「お店の女性」や「仲間内」ならセクハラOKとする福田財務事務次官・麻生財務大臣・安倍首相 | すくらむ
2018-04-17 01:20:49

「お店の女性」や「仲間内」ならセクハラOKとする福田財務事務次官・麻生財務大臣・安倍首相

テーマ:霞が関・公務関連情報

 福田淳一財務事務次官がこのまま財務省という行政の根幹の事務方トップを担い続けることは、さらに行政を歪めて日本をセクハラ容認社会、構造的な女性差別社会へと一層陥れるものになると思います。いま事務次官の人事は内閣人事局が掌握しているので福田事務次官の人事は麻生財務大臣だけでなく安倍首相自身にも直接責任がある問題でもあります。

 まず、時系列を見てみましょう。

 ◆4月11日 デイリー新潮が「女性記者に「胸触っていい?」「浮気しよう」 財務省トップがセクハラ発言」記事を掲載

 ◆4月12日 麻生太郎財務大臣は福田財務事務次官に対し「財務省が置かれている状況を考え緊張感を持って対応するよう訓戒を述べた」。福田氏から記事に関する報告を受け「訓戒で十分だと思っている」と強調。追加の調査や処分はしない考えを示した。福田氏は「(セクハラと指摘された)やりとりは定かではないが、誤解を受けることのないよう気をつけたい」と謝罪したという。(共同通信)

 ◆4月13日 デイリー新潮が「「財務省トップ」福田淳一事務次官のセクハラ音源公開!
  ※この音源の中で新潮の記者に対して、福田事務次官は「そんなこと言ってないよ、失礼な」と激怒。

 ◆4月16日 福田事務次官、セクハラ否定「事実と相違、提訴準備」
 「女性記者に対して、その相手が不快に感じるようなセクシャル・ハラスメントに該当する発言をしたという認識はない」とのコメントを発表。(ロイター)
 財務省が公式サイトに「福田事務次官に関する報道に係る調査について」をアップ

 財務省サイトにアップされた「調査」の「福田事務次官からの聴取結果」には、「お恥ずかしい話だが、業務時間終了後、時には女性が接客をしているお店に行き、お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある。また、仲間内の会話で、相手から話題を振られたりすれば、そのような反応をするかもしれない。しかしながら、女性記者に対して、その相手が不快に感じるようなセクシャル・ハラスメントに該当する発言をしたという認識はない。」などと書かれています。

 以上が時系列ですが、4月12日の時点で、麻生財務大臣は福田事務次官に「訓戒」をして、福田事務次官は「謝罪」しています。この「訓戒」と「謝罪」は何に対して行われたのでしょうか? 福田事務次官の言葉によると(セクハラを行ったと)「誤解を受け」ていることに対してのようです。

 セクハラ音源が公開された4月13日には「そんなこと言ってないよ、失礼な」と福田事務次官は激怒。この対応で、セクハラ音源が事実だとすると酷い行為だということを自らも認識していることが分かります。

 ところが、4月16日になって福田事務次官は要するに女性記者にはセクハラしていないが、「お店の女性と言葉遊びを楽しむ」か「仲間内の会話」だったのだから何も問題はないのだと方向転換しています。さて、このセクハラ音源は問題がないのでしょうか?

 以前書いた「麻生財務大臣による福田事務次官のセクハラ容認は財務省だけでなく日本全体のセクハラ容認につながる」の中で、紹介したように、国家公務員の「懲戒処分の指針」のセクハラ行為のところには、「相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した職員は、停職又は減給とする。」と明記されています。

 福田事務次官は公開された音源の中で、「旦那は浮気しないタイプなの?」「予算通ったら浮気するか」「胸触っていい?」「手縛っていい?」と言い、女性は「そういうこと本当やめてください」と拒否しています。

 これが、国家公務員の「懲戒処分の指針」にある「相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞を繰り返した職員」でなくて何だというのでしょうか?

 また、「お店の女性と言葉遊びを楽しむ」とか「仲間内の会話」ならこれはセクハラでも何でもないと福田事務次官も財務省も麻生財務大臣も主張していることになりますが、こんなことが許されていいのでしょうか? 「お店の女性」でも「仲間内」でも「相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞を繰り返した職員」にかわりはないのです。

 それから、福田事務次官は「お店の女性と言葉遊びを楽し」んでただけなのだから問題ないと強調したいようですが、「旦那は浮気しないタイプなの?」「予算通ったら浮気するか」などという会話を「お店の女性」とするというのも違和感があるように思います。この点でも既婚の女性記者に対するセクハラ発言といえるのではないでしょうか。重ねて「お店の女性」に対してならセクハラをしてもいいとは国家公務員の「懲戒処分の指針」には書いていませんからセクハラに当たります。

 これも前の記事で紹介していますが、男女雇用機会均等法11条で事業主はセクハラ対応措置をとる義務があって、具体的に厚生労働省は10項目をあげています。その6つめの項目には「被害者に対する適正な配慮の措置の実施」があり、「行為者の謝罪、被害者の労働条件上の不利益の回復、均等法第18条に基づく調停その他中立な第三者機関の紛争解決案に従った措置を被害者に対して講ずること。」が示されています。今回の福田事務次官による「提訴すべく準備を進めている」ことにあわせ、女性記者には調査に協力するよう求めていることは、被害者に対する「脅し」「恫喝」にほかならず、厚労省が義務づける「被害者に対する適正な配慮の措置の実施」とは全く真逆と言わざるを得ません。また、9つめの項目には「当事者等のプライバシー保護のための措置の実施と周知」や、最後の10番目の項目には「相談、協力等を理由に不利益な取扱いを行ってはならない旨の定めと周知・啓発」として、「労働者が職場におけるセクシュアルハラスメントに関し相談をしたこと又は事実関係の確認に協力したこと等を理由として、不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること。」となっているのに、この点についても加害者側である財務省が用意した弁護士で被害者側の「プライバシー保護のための措置」や「不利益な取扱いを行ってはならない」などがきちんと担保できるとは到底思えません。被害者保護もせず、セカンドレイプ的発想で福田事務次官を擁護する財務省は最悪だと思います。

 厚労省が事業主の義務とする10項目の1つめの「セクハラの内容、あってはならない旨の方針の明確化と周知・啓発」と、2つめの「行為者への厳正な対処方針、内容の規定化と周知・啓発」という最も基本的なことが、安倍政権、麻生財務大臣にはできていないのです。男女雇用機会均等法のセクハラ対応措置すらとらず、セクハラ根絶どころか、セクハラがまかり通る社会、セクハラ容認社会を広げる安倍政権に「女性活躍」推進などできるわけがありません。

(井上伸)

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