若者が自殺で1時間に1人亡くなる日本-仕事に殺される20代はこの6年で5倍増 | すくらむ
2011-12-17 10:20:16

若者が自殺で1時間に1人亡くなる日本-仕事に殺される20代はこの6年で5倍増

テーマ:ワーキングプア・貧困問題

 先のエントリー「急増する20代の就職失敗自殺・生活苦自殺・失業自殺-若者の死因トップが自殺なのは先進国で日本だけ」 に続けて、「若者の生きづらさ」を示すデータをいくつか紹介します。


 自殺予防総合対策センターの「性・年齢(5歳階級)別の自殺の年次推移」(→※PDFファイル) によると、近年は1993年の自殺率17.2(※10歳以上)を底にして増加傾向にあります。1993年と比較した2009年の自殺率の増加を、年齢別にグラフにしてみました。

すくらむ-倍増した20代の自殺率


 上のグラフにあるように、20~24歳はこの16年間で2.1倍と他のどの年齢層よりも自殺率が増加しています。つづく25~29歳は1.94倍で、あわせて20代はちょうど倍増していることになります。この16年間でもっとも「生きづらさ」が増したのは20代と言えます。


 警察庁のサイトに現在アップされている自殺関連データは2004年以降のものです。2004年は2007年以降から始まった詳細な自殺原因にまで踏み込んではいないのですが、「仕事の失敗」や「仕事の疲れ」など仕事上の問題が自殺の原因となる「勤務問題」という大項目はあります。その「勤務問題」による年齢別の自殺率を、2004年と比較した2010年の増加率という形でグラフにしてみました。

すくらむ-仕事に殺される20代


 上のグラフにあるように、「全年齢全原因」の自殺率も1.8倍に増えているのですが、「勤務問題」による自殺率はどの年齢層もその2倍程度増加しています。この6年間で労働環境は、すべての年齢層で急激に悪化しているのです。とりわけ、20代はこの6年で5.14倍も「勤務問題」による自殺率が増えています。そして、増加率が一番高いだけでなく、自殺率の絶対値そのものも、20代が一番高くなっています。労働は人間にとって基本となるものですが、その労働自体がどの年齢層よりも若者の命を多く奪っているのです。


 2009年の39歳以下の自殺者数は、8,829人にのぼります。365日×24時間=8,760時間ですから、日本では自殺で1時間に若者1人以上が亡くなっていることになるのです。


 先のエントリー「急増する20代の就職失敗自殺・生活苦自殺・失業自殺-若者の死因トップが自殺なのは先進国で日本だけ」 に対して、「先進国(G7)ではなくOECD諸国と比較すべき」という意見が寄せられています。OECDの最新データは2006年の自殺率で下の表になります。

すくらむ-OECD自殺率


 上の表にあるように、日本はOECD28カ国中3番目に自殺率が高い国です。日本より韓国とハンガリーが高くなっています。では年齢階層別に見ると、どうでしょうか。年齢階層別のOECDの最新統計は2005年のもので下の表になります。


すくらむ-韓国とハンガリーと日本


 上の表にあるように、OECDの統計は、年齢区分が違いますが、15歳から44歳までの若年層を見ると、35~44歳はハンガリーの方が高くなっていますが、ほかの年齢階層は日本が高くなっています。韓国は高齢層の自殺率が異常に高い国なのです。


 それから、「若者の死因トップが自殺なのは先進国で日本だけ」 という部分で、「先進国(G7)」にせざるをえなかったのは、OECDはそうしたデータを公表していないからです。WHOのデータに年齢別の死因があるのですが、だいたい先進国(G7)ぐらいしかデータがそろっていません。そして、その先進国(G7)の若年層の死因トップは「事故」などが多くなっています。そもそも日本以外の先進国(G7)は若年層の自殺率の絶対値が低いので、自殺が死因のトップになりようがないのです。


 最後に、「一人ひとりを包摂する社会」特命チームの資料(「一人ひとりを包摂する社会」の構築に向けた課題、2011年1月18日)を2つ紹介しておきます。

すくらむ-不安



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(byノックオン。ツイッターアカウントはanti_poverty)


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