といえるのではないでしょうか。重ねて「お店の女性」に対してならセクハラをしてもいいとは国家公務員の「懲戒処分の指針」には書いていませんからセクハラに当たります。

 これも前の記事で紹介していますが、男女雇用機会均等法11条で事業主はセクハラ対応措置をとる義務があって、具体的に厚生労働省は10項目をあげています。その6つめの項目には「被害者に対する適正な配慮の措置の実施」があり、「行為者の謝罪、被害者の労働条件上の不利益の回復、均等法第18条に基づく調停その他中立な第三者機関の紛争解決案に従った措置を被害者に対して講ずること。」が示されています。今回の福田事務次官による「提訴すべく準備を進めている」ことにあわせ、女性記者には調査に協力するよう求めていることは、被害者に対する「脅し」「恫喝」にほかならず、厚労省が義務づける「被害者に対する適正な配慮の措置の実施」とは全く真逆と言わざるを得ません。また、9つめの項目には「当事者等のプライバシー保護のための措置の実施と周知」や、最後の10番目の項目には「相談、協力等を理由に不利益な取扱いを行ってはならない旨の定めと周知・啓発」として、「労働者が職場におけるセクシュアルハラスメントに関し相談をしたこと又は事実関係の確認に協力したこと等を理由として、不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること。」となっているのに、この点についても加害者側である財務省が用意した弁護士で被害者側の「プライバシー保護のための措置」や「不利益な取扱いを行ってはならない」などがきちんと担保できるとは到底思えません。被害者保護もせず、セカンドレイプ的発想で福田事務次官を擁護する財務省は最悪だと思います。

 厚労省が事業主の義務とする10項目の1つめの「セクハラの内容、あってはならない旨の方針の明確化と周知・啓発」と、2つめの「行為者への厳正な対処方針、内容の規定化と周知・啓発」という最も基本的なことが、安倍政権、麻生財務大臣にはできていないのです。男女雇用機会均等法のセクハラ対応措置すらとらず、セクハラ根絶どころか、セクハラがまかり通る社会、セクハラ容認社会を広げる安倍政権に「女性活躍」推進などできるわけがありません。

(井上伸)

2018-04-16 17:40:06

自殺した近畿財務局職員Aさんは安倍政権・財務省による森友公文書改ざんと自分への責任転嫁に絶望した

テーマ:霞が関・公務関連情報

 『文藝春秋』5月号に、森友公文書改ざん問題にかかわって自殺した近畿財務局職員の父親の手記「息子は改ざんを許せなかった――誰が指示したのか。真相を究明してほしい」が掲載されています。この手記を読んだ全経済産業省労働組合副委員長の飯塚盛康さんが感想を書いてくれたので以下紹介します。

 『文藝春秋』5月号に「自殺・近畿財務局職員父親の慟哭手記 息子は改ざんを許せなかった――誰が指示したのか。真相を究明してほしい」が掲載されました。

 自殺した近畿財務局の職員Aさんは1962年もしくは63年に(享年55歳)岡山県の会社員の長男として生まれ、決して裕福とはいえない家庭でしたが、本を読むのとスポーツが大好きで元気で明るい子どもに育ったそうです。

 Aさんには弟さんがいて、お父さんは積極性があるAさんは大学に行かなくても職に就けるが弟さんは大学に行かせなければ仕事に困ると思って、Aさんの大学進学を諦めさせました。そしてAさんは文句を言うこともなく18歳で国鉄に勤務しました。

 国鉄分割民営化による人員整理のため、国鉄等職員再就職計画によって1987年にAさんは財務省に入省しました。初任地は島根県の財務事務所で、その後は和歌山、京都の後は霞が関の本省に長く勤務した後、10年ほど前に近畿財務局に転勤し、現在に至っています。

 Aさんは国鉄の民営化による再就職計画によって国の機関に転職しましたが、それ以前には林野庁の廃止、最近では農水省の食糧事務所の廃止によって国の機関に転職する人はいました。

 私が勤務していた関東経済産業局にも林野庁、国鉄、食糧事務所からトータルで20名を超える人が転職してきましたが、共通していえることは、全員真面目で優秀な人だということです。なかには管理職だった人も関東経済産業局では補佐あるいは係長になるのですが、それでも腐ることもなく、単身赴任の不自由な生活にも不平を言わず真面目に働く人ばかりでした。

 彼らは全員労働組合に加入してくれたので、何度も話をしたことがあるのですが、「仲間の中には、どうしても転勤ができずに辞めざるを得なかった人もいる中で、自分たちは国の機関に再就職させてもらっただけで感謝している。自分たちは外様なので、この職場のために一生懸命に働きます」と言うのです。Aさんの財務省に対する思いも同じだったのではないかと思います。

 Aさんは京都に勤務していた時に大学の夜間部に入学したそうです。大学に行きたいという夢をかなえるためだけでなく、真面目なAさんは財務省の仕事をもっと深めて、役に立ちたいとの思いで大学に入学したのではないかと思います。

 Aさんは公文書の改ざんが行われた頃から、毎日午前2時3時の帰宅が続き、その後休職し、3月2日に朝日新聞が決裁文書の改ざんを報道した数日後に自殺しました。

 自殺したAさんは「決裁文書の調書の部分が詳しすぎると言われて上司に書き直させられた」「勝手にやったのではなく財務省からの指示があった」「このままでは自分一人の責任にされてしまう」というメモを残していたそうです。

 財務局の仕事に誇りを持って真面目に仕事をしていたAさんにとって、こんな不正行為をやらされただけでなく、その責任をAさん一人に負わせようとした近畿財務局、財務省に絶望したのではないかと思います。

 国家公務員は一握りのキャリアの下に何万人というノンキャリ職員が、地味な仕事をコツコツと真面目にやっています。

 Aさんと同じ50代でノンキャリ課長補佐だった私は、国会で総理大臣が「私か妻が関わっていたら議員も総理大臣も辞めますよ」と言ったワンフレーズのために、キャリア官僚が国会でウソの答弁を繰り返し、ノンキャリ職員が不正な行為をやらされて自殺に追い込まれたことを許すことができません。(全経済産業労働組合副委員長・飯塚盛康)

2018-04-13 19:21:04

麻生財務大臣による福田事務次官のセクハラ容認は財務省だけでなく日本全体のセクハラ容認につながる

テーマ:霞が関・公務関連情報

 公文書改ざんなど森友問題に揺れる財務省の事務方トップの福田淳一事務次官が繰り返していたセクハラが明るみに出ています。福田財務事務次官が女性記者に対して「胸触っていい?」と言っている「セクハラ音源」がデイリー新潮のサイトに公開されたのです。

 ところが、麻生太郎財務大臣は、「本人の実績を踏まえれば、あの一点をもって能力に欠けると判断しているわけではない」などとして、処分の必要はないとの考えを示しています。

 セクハラをしても「本人の実績を踏まえれば」「処分の必要はない」などということが、国家公務員の職場でまかり通るものなのでしょうか?

 国家公務員に対する「懲戒処分の指針」(人事院事務総長発、最終改正:2016年9月30日)に、以下の「セクシュアル・ハラスメント」の項目があります。

 

 (13) セクシュアル・ハラスメント(他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動)

 ア 暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした職員は、免職又は停職とする。
 イ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した職員は、停職又は減給とする。この場合においてわいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患したときは、当該職員は免職又は停職とする。
 ウ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った職員は、減給又は戒告とする。


 今回の福田財務事務次官のケースは、上記の「イ」の「わいせつな言辞等の性的な言動を繰り返した職員は、停職又は減給とする。」に当てはまりますから、「停職又は減給」処分をする必要があるのです。

 それから、政府・厚生労働省は、セクハラ予防対策は事業主の義務とする男女雇用機会均等法の第11条に基づいて、「事業主の皆さん 職場のセクシュアルハラスメント対策はあなたの義務です!!」というパンフレットを発行しています。その冒頭で厚労省は次のように指摘しています。

 

 職場におけるセクシュアルハラスメントについて必要な対策をとることは事業主の義務です。必要な措置は10項目あります。
 職場でのセクシュアルハラスメントは、働く人の個人としての尊厳を不当に傷つける社会的に許されない行為であるとともに、働く人が能力を十分発揮することの妨げにもなります。それはまた、企業にとっても、職場秩序の乱れや業務への支障につながり、社会的評価に悪影響を与えかねない問題です。
 男女労働者がセクシュアルハラスメントのない職場でいきいきと働くことができる雇用管理の実現に向けて、法に沿った対策はもちろんのこと、自社に合ったより効果的な対策に積極的に取り組みましょう。

 そして、事業主の義務として10項目のセクハラ対策が必要だとして、その10項目の1つめに「事業主の方針の明確化及びその周知・啓発」を厚労省はあげ、「セクシュアルハラスメントに当たる性的な言動をした場合に具体的にどのような対処がなされるのかをルールとして明確化し、労働者に認識させることによってセクシュアルハラスメントの防止を図ること」が必要だとしています。これは国家公務員の場合は、上記で紹介した「わいせつな言辞等の性的な言動を繰り返した職員は、停職又は減給とする。」という「具体的な対処」を行うことによって、セクハラの防止を図ることが必要だということになります。

 以上、見てきたように、麻生財務大臣の「本人の実績を踏まえれば、あの一点をもって能力に欠けると判断しているわけではない」などということは、国家公務員の「懲戒処分の指針」にも反しますし、セクハラ予防対策は事業主の義務とする男女雇用機会均等法と、政府・厚労省が事業主にセクハラ対策を義務としている点とも反します。麻生財務大臣による福田財務事務次官のセクハラ容認は、国家公務員の職場をセクハラ容認職場とする上に、政府・厚労省として行っている日本社会におけるセクハラ防止対策をも蹂躙するという2重の意味でセクハラ容認社会を推進するものです。

 ブラック企業被害対策弁護団代表の佐々木亮弁護士の次のツイートが問題を端的に言い表しています。麻生財務大臣はただちに福田財務事務次官を処分すべきです。


https://twitter.com/ssk_ryo/status/984597104369647616
https://twitter.com/ssk_ryo/status/984596244763852801

(井上伸)

2018-04-05 12:45:34

安倍首相が配った「おにぎり」は昭恵氏に注がれた1億円の結晶(谷査恵子氏ら昭恵氏付職員の汗の結晶)

テーマ:霞が関・公務関連情報

 昨年の総選挙公示日の10月10日、安倍晋三首相が福島市で演説した際、集まった有権者におにぎりを配ったとして、福島県警が公選法違反容疑で宍戸一照福島市議を事情聴取されていたことが各マスコミで報道されています。毎日新聞はそのときに動画も公開しています。(→毎日新聞:「おにぎり、食べてって下さい~!」安倍総理注目の第一声ですから、動画でばっちり撮っていました。

 そして、佐藤正久参院議員は、自らツイートで「【安倍総裁、福島市佐原での第一声、おにぎり、お酒、福島の米を通じた復興支援のアピールに感謝】昭恵夫人も田植えから稲刈りまで関与している福島の米「吾妻の輝き」、それを使ったおにぎりを食べ、お酒の宣伝も入れた復興支援にかける思い、佐藤の両親を含む約500名の聴衆も感動した模様。感謝」と書いています。

▼佐藤正久参院議員のツイート



 ここで前回の記事「昭恵氏の下僕とされた谷査恵子氏、1億円超える国家公務員人件費を昭恵氏に注いだ安倍政権の前近代性」のおさらいです。

 安倍政権は昭恵氏を「私人」と閣議決定したけれど、昭恵氏には「総理公務補助」をする役割があるため、「総理公務補助の支援」を行う昭恵氏付職員(国家公務員5人で人件費1億1千万円を投入)を日本で初めて常勤として運用しました。

 これを、今回の「おにぎり事件」で考えてみましょう。安倍晋三氏には首相と自民党総裁の2つの立場があります。安倍晋三氏は選挙戦においては、首相の立場ではなく自民党総裁の立場で第一声を行ったことになります。佐藤正久参院議員がツイートで「安倍総裁」と書いているのもその点を留意しているからです。

 そうすると、今回の「おにぎり事件」は2つの問題があります。

 1つは、おにぎりを有権者に配ったという公選法違反(飲食物の提供)にあたる問題。2つめは、安倍夫妻によって、「行政私物化」「国家公務員私物化」が行われたという問題です。

 前回の記事でも紹介したように、谷査恵子氏ら昭恵氏付職員は昭恵氏の田植えやおにぎりづくりをやらされています。

▼@mortal225さんのツイート



 安倍総裁が配布したおにぎりには、谷査恵子氏ら国家公務員の労働が投入されていたのです。国家公務員は国民の税金によって働いているので、安倍自民党総裁が自民党議員の応援で配布したおにぎりには国民の税金が投入されていたことになるわけです。

 昭恵氏は「総理公務補助」で田植えを行い、谷査恵子氏ら昭恵氏付職員は「総理公務補助の支援」で田植えをし、おにぎりづくりをしていたことだけでも昭恵氏による「行政私物化」「国家公務員私物化」は過去に例がない酷い憲法違反です。国民の税金1億1千万円を使って昭恵氏の田植えをしていたのですから、これだけでも安倍政権は総辞職すべきです。

 これに加えて、昭恵氏の「行政私物化」「国家公務員私物化」で生み出された「おにぎり」を、今度は公選法違反と同時に安倍晋三自民党総裁としても私物化したことになります。

 安倍晋三氏と昭恵氏は、首相夫妻の立場と、自民党総裁夫妻の立場の両方において、「行政私物化」「国家公務員私物化」をとことん行ったという、日本政治史上初の独裁夫妻というほかありません。

 昨日(4月4日)、安倍首相は、国家公務員合同初任研修開講式で、「国家国民のため、心を尽くし、身を尽くす。崇高な志を持って、国家公務員の道を歩み出す皆さんを、内閣総理大臣として、心から歓迎したいと思います。」、「国家公務員の仕事は、国の骨格をつくる仕事です。仕事の結果は国民全てに影響が及びます。」、「これから国家公務員として歩む人生、全体を見渡し、あらゆることに思いを巡らし、国民の信頼を得、負託に応えるべく、高い倫理観の下、細心の心持ちで仕事に臨んでほしい。」などと訓示しています。

 「高い倫理観」と言うに至っては、まさに「おまいう」(お前が言うな)の典型ですが、この安倍首相の訓示にある「国民」や「全体」「国」などの言葉を「安倍夫妻」に置き換えれば、今の事態がなぜ起こっているかがよくわかります。

 「安倍夫妻のため、心を尽くし、身を尽くす。崇高な志を持って、国家公務員の道を歩み出す皆さんを、内閣総理大臣として、心から歓迎したいと思います。」、「国家公務員の仕事は、安倍夫妻の国の骨格をつくる仕事です。仕事の結果は安倍夫妻全てに影響が及びます。」、「これから国家公務員として歩む人生、安倍夫妻を見渡し、あらゆることに思いを巡らし、安倍夫妻の信頼を得、負託に応えるべく、高い倫理観の下、細心の心持ちで仕事に臨んでほしい。」――これが、安倍夫妻の心からの訓示だと思います。

 こうした問題について来週火曜日に緊急院内シンポジウムを開催します。ぜひご参加ください。(井上伸

2018-03-31 19:32:50

昭恵氏の下僕とされた谷査恵子氏、1億円超える国家公務員人件費を昭恵氏に注いだ安倍政権の前近代性

テーマ:霞が関・公務関連情報

 前回記事の「民間企業に置き換えると、その企業の役員でもなんでもない社長夫人がいて、その社長夫人の親しい人に対して、ヒラ社員が個人の判断で勝手に企業が所有する土地を格安で売ることを進めたことになります。民間企業においても考えられないことですが、国家行政を担う国家公務員のルールとしてもあり得ません。」という飯塚盛康さんの指摘で気づいたことがあります。それは、昭恵氏付職員を民間企業に置き換えると、その企業の役員でもなんでもない社長夫人に、その企業の職員を常勤で2人、非常勤で3人付けたことになるなということです。役員でない社長夫人に5人の職員を付ける民間企業って存在するのでしょうか?

 安倍政権はこの問題をどう説明しているのでしょうか?

 安倍政権は、安倍昭恵氏は「私人」だと閣議決定した上で、「安倍内閣総理大臣の夫人が内閣総理大臣の公務の遂行を補助すること(以下「総理公務補助」という。)を支援する職員2名を内閣官房に置いているほか、日常的には各省庁で勤務しているが、安倍内閣総理大臣の夫人の総理公務補助を必要に応じ支援する職員3名を内閣官房に併任させている。」と説明しています。そして、昭恵氏の行う「総理公務補助」として、「内閣総理大臣の外国出張への同行や、我が国に来訪する外国賓客の接遇、宮中晩餐会への出席のほか、内閣総理大臣の公務の遂行に関連する国内外の会議等への単独での出席等が挙げられる。」としています。

 昭恵氏が森友で行った講演に昭恵氏付職員が同行したことについては、これを「総理公務補助」と認めてしまうと、昭恵氏は安倍総理の公務の遂行を補助したことになり、森友問題の責任を安倍首相自身が問われることになります。なので、安倍政権は、昭恵氏が森友で講演したことは「私的行為」だが、それとは別に予定される「総理公務補助」について昭恵氏と「連絡調整」する「公務」のために昭恵氏職員は同行したと閣議決定しているのです。

 しかし、この理屈によると、どんな昭恵氏の「私的行為」にも「連絡調整」する「公務」のために昭恵氏付職員は同行することになります。こんなバカな話はないし、これでは昭恵氏の下僕に国家公務員が成り下がってしまうことになるのですが、スキー、田植え、バー、選挙応援などあらゆる昭恵氏の「私的行為」に実際に同行させられていたので、この現代において国家公務員は下僕化させられてしまったというのが事実になります。「私人」が国家公務員を下僕化したという安倍政権下の日本はおよそ近代国家とは言えないのではないでしょうか?

 

▼@mortal225さんのツイート


 安倍政権以前は、「総理夫人付職員」として非常勤で外務省職員を一人だけ付き、多くは外交時の「総理夫人による総理公務補助を支援する職員」として仕事をしていただけでした。

 安倍政権になって初めて「私人」の総理夫人に4年間に渡って国家公務員を常勤で2人、非常勤で3人も「昭恵氏付職員」として配置し、その人件費だけで1億1千万円もの税金を安倍政権はムダづかいしたのです。しかも、「昭恵氏付職員」の常勤として3年間仕事をした谷査恵子氏がキープレイヤーとなって森友問題が引き起こされたのです。(『文芸春秋』2017年3月号で、ノンフィクション作家の石井妙子氏は、昭恵氏に首相官邸でインタビューした際、おみやげとして昭恵氏のイラスト入りのメモやペン、キーホルダーなどをもらったことを明らかにしています。このインタビューに同席していた常勤の「昭恵氏職員」の人件費はもちろん、昭恵氏のイラスト入りのメモやペン、キーホルダーの作成費用にも私たちの税金が投入されているということではないでしょうか? ※菅義偉官房長官は昨年8月4日の記者会見で、5人いた昭恵氏職員について、経済産業省出身の常勤2人を同省に帰任させ外務省所属の非常勤3人だけとしたことを発表。その理由として「夫人との連絡調整を安倍事務所スタッフに委ねても支障がないと判断し、総合的に見直した」と菅官房長官は述べています)

 私は総理夫人に常勤の国家公務員を付ける必要などないと思いますが、百歩譲って必要性があったとしても、昭恵氏が行うのは「総理公務補助」で、谷査恵子氏の国家公務員としての職務は「昭恵氏が行う総理公務補助の支援」だけです。ですので、谷査恵子氏の「昭恵氏の指示なかった」はそもそもあり得ないし、谷査恵子氏が自分の判断で勝手にやったとすればそれは職務専念義務違反にもなります。

 憲法15条に、「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」とありますが、谷査恵子氏や佐川宣寿氏ら国家公務員を「安倍夫妻の奉仕者」とした森友問題は、前近代的で前代未聞の憲法違反だと思います。

 下記の緊急院内シンポジウムは私が企画しました。ぜひご参加いただければ思います。(井上伸)