霞が関の国家公務員2,599人が過労死の危険、残業代不払い14億円-1千人の定員増が必要 | すくらむ
2011-09-24 12:35:44

霞が関の国家公務員2,599人が過労死の危険、残業代不払い14億円-1千人の定員増が必要

テーマ:霞が関・公務関連情報

 9月21日、霞国公(霞が関国家公務員労働組合共闘会議)が、「中央府省に働く国家公務員の第19回残業実態アンケートの結果について」を発表しました。プレスリリースと、参考資料を紹介します。


【プレスリリース】
 霞国公2011年残業実態アンケート結果について
          2011年9月21日
          霞が関国家公務員労働組合共闘会議(霞国公)


 霞国公は、本年3月、霞が関に所在する立法、司法、行政で働く中央府省の22の労働組合(組織人員:約1万人)を対象に、東京国公と共同で「残業実態アンケート」を実施しました。このアンケートは1985年(昭和60年)から実施しており、今回で19回目になります。


 これまで、同アンケートを基に、国会業務の改善等を課題とした政党懇談会や、予算業務改善のため財務省交渉を、重ねてきました。その結果、各政党からは「質問通告時間の早期化について国対委員長会議、議院運営委員会で課題として取り上げる」、財務省交渉では、「ヒアリングは原則勤務時間内とする。時間外となる場合は事前に調整する」等の回答を引き出しています。


 また、毎年人事院や総務省に対し、超過勤務縮減を求める交渉を積み上げ、2006年(平成18年)8月には、初めて内閣官房副長官が「政府一体となって超過勤務縮減対策を進めていく」との談話を公表。これを受け、2008年(平成20年)3月には内閣官房が「今後の超過勤務縮減の取組の進め方」をとりまとめ、関係府省に超過勤務縮減の取組指針を提示し、同年4月から超過勤務縮減の取組みが始まるなど、一定の成果を勝ち取ってきています。


 これからも霞国公は、慢性的長時間残業解消や過労死・過労自殺を出させないための活動を続けていきます。


 今回の結果と特徴


 アンケートに参加したのは2,502人で、霞が関で働く一般職員全体(約3万4,200人)の7.3%でした。


 1 平均残業時間は35.1時間(前年比2.3時間アップ)
    残業代の不払いは14億円超


 平均残業時間については、ここ数年漸次減少傾向にありましたが、今回は前年比増(2.3時間アップ)の35.1時間となりました。また、休日出勤については「休日出勤あり」が前年より10ポイント近く増え57.2%にも達しました。


 残業代未払いについては、2010年4月以降の超過勤務手当予算が34時間ですので、その差(試算上は1.14時間)が不払いとなります。事実、アンケート結果でも「不払いがある」と回答した者は65.6%にも上っています。


 民間では、残業手当の不払いは「犯罪」として取り扱われており、国自らが「犯罪」を犯していることになります。また、民間企業を指導している厚生労働省にも当然不払いがありますので、早急な解決が求められています。


 〈試算〉
 ◆3,055円(本省平均超過勤務単価)×1.14時間×12月=41,792円(一人当たり)
 ◆41,792円×34,200人=14億2928万円≒14億3千万円


 2 2千5百人以上が過労死と隣り合わせ


 霞が関における残業の実態は依然として深刻です。過労死の危険ラインとされる月80時間を越える残業者は7.6%となりました。従って単純計算で霞が関全体の職員・組合員のうち、2,599人(34,200人の7.6%相当)が、過労死危険ラインで働いていることになります。


 事実、80時間以上の残業があったと答えた者(7.6%)のうち、14.7%が「現在過労死を感じている」、35.8%が「過去に過労死を感じたことがある」と答えており、過労死の危険ラインにあることがアンケートからもうかがい知ることができます。


 なお、回答者全体では「現在過労死を感じている」は3.3%、「過去に過労死を感じたことがある」は27.9%となっており、「現在感じる」、「過去感じた」合わせると31.2%に達しています。


 3 4割近い人が不健康状態
   3分の2弱が疲労や精神的ストレスを感じている


 現在の健康状態についてみると、「不調である」、「薬等服用している」、「通院加療中である」という不健康状態にあると回答した者が、全体で35.0%にも上っています。


 また、疲労や精神的ストレスを感じていると回答した者は59.2%であり、その主な原因は「職場の人間関係」33.3%、「仕事の量が多すぎる」28.3%、「通勤ラッシュ・長時間通勤」18.6%、「残業・休日出勤など長時間労働」16.7%の順に、多くの回答が集中しています。


 さらに、「体の具合が悪くて休みたかったが休めなかったことがある」と回答した者が44.9%と半数近くを占めるなど健康破壊寸前の状態にあるため、この解消にむけた早急な対策が求められています。


 4 残業の最大要因は「業務量が多い」、当局・管理職の認識や姿勢、指導に問題あり


 残業の要因としては、「業務量が多い」(59.7%)が最も多く、続いて「人員配置が不適切」(29.1%)、「国会対応」(25.0%)の順となっており、業務量に見合う職員が十分に配置されていない実態がうかがえます。


 一方、当局が進める残業改善施策に対する評価では、「全く効果がない」と回答した者が31.6%にも上り、その効果に疑問が抱かれています。また、政府・当局が設定した定時退庁日であるにもかかわらず、53.7%が「管理職の指導が十分でない」と答えるなど、当局・管理職の超過勤務縮減に対する認識や姿勢、指導に問題ありとの指摘がされています。


 今後の運動=総務省・人事院に問題解決を迫っていきます!


 政府は、毎年10月の第1週に「超過勤務縮減キャンペーン」を実施しています。このキャンペーンの実施所管官庁である総務省は、各省を指導できる立場にあることから、全省庁一斉定時退庁の促進を強く求めつつ、年間を通じ総務省・人事院などに対し引き続き超過勤務縮減の運動を強化していきます。


【参考資料】
 中央府省に働く国家公務員の
 第19回残業実態アンケートの結果について
             2011年9月21日
             霞が関国家公務員労働組合共闘会議(霞国公)


 Ⅰ 中央府省の残業実態について


 1 月平均残業時間は35.1時間(前年32.8時間)


 アンケート結果では、この1年間の月平均の時間外労働時間は35.1時間となっています。前年の32.8時間と比較して2.3時間の増加となっており、依然として高水準です。これを年代別に見ると、若年層ほど長時間残業となっていることがわかります。

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 2 月平均残業時間別の状況(月平均80時間以上が7.6%)


 月平均の残業時間別の状況をみますと、過労死の危険ライン(厚生労働省)とされる「80時間以上」が7.6%(前年6.3%)となっており、とりわけ過労死の危険が高い「100時間」以上が3.7%(前年2.9%)となっています。これらの人たちの年間総労働時間は3,000時間を超えています。国家公務員の労働時間は、法律で週38時間45分と定められています。しかし、法定外労働時間を労使間で協定する権利を奪われているため、無制限に時間外労働を強いられる結果となっています。


 人事院(労働基本権の代償機能を有する第三者機関)も、この残業実態を改善するため、時間外労働の上限の目安として年間360時間(月平均30時間)を目標に指針を定めていますが、この上限の目安時間を超えて残業をしている組合員等は41.5%(前年41.1%)にも上っています。

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 3 休日出勤の有無 前年比10ポイント増の57.2%


 さらに業務実態を明らかにするために、休日出勤の有無をみると「休日出勤あり」は57.2%(前年47.8%)と前年と比べ10ポイント近く増えています。休日出勤の日数も年間20日、30日以上もの休日出勤を余儀なくされる者も少なからず存在しています。


 また、休日出勤に対する手当等の有無をみると、「手当も代休も無し」とする割合が年々改善されているものの26.4%(前年33.1%)となっています。

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 4 残業になる要因(定員不足が最大の理由)※3つ選択(昨年まで2つ選択)


 残業の要因については、今回(2011年調査)から、選択数を3つまで(前年は2つ)とするとともに、要因として「人員配置が不適切なため」を新たに追加しました。


 そのため、前回と単純には比較できませんが、残業の要因としては「業務量が多いため(定員不足)」が59.7%(前年64.7%)と依然として最も高い割合を示し、次いで「人員配置が不適切なため」29.1%(2011年新規項目)、「国会対応のため」が25.0%(前年17.9%)、「不合理な仕事の進め方」18.3%(前年20.6%)となっています。


 業務量に見合う職員が十分に配置されていないことが、霞が関の長時間労働の最も大きな要因となっていることが明らかとなっています。

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 5 残業要因で国会対応が急増
   ルールに基づいた質問の早期通告を求めます


 残業になる要因の3番目ですが、前回比7ポイント増の25%となった国会対応も大きな要因の一つです。この国会対応残業を改善するには、質問を早く通告してもらうことが急務と言えます。

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 6 残業手当等の支給実態(残業手当不払いがある66%)


 以上のような過酷な残業に対して、残業手当の支給実態(無回答者を除く)をみると、「不払いがある」割合は65.6%(前年58.1%)となっており、依然として不払い残業が多いのが実態です。


 これを支給割合別にみますと、「20%未満」が2.5%、「20%以上40%未満」が9.3%、「40%以上60%未満」が17.1%となっており、これらの「6割未満しか支払われていない」者は全体で29.0%(前年25.1%)となっています。


 残業や休日出勤に対する手当の全額支給は当然のことであり、国家公務員給与法第25条では、「この法律の規定に違反して給与を支払い、若しくはその支払いを拒み、又はこれらの行為を故意に容認した者は、1年以下の懲役又は3万円以下の罰金に処する」とあります。このような違法状態は直ちに改められなければなりません。

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 7 不払い残業代の試算
    霞が関全体で14億円3千万円の不払い残業
    改善には、1,002人の定員増が必要


  霞国公の試算では、霞が関に働く国家公務員の不払い残業代の総額は約14億3千万円になります。また、残業を人事院の指針である上限年間360時間の範囲に引き下げるためには1,002人の人員増が必要です。


 (1)試算の前提条件


 ①霞が関の国家公務員数(管理職を除く一般職):34,200人


 ②一人あたり年間標準労働時間:2103時間45分
  ※積算根拠:1日7時間45分労働で年間225日出勤、残業年間360時間


 (2)試算


 ①不払い残業代の総額は14億3千万円


 ◆本省平均超勤単価3,055円×残業予算に不足している時間(1.14時間)×12月=41,792円(一人当たり)


 ◆41,792円×34,200人=14億2,928万円≒14億3千万円


 ②残業を上限の年間360時間にするためには、新たに1,002人の雇用が必要


 ◆2010年の月平均残業時間(35.14時間)×12月=年間421.68時間


 ◆421.68時間-残業上限(360時間)×34,200人=2,109千時間


 ◆2,109千時間÷一人あたり年間標準労働時間(2,103.75時間)=1,002人


 Ⅱ 中央府省の残業対策


 これらの残業に対して中央府省の各当局は、毎週水曜日の全省庁一斉定時退庁日の設定等を実施しています。本アンケートでは定時退庁日の状況について聞いています。


 1 定時退庁日の退庁状況


 政府が定めた定時退庁日に「定時退庁できない」とする者が20.6%(前年19.5%)と前年と同水準で、「時々できる」を含めると、55.6%(前年54.4%)が満足に定時退庁できない状況です。


 2 管理職の指導の有無(指導はするが…)


 定時退庁日に対する管理職の指導の有無をみると、「全くない」が21.3%(前年18.5%)もあり、「時々する」を含めると53.7%(前年53.6%)が十分な指導をしておらず、「定時退庁日の退庁状況」と似通った割合になっています。


 3 残業改善施策の効果(施策の効果に疑問)


 残業改善施策に対する評価をみると、「効果があがっている」、「多少効果があがっている」とする割合は、それぞれ、8.7%(前年9.9%)、53.2%(前年52.6%)と前年と同水準で、「全く効果があがっていない」とする割合は、31.6%(前年31.1%)で3分の1の組合員が、当局が行う残業改善施策の効果に疑問を抱いています。


 これらの結果は、管理職等の残業改善に対する認識の欠如、定時退庁日の形骸化の現れとみることもできます。


 Ⅲ 組合員等の健康について


 1 年次休暇の取得日数(半数が10日以下)


 20日間ある年次休暇の取得日数について、年間の平均取得日数をみると、11.3日(前年11.2日)となっています。これを取得日数別にみると年休取得日数「10日以下」が47.8%を占め、半数近い人が10日以上の年次休暇を放棄させられています。また、年休取得日数「0~5日」が19.9%(前年19.9%)となっており、家庭生活や健康上からも見過せない問題です。


 2 健康状態(4割近い人が不健康状態)


 次に、現在の健康状態についてみると、「不調である」、「薬等服用している」、「通院加療中である」という不健康な状態に置かれている人が35.0%(前年37.1%)にも達しています。


 これを年齢別にみると、20歳代以下でも18.5%と高い割合になっており問題があります。30歳代以上では29.0%であり(この年代では「不調である」が急増)、40代では40.6%、50代では52.4%と年代が高くなるにつれ不健康状態の割合が増えており、全体として残業等による疲労の蓄積が増加していると考えられます。


 3 過労死の危険性(3人に1人は過労死の危険を感じた)


 以上のような残業実態などから、過労死の危険を「過去に感じた」27.9%(前年30.6%)、「現在感じている」3.3%(前年3.9%)を合わせた割合が31.2%(前年34.5%)に達しています。


 とりわけ、「月80時間以上」残業している者では「現在感じている」14.7%と全体平均(3.3%)の4.4倍にも達しており、7人に1人が過労死の危険を感じているという状況になっており、「過労死」や「過労自殺」を1人も出さないための政府・当局の緊急で抜本的な解決策が求められています。


 4 業務におけるストレス
   最大は、職場の人間関係


 疲労や精神的ストレスを感じていると回答した者は59.22%となり、その主な原因として、職場の人間関係(33.3%)、仕事の量が多すぎる(28.3%)、通勤ラッシュ・長時間通勤(18.6%)、残業・休日出勤など長時間労働(16.7%)が上げられています。また、「体の具合が悪くて休みたかったが休めなかったことがある」と回答した者が44.9%と半数近い結果となり、健康破壊が一層進むのではないかと危惧されます。5 長時間残業者(月平均80時間以上)の実態 過労死ラインといわれる「月平均80時間以上の残業者」(7.6%)の実態を見ると、残業となる原因は、業務量が多いが84.7%(全体59.7%)、続いて「人員配置が不適切なため」が42.6%(全体29.1%)国会対応が38.9%(全体25.0%)となっています。全体と比べると「業務量が多い」と「国会対応」の割合が高くなっています。


 また、「過去に過労死の危険を感じたことがある」35.8%(全体27.9%)、「現在感じている」14.7%(全体3.3%)で、併せて50.5%(全体31.2%)の人が過労死を感じています。


 「業務において疲労やストレスを感じている」は78.4%(全体59.2%)と多く、その原因は、「仕事の量が多い」が60.0%(全体28.3%)、「残業・休日出勤など長時間労働」が54.2%(全体16.7%)となっており、全体と比べストレスの要因が突出しています。


 まとめ


 以上の結果は、①霞が関に働く国家公務員は、月平均35.1時間の残業をして、②過労死の危険ラインとされている月80時間以上の残業が組合員等の7.6%で行われていること、③「体調不調」、「薬等の服用」、「通院加療中」の組合員等が35%であること、④過労死の危険を感じた者(現在、過去合わせて)が3割を超えることなどから、霞が関の中央府省の過酷な勤務実態が組合員等の尊い生命を奪いかねないという危機的状況にあることを示しています。


 人事院の調査によれば、国家公務員の死亡原因のうち「自殺」が「病死」に次いで第2位となっています。また、国家公務員の1か月以上の長期病休者のうち、63%が「心の病い」となっています。近年、霞が関中央府省での「心の病い」や自殺の増加などは、これらの危機が現実のものであることを示しています。


 霞国公は組合員等の命と健康を何よりも大切にする労働組合として、職場での過酷な勤務実態を直ちに改善するよう強く求め、以下の要求を政府当局に提出し運動を展開しています。


 【参考】
 東京国公・霞国公が、2010年9月27日に実施した総務省交渉での要求事項


 1 超過勤務縮減に向け、「超過勤務の縮減に関する指針」(平成21年2月27日付人事院職員福祉局長通達)及び「国家公務員の労働時間短縮対策について」(平成20年9月10日最終改正、総務省人事管理運営協議会決定)を実効性のあるものに改定すること。


 2 過労死、過労自殺や公務災害の根絶のため、職場の「労働安全衛生」対策を抜本的に強化するとともに、職員の健康保持に向けた対策を強化すること。


 3 法令違反の不払い残業を解消するため各府省に指導を強化すること。また、不払い残業解消に必要な超過勤務手当の予算を確保できるよう財務省に働きかけること。


 4 本年10月の「国家公務員超過勤務縮減キャンペーン週間」を実効あるものとするため、各府省に対する指導を強化すること。


(注)人事院に対しては例年3月~4月頃に交渉していたが、本年は東日本大震災が発生したことにより交渉を中止した。

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